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2010年2月15日 (月)

おまけのお話し3:食卓塩の結晶

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◆これは、私が食塩水を放置してできた、四角い結晶。
立方体とはいえませんが、結構生徒は驚きます。

これは初めて見せるものではなくて、前にも見せています。ちょうどその時、学校公開で、何人かの保護者の方にもお見せしました。
そうしたら、冷蔵庫のなかで醤油を自然乾燥させたら大きな結晶ができた、というお手紙と実物を見せていただきました。濃縮中に醤油の色も取り込まれたために、少し茶色っぽい結晶でしたが、一辺が1cm近くある大きな結晶で、素晴らしいものでした。
これも生徒に見てもらいました。びっくりです。
冷蔵庫の中は温度が安定していて湿度も低いので、ゆっくり水を蒸発させて大きな結晶を作るには良い環境なのです。ただし、「ゆっくり」ですが。

◆生徒に見せた実物は上の写真のものでしたが、私の手元に、顕微鏡写真がありますので、お目にかけましょう。
1010siocrystal100x
これは100倍で見た塩の結晶の表面。階段状になっていますね。
これが、結晶の面に目に見える階段になることが実は多いのです。こういう状態の結晶を「骸晶」といいます。なかなか完全に平らな面をつくるのは難しいことです。
1010siocrystal150x
これは150倍。上の写真よりもっと狭い範囲の拡大です。
階段状になる前の、微細な凹凸が見えています。

◆昔「SINRA」という科学雑誌がありました。この雑誌に「原寸博覧会」という連載がありました。
1996年1月号の「原寸博覧会」は、塩の結晶。このページのカラーコピーを担任の先生に授業で使って下さい、とお渡ししましたので、きっと生徒に見せていただけたことでしょう。
どんな写真かというと、一辺が9cmもある食塩の結晶の実物大写真が載っているのです。
写真は、ここでは載せられませんが、内容をかいつまんでご紹介します。
高純度の食塩をルツボで800℃を超えるところまで熱して、融解させます。塩化ナトリウムの融点は801℃ですので、水に「溶解」するというのと違って、熱で「融解」するのですね。
ここに小さな種結晶をつるして、ゆっくりゆっくり、徐々に温度を下げていきます。そうすると、種結晶の周りに大きな結晶が成長していくのです。十分に冷えたところで、結晶の劈開面(へきかいめん)にそってカットするのですね。

私自身の高校化学での授業の教材として使っていたものですが、今頃、また役に立つとは思っていませんでした。よかった、よかった。

ところで、食塩が融解した液体、というものをご覧になったことがありますか?
私の授業では、何度か生徒にもやらせています。ビックリしますよ。

普通に試験管に底から2~3cmの深さまで食塩を入れます。
スタンドに試験管を斜めに固定します。
バーナーの比較的弱い火で、試験管を底から始めて口まで熱くします。水が水滴にならないように。
そうしたら、バーナーの火を試験管の底に当てて、強くします。はじめのうち、含んでいた水分でパチパチ弾けますが、無視。どんどん熱します。
しばらくしたら、可能な限りの強熱にします。
試験管のガラスが柔らかくなって少し「垂れる」感じになりますが、構いません。
やがて、試験管の内面が濡れたようになって、融解が始まります。いったん融解が始まれば後は結構速い。全部が熔けてしまったら、軽く揺らすとちゃぷちゃぷしますよ。透明な液体がちゃぷちゃぷしていて、これが食塩だとは信じられないほどです。
しばらく楽しんだら、火を止めて放冷しますが、室温まで冷やしてしまうと、中身が取り出しにくい。なにせ、試験管が変形してしまっていますから。
熟練の技で、まだかなり熱いうちに、ビーカーの中に入れた水にいれて、ひずみで試験管を割ってしまいましょう。
危ないから気をつけろよと声をかけて、ピンセットで中身の塩を拾い出します。

いや、かなり危険ですが、高校生ならやらせられる。とてもエキサイティングな経験になります。

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