リフォーム
2009.12.21付 朝日歌壇より
リフォームの工事なるらしこの家も子らを育てて子らに去らるる:(群馬県)小倉太郎
高野公彦 評:老後に備えて廊下や風呂場に手すりを付け、段差をなくし、減築(部屋数を減らす)したりする。子らに去られた夫婦の哀しい現実。
高野氏の評に異議あり。
夫婦二人で「老い」に向かっていくことはそれはそれなりに「おおごと」ではありますが、私はとても幸せなことだと感じています。
子が一緒に住んでくれなければ不幸ですか?
子が一人前になって、親のもとを去る。これを幸せといわずに、なんというのでしょう?
子の人生に親が影響を及ぼすなんて、不幸なことです。
歌の詠み手は、リフォーム中の「家」を見て、ああこの家も子育てを終えて親御さんたちと共に「年を重ねた」んだな、と感慨にふけっているようにおもいますが、いかが?
子は去った、残りの年月を夫婦と共に年を重ねてゆくべく新たな「家の人生」にはいるのでしょう。
そんな感想を持ちました。
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