マツボックリ
2009.12.29撮影。
引っ越して行かれる方が預けて行かれた松の鉢植え。
特に手入れはしていませんが、じっくり成長しています。
小さな松ぼっくり。
成長するのに時間がかかるんですねぇ。
そもそも、その前の授粉の過程がすごい。
生物を教えたものとして、一応被子植物の授粉受精はそれなりに知っている。
裸子植物のイチョウの精子、くらいもまあそれなりに知っている。
そのくらいは一応常識として。
マツは知りませんでした。授業づくりのためにいろいろ植物関係の文献など読みあさっていたら、授粉から受精まで「1年」かかるのだそうです。授粉して1年後に花粉管を伸ばして精細胞を放出して受精に至る、とありました。
◆東芝のサイトの「ゑれきてる」から引用します。
http://www.toshiba.co.jp/elekitel/nature/2009/nt_91_krmt.htm
クロマツは4~5月に開花し、4月下旬~5月中旬にかけて受粉が行われる。花粉は胚珠(はいしゅ)の珠孔(しゅこう)から入り、受粉液で誘導され、珠心上部の花粉室に達し発芽する。花粉管細胞は花粉管の先端に移行して、この状態で1年間休眠する。花粉はひと冬越した翌春3月から伸長し始め、6月中旬に受精が行われる。
受精卵はその後、連続して分裂を続け、胚となる。胚が成長して秋に成熟種子となる。花粉管細胞が1年間休眠する理由についてはいろいろな説があるが、雌が受精できるまでに長い時間が必要であるとする説が有力である。
ついでにイチョウも
http://www.toshiba.co.jp/elekitel/nature/2004/nt_32_icho.htm
イチョウの花粉は、雄花から風で運ばれ、雌の木の雌花の先に分布される粘液に付着する。普通の植物では、付着した花粉は花粉管を伸ばして、精核が卵細胞に到達し、受精がおこる。
イチョウの場合、胚珠に取り込まれた花粉は胚珠の上部にある花粉室の中で4ヶ月間、そのままで維持される。その間に花粉を閉じ込めた胚珠は直径約2センチほどの種子に成長する。花粉室の花粉は、2個の精子をつくり、10月の初め精子が花粉室の液体の中を泳いで、造卵器に入り、受精が起こる。4月の受粉から、9月の受精を経て、種子が成熟し、翌年春の発芽まで14ヶ月かかる。
不思議なものでしょ。マツボックリやギンナンをみましたら、こういう時間をかけて出来上がったものだということも思い出してください。
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