四十六億歳
2009.10.12付 朝日俳壇より
霧の粒当年四十六億歳:(横浜市)李 培張
おそらく四十六億歳というのは地球の年齢のことでしょう。ですから、この霧の粒が地球と同じ年齢なのか、という「気づき」の句なのだと思います。
無粋なことを申し上げます。元理科教師として。
霧の粒を作っている水分子に関しては、四十六億歳かどうかはわかりません。
水分子は水素原子と酸素原子とからなっていますが、水素原子に関してはおそらく宇宙誕生の時に出来たものだと思います。ですから、130億年程度の年齢でしょう。
酸素原子はおそらく、星の中の核融合反応で作られて、超新星爆発で宇宙にばらまかれて、太陽系の誕生の頃に集まったものでしょう。ですから酸素原子は四十六億歳を超える年齢だと思います。
宇宙での化学反応で水が生成しますから、地球誕生の前からあった水分子もあるでしょう。
また、地球が誕生してから新たに作られた水分子もたくさんあります。ということで、水分子に関しては、四十六億歳とは限らないのです。ただ、原子に関してはまず宇宙的な年齢であろうと思います。
いずれにせよ、はるか長い年齢を宇宙的に重ねたものではあります。
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