ネコ
2009.10.12付 朝日歌壇より
今回もネコが詠まれているかしら歌壇俳壇我家の話題:(広島市)根石妙美
我が家でも、ネコが詠まれている場合、必ず私が妻に読み聞かせ、二人で喜んでおります。
私のカテゴリー分類での「動物」が詠まれている場合、嬉しくなります。
今回の場合でいうと
あめんぼの水面踏みたる足跡がまあろく川の底に影する:(西予市)大和田澄男
永田和宏 評:極小の対象から景が大きく立ち上がる。浅く緩やかな光。
散歩する犬の放尿終るのを待ってる媼を朝日が包む:(行方市)鈴木節子
馬場あき子 評:犬と一緒の暮らしを楽しんでいるような媼の心の温もりが、結句から立ち上がる。
片腕をなくしたカマキリおもむろに稲穂の先にイナゴを狙う:(安中市)入沢正夫
アキアカネ更なる赤を極めんと夕焼け空に己が身を炒る:(下野市)若島安子
今生の声の途絶えし秋の蝉:(坂出市)溝淵和幸
こういう歌・句をマークしています。
とくにカマキリの歌など、ジンとします。生きられる限りを生きる、それが正しい生き方なんだよなぁ、と我が身に言い聞かせます。
生に執着するも苦、死に執着するも苦。
我が身に生きる力があるのなら、そのいっぱいを生き切ればよい、何の執着も不要、と。
頭でわかっていても、なかなかに、生きることは難しい。
昆虫の生きる姿に頭が下がります。
すべてのいのちあるものがしあわせでありますように。
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