ハエ目・ハチ目
朝日新聞の夕刊に週1回、中学入試問題が紹介されます。
そこで、こんな理科の問題を発見しました。(問題文はそのままは掲載しません。要約してご紹介します。)
「ミツバチとハナアブはどのように見分けたらいいか」という問題です。
選択肢は「足の本数」「羽の枚数」「目の大きさ」「腹部の長さ」の4つ。
正解は「羽の枚数」
こういう問題でした。
頭の中で作成した問題ですね。
ハチ目(膜翅目)(ハチ・アリの仲間)は、翅が2対4枚ある。
ハエ目(双翅目)(ハエ・アブ・カ・ガガンボの仲間)では、後ろの翅が退化して1対の平均棍になり、翅としては1対2枚しかない。
この差異を知っているかどうかを問おう。とこういうことです。
ところがところが。
フィールドで花に来ている虫を見て、翅が2枚か4枚か、なんて見えません。
採集して、標本にでもすれば勘定できますが、生きて飛び回っているときに翅の枚数が分かることはまずありません。
ニホンミツバチです。
翅は何枚ありますか?
セイヨウミツバチです。
翅は何枚ありますか?
セイヨウミツバチでは、後脚に作った花粉団子が目立ちますね。
クロヒラタアブがゼニアオイの葉を舐めているところです。
翅は何枚ありますか?
見比べてください。
パッと見て分かるのは「顔」の違いなんです。
複眼の付き方が全然違うんです。単眼が見える場合も付き方が違うんです。
触覚がまるっきり違うんです。
ですから、顔を見れば「君はハエ顔だね」「君はハチ顔だ」と一発で分かるんです。
これがホソヒラタアブですが、こういうアングルなら、翅は2枚、平均棍が2本と分かりますが、こういう風に見えることはまずありません。
前述の入試問題、机上で考え出したことがあきらかな問題でした。
入試問題として間違っているとかいうことではないのですが、これでは「生きた理科知識」を問うたことにはならないですね。
翅の枚数を覚えておかなければならないなんて、理科って暗記モノだな、そんなことどうでもいいじゃん、ということになりそうで、虫好きかかしとしては、相当に不満を覚えたのでした。
野の花にきている虫が、ハエかハチか、見て分かる方が大事ですよね。
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