黒アゲハ
2009.11.16付 朝日歌壇より
黒アゲハ朝日を浴びて蜜を吸ういのち美し 子の一周忌:(糸魚川市)二上ユミ子
評などはつけていませんが、高野公彦氏の選です。
二上氏の過去の歌を下に載せます。
2009/05/18
待ちわびた季節が来たよ木の芽添え竹の子づくしの膳を供える:(糸魚川市)二上ユミ子
高野公彦 評:亡き子が生前に好んでいた竹の子づくしの膳を供える、哀しみの歌。昨年十二月十四日掲載の「逝きし子がアゲハになりて帰りくる庭の柚子の木冬囲いする」が思い出される。
2009/02/02
「使われていません」コール知りながらケイタイの子の名押してみる夜:(糸魚川市)
2008/12/14
逝きし子がアゲハになりて帰りくる庭の柚子の木冬囲いする:(糸魚川市)二上ユミ子
高野公彦 評:子供に先立たれた母親の悲しみの歌。蝶の好きな子だったのだろう。「冬囲いする」に万感の思いがこもる。
私は語る言葉を持ちません。立ちすくむのみです。
味読ください。
揚羽は亡き人の霊魂だという信仰というか、感覚が古代にはあったのではなかったでしょうか。大型のチョウの振る舞いは、人の心を揺さぶるものがあります。
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