無視かよ
2009.11.23付 朝日歌壇より
人の話聞かずにおのおの質問し後にまわせば「無視かよ」と言う:(神奈川県)桑山俊昭
佐々木幸綱 評:授業だろうか、講演、講座のたぐいかもしれない。今ふうの「無視かよ」という反応にかちんとくる作者。会場の空気がリアルに伝わる。
これは授業だと思いますね。私にも似たような経験はあります。
いつの頃からでしょうか、一対多の授業は非常に成立しにくくなってきました。
先生の話は聞くべきだ、というような規範が消えてしまったのです。
テレビを見るのと同じ感覚で、教師の話を聞いている。自分に向けて話されているわけではないと思っている。
いっつも「おれはテレビじゃない。生身の人間がここに立っていることの意味を考えろ」といっていましたっけねぇ。「授業はライブなんだ」とも。
机の間に入っていって、まるで顎でもひっつかむようにして、顔をこちらに向けさせて「君に話しているんだぞ」というようにしないと、話が流れないのです。辛かった。
それでいて、生徒は教師を自分専用のもののように考えていて、質問をしたときに、こちらが授業の流れの中でその質問を使って少し先で利用しよう、とか思ってちょっと待った、すぐ先で答えるといっても、「無視された」「ムカツク」と来るわけです。
講演、講座のたぐいなら、一応、話を聞くために行くわけですからそう「無視かよ」はあからさまには出ないでしょう。
やっぱりこれは授業じゃないですか。
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