寝正月
2010.2.15付 朝日俳壇より
吾輩は猫であるゆゑ寝正月:(神栖市)田中陶白
長谷川櫂 評:正月も寝てばかりのものぐさ猫を詠む。猫にしては、文学的な弁解をみつけた。
いや、評を読む前は素直に笑っていたのですが、どうも、逆らいたい男というものは仕方のないもので、評を読んだら文句言いたくなってきた。
「ものぐさ猫」?
いえいえ、優雅な猫でしょ。
年末だ、正月だ、と忙しくしている「人というサル」のほうが、動物の在り方としてはおかしいのです。そんなもん、関係ない。日向ぼっこでぬくぬくと。
「吾輩は猫であるゆゑ猫正月」
別の読み方にも踏み込みたくなった。
作者は「私は猫だ」と宣言してしまった。だから、寝正月を決め込んで、ぬくぬくと日向ぼっこを楽しんでいられるのだ。と。
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