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2010年2月 1日 (月)

ヨウ素の話に寄せて

1月29日付で、「ヨウ素が豊富」という話を書きました。

★昆布だしに含まれるヨウ化物イオンを酸化剤でヨウ素にして、ヨウ素でんぷん反応を行いました。
さて、昆布の袋に、「青くなる」ことが書いてあったわけですが、酸化剤を使わなくてもヨウ素でんぷん反応が起きるのでしょうか?

おそらく、だしを取ってすぐに使えば、でんぷんでとろみをつけても反応は起こらないと思います。
昆布が日にさらされていた、とか、湿った状態で保存された、とか、だしを取ってから長いこと空気中にさらされた、というようなことがあると、ヨウ素が出来るかもしれません。

化学ではヨウ化カリウムという物質をよく使うのですが、この物質は無色透明な結晶です。
結晶状態で乾燥していれば長持ちします。ですが、溶液にすると酸化されやすくなります。光が当たると酸化されやすくなります。
ですから、ヨウ化カリウムは固体のまま「冷暗所保存」します。
使う直前に溶液にして使います。

というわけで、調理の場でも、ヨウ素でんぷん反応が起こる可能性は、低いですがあるのでしょう。
で、クレームがついてしまったわけですね。

★今回私は、カメラを傍らに置いて、台所で実験をしました。とはいっても、使った用具は鍋、カップ、スプーンなど。対象は食品の昆布とでんぷん。
化学実験と言うほどのものでもないですね。
台所の流し用の、キッチンハイターも使いましたけれど。
で、妻も理系ですからして、私がこんなことを台所でやっていても別に文句はありません。
結果を見せて、二人で納得、というだけです。

ところがですね。
古い話ですが、20年くらいも昔かな。文系の高3を対象に、「生活化学」という授業を5年間くらいやったことがあるのですが。
夏場、スーパーで売っているカキ氷用の「色の濃いシロップ」を鍋に取り、洗った毛糸を入れ、酢で酸性にして煮ると、毛糸がきれいに染まるよ、ということを教えたんですね。
授業でもほぼ同じ実験をやりましたが、家でも出来るよ、と。
で、ある女子生徒が家でこれをやろうとして、お母さんに強烈にヒステリックに「台所で化学実験なんか絶対やってはいけない」と拒否されてしまったのだそうです。あとで、報告してくれました。
世のお母さん方、こんなの化学実験と言うほどのことでもなし。楽しませてあげてください。
「化学」にアレルギーなんでしょうね。かなしいなぁ。

台所で行う「調理」って化学反応なんですよ。
肉を焼く、煮るは、たんぱく質の熱変性。
サラダを塩モミにするのは、浸透圧の応用。
梅酒をつけるのも、浸透圧とアルコール抽出。
コーヒーをドリップするのは、熱水抽出。
酢のものは、たんぱく質のpH変化による変性。
みんな化学なのです。
偏見を捨ててください。化学は「ものの性質」を扱う学問ですから、食べ物も当然扱うのです。
また、体の中で起こっているできごともすべて「化学反応」なんです。
化学反応の膨大なシステムとして生命は存在するのです。

★とまぁ、こんなことを、思い起こしてしまいましたので、一筆啓上申上候。

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