四十路
2009.11.30付 「恋する大人の短歌教室」
{応募作}
二の腕のたるみが嫌いもう四十路「そこがいいよ」と君は云うけど:埼玉 金子幸恵
二の腕を露出する機会は、男性より女性の方が断然多いでしょう。暑い寒いにかかわりなく、フォーマルでもインフォーマルでも、袖のない衣類を頻繁に着用するわけですから。そうなると二の腕のたるみは、女性にとっては大問題。40歳には「初老」という異称まであるくらいだから、年相応で仕様がない、などとは言っていられません。作者の嘆きも、なるほどもっともです。しかし、「そこがいいよ」と言ってくれるパートナーに恵まれている、ということは……。結局はとても幸せそうな作者に、「ごちそうさま!」と声を掛けたくなる一首です。
発想も言葉遣いも総じて口語的な作品ですから、「四十路」といういささか古風な用語が、唐突だと感じられなくもありません。ごく当たり前の言葉に替えて、衒(てら)わない雰囲気で通してみました。「四十歳」をどう発音するかは、多少面倒な問題ではあるのですが、ここでは「しじっさい」と読んでおきます。もしかしたらこの読みの方が古風ですか?(石井辰彦)
{添削後}
二の腕のたるみが嫌い四十歳「そこがいいよ」と君は云うけど
私ですね、「十」という字を「じっ」と読むのが個人的に大嫌いでして、鳥肌が立つたちなんです。きもちわるい。いつからそうなのかはよくわからないのですけれど。
「十分」を「じっぷん」なんて読まれるとゾッとする。「じゅっぷん」と、私は読みます。
「しじっさい」なんてもうダメ。気色ワリィ。
「よんじゅっさい」でいいでしょう。こういう風に添削するなら。リズムが狂うわけでもなし。
「四十路」が古風だなんて全然思わないんですけれどね。添削教室だから無理やりどこか変えなきゃなりませんか?
かかしの添削
二の腕のたるみが嫌いもうアラフォー「そこがいいよ」と君は云うけど
口語的作品だというのですからこの際、アラフォーではいかがですか?
と「アラ還」じいさんは思いますが。
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