地雷
2009.11.23付 朝日歌壇より
地雷埋めしは人間なのに象の子は義足はかされ優しき眼をす:(千葉市)佐々俊男
馬場あき子 評:映像などで捉えたものと思われるが、下句の「優しき眼」によって所きらわず地雷を埋めた人間の愚行がいっそう浮かび上がる。
地雷という武器の「下劣さ」がここにあります。
人が死ぬほどのけがはさせない。脚が吹き飛ばされ重傷を負っても死なない。だから、負傷者を後方へ運ぼうとする、負傷者を見捨てて進むことができない兵隊の心理をついているのです。死亡させれば、戦闘後に遺体の片づけをするのでしょうが、そうはいかないようにして、相手の戦闘力を削ぐことを狙っている。
こういう下劣な武器が今もなお大量に埋め込まれたままです。今もなおたくさんの障害者をつくり続けている。
こういう下劣な武器を造る「もの」こそ下劣なのです。
人間って・・・どこまで・・・
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
コメント