予感
2010.2.15付 朝日俳壇より
一瞬の予感に凍る夜の電話:(蓑面市)井上浩一郎
稲畑汀子 評:夜の電話というのは緊急を要する時がある。呼び出しの音に一瞬、不安を誘われる。凍るという季題に読者の想像が広がる。
「凍る」が季語だとは知りませんでした。ごく普通の言葉でしょ。
冷蔵庫とか普及した現代に、「凍る」を冬の季語にしておく必要はないような気もいたします。
そして、この句の「予感に凍る」は、一瞬心が凍り、体が凍り、予感が頭をよぎって行ったということですから、具体的な「氷が張る『凍る』」である必要は全くない。
寒い季節とて、年長者には辛い。そういう冬の時期の夜の電話、という意味をもたせてはいます。
でもねぇ、これが季語である必然性を私は全然感じていません。
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