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2009年12月21日 (月)

おまけ

◆小学校の理科支援員として実験をお手伝いした時の「おまけ」をご紹介します。

◆最初の実験は、「水溶液にはなにが溶けているか」というものでした。
うすいアンモニア水やうすい塩酸では匂いがする。蒸発乾固しても何も残らない、ということから気体が溶けていたことがわかる。
炭酸水は匂いはしないけれど、加熱すると泡が出て、蒸発乾固しても何も残らないことから、やはり気体が溶けていたことがわかります。
食塩水や石灰水は、蒸発乾固すると白い粉が残るので「固体」が溶けていた、ということがわかります。

オマケ:アンモニア水や塩酸には「におい」があります。においというのは微量ですが「気体」がそこから出てきて鼻を刺激するわけです。生徒の実験ではごく薄いもので実験をしましたが、かかしさんは元化学教師。濃塩酸や濃アンモニア水の扱いにも慣れています。
で、実験後、デモンストレーションをしました。

・濃塩酸の瓶のふたを開けます。何も見えません。蓋は閉めます。
 すこし離れた場所で濃アンモニア水の瓶のふたを開けます。何も見えません。
 蓋のあいた濃アンモニア水の瓶の口のそばで、濃塩酸の瓶の口を開きます。
 もうもうと白い煙が上がります。

 この実験は、高校化学では酸・塩基の定義の拡張のところでよくやるものです。
 小学校ではきちんとした説明はできませんが、とても面白い出来事ですので、やって見せました。うけましたよ。
自分たちの鼻でかぎとったけれど目には見えない気体が2種類、空気中でであって、白い煙になる。びっくりしていました。

・ペットボトルに水を満たし水槽に逆さまに立てます。二酸化炭素の実験用ボンベから二酸化炭素をペットボトル内に半分くらい捕集し、水中で栓をして取り出します。
 さて、見てなよ、といってから、ボトルを両手に持ち、思いっきり激しく振ります。
 すると、ボトルがベコっとつぶれます。お~!
 再度、水槽に逆さに入れ栓を開け、ボトルの形が戻るまで水を吸いこませ、栓をして取り出します。
 二酸化炭素の量が減ってしまって、それだけ水に溶けたのだと言うことが一目瞭然です。
 この「炭酸水」に石灰水を入れると、白濁します。石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白濁することは知っていますが、炭酸水でも同じです。

・白濁した石灰水を薄めて、ボンベから二酸化炭素を吹き込み続けると、白濁していた液が透明になってしまいます。
 これは公式には小学校では扱わないのですが、重要な事実です。
 二酸化炭素が増えて、地球温暖化が問題になっていますが、「海の酸性化」という話も最近聞きますね。
 海は弱いアルカリ性ですが、二酸化炭素が増えると、中性に近づいてしまうという話です。
 そうすると、貝やサンゴが炭酸カルシウムの殻を作りにくくなってしまうという問題が発生して来るのです。
 石灰水の白濁が透明になると言うのは極端な出来事ですが、その問題の提起にはなりますので、お話をしました。
 また、日本には鍾乳洞がたくさんありますが、これも、石灰岩が二酸化炭素を溶かした水=雨で溶かされてまた析出するという化学反応でできたものなのです。このお話もしました。

◆次の実験がリトマス紙で酸性・アルカリ性を調べる実験。
 ここでのおまけは、ムラサキキャベツで、この話はもうしましたので、ここではしません。

◆3つ目の実験は塩酸や水酸化ナトリウムと、スチールウール・アルミ・ホイルの反応です。
 (元教師として個人的にはスチールウールを使うのは好ましくないと思っています。「身近」ということなのでしょうが、純度の低い鉄ですので、塩酸と反応させるとひどい悪臭がします。不純物のせいです。鉄と塩酸の反応は臭い、と覚えられるのは困りもの。純度の高い鉄でやりたいものです。)

