浮島 ふるさと
2010.1.18付 朝日歌壇より
アパートの三階という浮島に居て仮の世の鐘を聴く除夜:(福島市)美原凍子
私のりんかくぼやけゆくがまま風に抱かれていようふるさと:(福島市)美原凍子
高野公彦 評:ふるさとは優しく魂を包んでくれるところ、私を無名の赤子にしてくれるところ。そうした幸福感を歌いつつ、どこか寂しい漂遊感のにじむ作品である。
二首選ばれておりました。
美原さんは夕張市から福島市へ「移られた」方。
二首合わせて、少しだけ背景を頭の片隅に置いてお読みいただけると、きっと読みが深まります。
生きるという歩みは、どこでどうなるか、偶然であり、それを受け入れる意志は必然をもたらします。
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