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2009年10月21日 (水)

深海魚

2009.10.19付 朝日俳壇より
木枯や海を知らざる深海魚:(成田市)神郡一成
 大串章 評:たしかに深海魚は、海の広さも深さも知らない。海上を吹き過ぎる木枯らしにもわれ関せず。ユニークな句である。

 確かに、深海魚は、今、現在、頭上の海面で波が立っているかどうかは知りません。でも、実は海のことを知っているのです。また、海の出来事に「我関せず焉」とはしていられないのです。ヒトの愚挙の影響を被っているのです。

 2009.10.20付の朝日新聞の記事です。

[探求人]東海大学海洋科学博物館学芸員 伊藤芳英さん
 深海魚を解剖し、腹の中のごみの種類を調べる独自の環境教育プログラムに取り組んでいる。小学生を中心に、参加者は千人を超えた。
 「自分の目で見ることで、子どもたち自身が海の生物や環境について考え始める。手ごたえを感じています」
 勤務先の博物館のある静岡市清水区は駿河湾に面している。近くの浜辺には、海底地形の影響で深海魚がよく打ち上がる。教材に使うのは全長1m近い「ミズウオ」という種類。世界各地に分布し、深さ300m~1000mにすむ。海中を漂うプラスチックごみを丸のみするため、海のごみ汚染を学ぶには格好の材料だ。腹の中からスーパーのレジ袋が丸ごと出てくることもある
 「海をこれ以上汚さないように何をしたらいいのか。みなさん考えてください」。解剖に参加する子どもたちに、そう呼びかける。
 解剖作業はもともと、研究者が深海魚の食性を調査する手段だった。それを00年、博物館の館長だった久保田正さんと環境教室に取り入れた。
 学生時代は沿岸の魚やプランクトンの生態を研究。高校で理科の非常勤講師を務めたあと、国会議員の秘書などを経て、再び海洋研究と教育の現場に戻ってきた。
 教育と研究は車の両輪。今年から新たに、ミズウオの肉に蓄積される汚染物質の調査にも取り組んでいる。

 いかがでしょう。深海に生息する深海魚が人間活動による汚染を被っているのです。
地球に生きるものは地球の影響下にしか生きられないのです。
ヒトが超然としているわけにはいきません。確実にヒトの生息環境も悪化しています。

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