・ここでのおまけは、水素の爆発。
 爆発といっても試験管の中でです。試験管の中で実施する限り、どんな割合で水素と空気が混合していても事故になることはまずありません。ですが、理科に慣れない方だとちょっとこわいかもね。ある種の「勘」が必要ではあります。

 塩酸にスチールウールを入れて、タイミングを見計らってマッチの火を近づけると「ぴゅっ」。
 その後、空の試験管を水素発生中の試験管の上に逆さにくっつけて、水素を捕集。火をつけると「ぴゅっ」。
 空気が混じっていると、爆発です。

 水酸化ナトリウムにアルミホイルを入れて、発生してくる水素に火をつけると、試験管の口に炎が立ちます。
 純粋な水素が流出するところへ火をつけると「炎」という形で燃焼します。

 マグネシウム粉末があったので、塩酸と反応させると激しい勢いで水素が噴出し、マッチの火を近づけるとマッチの炎が水素で吹き飛ばされてしまいます。いくらもえやすい水素でも、激しすぎるとダメなんですね。

クイズ:もし、この部屋が純粋な水素で満たされているとして、その純粋な水素の中でマッチをすったらどうなる?
生徒の感じ方:大爆発!
答え:マッチは立ち消え。酸素がなければ水素は燃えません。

・水素を爆発させると「水素爆弾だ!」という反応が必ず出ます。水素爆弾は水素が酸素と反応しているわけではないので、ちがうんだよ、という説明をしました。

◆4つ目の実験は、塩酸にアルミニウムが溶けた液を、蒸発乾固し、出てきた白い粉末が水に溶けるか、塩酸に溶けるか、その時泡はでるか、という実験をして観察し、この白い粉はアルミニウムとは異なる物質なのだ、ということを認識してもらいます。

 さて、この実験ではさして「おまけ」に値する実験は考えられませんでした。
 で、使ったアルミホイルの箱を見たら厚さが「11μm」と表記してありました。100分の1mmくらいですね。
 じゃあ、金箔を見せてあげようと、思い立ちました。
 金箔は0.1μmくらいの厚さですから、アルミ箔のまた100分の1くらいの厚さになります。
 そこで、金箔をプラスチック板に挟んだものを持っていきました。
 金箔くらいの厚さになると、金属なのに光が透けて見えるということ。
 さらに、黄色を反射する金箔では青・緑っぽい色が透過してきて、屋外や蛍光灯が青く見えること、を見てもらいました。
 びっくりしていましたよ。知識として知っている人はいても、実際に見たことのある人は少ないですからね。
「かかしさんの窓」で一度、金箔越しに見た「青い蛍光灯」をお目にかけたことがあります。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-59d4.html
ここです。ごらんください。

 もうひとつ、豆知識:アルミホイルって、テカテカ光る面と艶消しの面がありますよね。あれはどうしてできるのでしょう?
 アルミ箔を圧延する際に最後の工程では、2枚のアルミ箔を重ねてローラーで圧延します。重なったアルミ箔がくっついてしまわないよう、油のようなものを入れておきます。
 2枚重ねのうち、外側でローラーに接した面がテカテカの面です。内側でアルミ同士が押しつけられた面はたがいに食い込んで、艶消しになります。

◆とまあ、こんな具合で、自分が楽しみ、生徒に楽しんでもらいました。
 来年も何時間かお手伝いに行きます。何か面白いことをやったらご報告しましょう。

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コメント

はじめまして 今年初めて理科支援員につきました者です。 実験の記事、大変ありがたく拝見しております。 同時に知識もないのに現場へ行こうとしている不安と、私に担当される子供と学校への申し訳なさで涙が出てしまいました。 持ち合わせたものでないので、所詮インチキにになってしまいますが、先生に教えて頂いている気持ちで、記事を読み、少しでも近づける実験ができたらと厚かましく思っております。引き続き実験記事を検索しながら勉強させて頂きます。 記録に残してくださりありがとうございました 

私はもう体力が限界で、社会的な行動は完全引退です。どうか子どもたちの成長を支えてあげてください。子どもは私たちの未来ですから。

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