手袋
2009.11.23付 朝日俳壇より
手袋をはめて力をつけにけり:(横須賀市)佐藤博一
大串章 評:手袋をきっちりとはめ、強く拳を握ってみる。さあこれから!という感じ。
男というものは、どうも「もの」によって自我を拡大させがちなものです。
自動車に乗ると、自動車のパワーが自分のパワーのように感じて人が変わる、という方もいます。
オートバイ、ナイフ・・・いろいろと、ものによって自我を拡大させ、あたかも自分が強くなったように思いこみたがるものです。
革の手袋をはめて、拳を握り、手のひらを叩く、バシっと。なんだか自分が強大な闘争能力を持ったような気分になるんですよ。
そういう、ほんのわずかな気分の変化を詠んだのではないかなぁ。と思うのです。
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