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2010年1月 4日 (月)

二十四節気

◆2010年1月5日は二十四節気の「小雪」です。

よく立春などのときに「暦の上では春が始まるんですね」などといいます。この時の「暦の上では」という言葉は、太陽暦とは異なる「旧暦」のことのように使われていると思います。
旧暦は月を基本とする「太陰暦」のことを指すのでしょう。

では、月の運行が季節と関わるのでしょうか?
季節を生み出すのは地球と太陽の関係ではありませんか?

ウィキペディアから引用します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%B0%E5%A4%AA%E9%99%BD%E6%9A%A6

太陰太陽暦(たいいんたいようれき)とは太陰暦を基にしつつも閏月を挿入して実際の季節とのずれを補正した暦である。
・・・
純粋な太陰暦では1回帰年の近似値である12ヶ月を1年とした場合、1年が354日となり太陽暦の1年に比べて11日ほど短くなる。このずれが3年で約1か月となるので、約3年に1回、余分な1か月閏月を挿入してずれを解消した。閏月を19年(メトン周期)に7回挿入すると誤差なく暦を運用できることが古くから知られ、世界各地で行われた。
・・・
中国では暦と季節とのずれを検出するために二十四節気が考案された。二十四節気は1つおきに正節(節気)と中気に分けられ、正節から次の正節までの間を節月という。節月は約30日であり、1朔望月よりも長い。よって暦と季節とのずれが蓄積されてゆくと、中気を含まない月が生じることになる。この中気を含まない月を閏月とする。また、月名もその月に含まれる中気によって決め、例えば雨水を含む月を「一月(正月)」とした。

月の運行だけでは季節がずれてしまうのです。ですから、季節の源である太陽の運行を取り入れて、季節のずれを解消するのが「二十四節気」なんですね。
ですから、二十四節季は太陽暦だ、といってもいいでしょう。
Seasons
天球上の太陽の位置というのが定義なのですが、「地動説」のイメージを大切にして、太陽を中心として地球が回るという図の中に、今年の二十四節気を書き込んでみました。

春分の時刻を角度の原点「0度」とします。地球は、地球の北極側から太陽系を見下ろしたとして、反時計回りに公転しています。
昨年の12月22日が「冬至」で、春分点から270度回った位置でした。
その位置から15度地球が進んで、285度まで来るのが「小雪」なのです。これが今年の場合1月5日。

こうやってみると、90度ごとに、春分、夏至、秋分、冬至となるのがよく分かりますね。
さらに、その間、45度ごとに、立夏、立秋、立冬、立春となっています。
これらは言葉からしても、太陽暦のものだということがわかります。
それらの間にある言葉が、ちょっと古めかしくて、なんだか「古い暦」のもののように思ってしまうわけです。

◆1年を24等分するのですから、各期間は約15日です。
24sekki
この表をご覧ください。
去年の冬至から今年の冬至まで、間隔を計算してみました。
日数の計算というのはよく分からなくて、この表では、例えば、去年の冬至の翌日から「いち、に、さん・・・」と数えはじめて、「小寒」の日を含めて何日か、とカウントしています。
本当は、二十四節気というのは「時刻の点」ですが、その「点」を含む日、で表示されますから、ちょっとずれはありますがよく見てください。
夏至から立秋のあたりをはさんで「16日」という期間があり、それ以外は「15日」、全部足して365日になっています。

15度という同じ角度を回るのに、夏至付近で時間がかかるということは、公転の速さが遅いということですね。

1619年のケプラーの法則をちょっと思い起こしてみましょう。

第1法則(楕円軌道の法則):惑星は、太陽をひとつの焦点とする楕円軌道上を動く。
第2法則(面積速度一定の法則):惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は、一定である(面積速度一定)。
第3法則(調和の法則):惑星の公転周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例する。

地球は太陽の周りを公転しています。地球の軌道は、普通「ほぼ真円」と考えて差し支えないですが、厳密にいうとやはり楕円軌道です。
太陽―地球間の距離は、一番近い時で「1億4710万km」で、一番遠い時で「1億5210万km」です。500万kmほど差がありますね。

太陽を一つの焦点とする楕円軌道上を地球は回っているのです。(これが第一法則)

第二法則ですが、惑星は太陽に近いところでは同じ時間内に大きな角度を動き、遠いところでは同じ時間内に描く角度は小さいのです。
逆にいうと、同じ角度を動くのに要する時間は、太陽に近い時短く、太陽から遠い時は長くかかるのです。

●さて、二十四節気の間隔に戻ると
夏至の近くで15度進むのに時間がかかっている。ということは

夏至点は太陽から遠い位置なんですね。
冬至点は太陽に近い位置なんです。

直観を逆なでしませんか?
冬至を過ぎたばかりの、今頃の方が、夏至の頃より太陽に近いのです!

太陽に近いのに寒いの?!

そうなんですねぇ。
500万kmなんて大したものではないのです。
重要なのは「地軸の傾き」なんです。
夏は「日が高い」ですね。冬は「日が低い」(角度が違いますね)。
そのために、単位面積あたりに受ける太陽エネルギーの量が変わってしまうのです。
夏の方がいっぱいエネルギーを受け、冬は受けるエネルギーが少ないのですね。
これが季節を生んでいるのです。

◆とまぁ、二十四節気を考えながら、こんなところまで来てしまいました。
「暦エッセー」とでも考えて、お楽しみいただけたでしょうか。

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