おまけのお話し2:天日塩
これは、渋谷の「たばこと塩の博物館」で入手した天日塩です。
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/WelcomeJ.html
これはこの博物館のページのトップです。ここから、いろいろな塩の知識が得られますので、利用して下さい。
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/sio/world/tenpien.html
このページによりますと
海水などの塩水から作られる塩のうち、乾燥した気候を利用して天日蒸発だけで結晶させた塩を天日塩(てんぴえん)といいます。
天日塩田:
メキシコ(ゲレロネグロ)
メキシコから日本へ輸出される天日塩は、すべてこのゲレロネグロ塩田で作られます。約50,000haの塩田の広さは、東京都23区とほぼ同じです。
こうありました。ということは、冒頭の写真の塩も、このゲレロネグロ塩田の塩ですね。
詳しい話はしませんが、輸入天日塩を日本の海水で溶かして、もう一回煮詰めて塩をつくっているものもあります。
日本の水族館では目の前の海の水を飼育用に使えないという話を聞いたことがあります。汚くって。今はどうなったかなぁ。
そういう海水で溶かして煮詰めても、何にもならないという気もしますが・・・。
http://www.nagaishiweb.com/koujou/koujou-enden.html
このサイトによりますと
塩の作り方は、
1.ポンプで海水を塩水池に入れる。(写真1.)
2.約2年をかけて、傾斜と風の流れだけで、13に区切られた塩水池に海水を順番に移動させる。(写真2.3.4.)
3.海水を結晶池に移し、約6~8ヶ月かけて塩を沈殿させ、上澄み液を取り除き、塩を採取する。さらに上澄み液を同じ期間をかけて沈殿させる。これを3度繰り返す。(写真5.6.7.8.)
4.洗浄する。(写真9.)
とありました。ずいぶん時間をかけるのですね。
これは、天日塩を研磨したものです。非常に透明で美しいものです。やはり「たばこと塩の博物館」で入手しました。
肉眼で見る限り「ただ透明である」だけなんですが、実は、赤外線に対しても透明なのですね。
化学の方で、赤外線分光(IR = infra red)という分光法がありまして、その際に、試料を挟むプリズムというか、板というか、に使うことがあります。
私自身は有機化学系の出身ですから、有機物の赤外分光は日常のことでした。その際は臭化カリウムの結晶を使うことが多かったのを覚えています。
(肉眼で見える可視光以外にも、光の透過性がどうなっているかで「透明」「不透明」という言葉を使います。例えば、普通のガラスは「紫外線に対してかなり不透明」なので、ガラス越しの太陽光で日焼けすることはあまりありません。電車などで、窓ガラス越しの日光さえ嫌って、席を変わったり、ブラインドを下ろしてしまう方がよくいますが、あれは「やりすぎなんだがなぁ」と内心でつぶやくかかしさんです。)
今回は、天日塩について。
生徒は、「氷砂糖見たいだ」「こんなに透明なのか」と、驚いていました。
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