綾蝶
2009.12.21付 朝日歌壇より
酔いしれて真夜の階段のぼるとき冥き底より綾蝶(ハブラ)舞い来たり:(奄美市)浜田ゆり子
高野公彦 評:酩酊感の象徴のような綾蝶
ネットで調べてみたら、沖縄で蝶のことを「はーべーる」というのだそうですね。
綾蝶と書いて「あやはべる」「あやはべら」というのだそうです。
また蝶は死者の魂の化身というようにも考えられていたようです。
具体的な種を特定することは必要ないのですね。
冥界から魂が綾蝶という姿を取って、ふわっと舞いあがってきたような感覚にとらわれたのでしょう。
「酔い」は「日常世界」と「非日常世界」の境い目をあいまいにし、冥界を垣間見させてくれたのかもしれません。
高野氏の評は、ちょっと踏み込みが不足、と感じます。
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