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2009年9月

2009年9月30日 (水)

2GBを超えました

 「かかしさんの窓」は無料のココログフリーで始めました。2GBまで無料です。
写真を中心にして書いてきましたので、消費が早くて、とうとう2GBを超えるところまで来てしまいました。
 どうしようかなあ、と思っていたんですよ。初めの心づもりでは、2Gに達したら「かかしさんの窓」を閉鎖して、また、どこかで無料のブログを一から始めようかな、と思っていました。
でも、毎日200件くらいのアクセスを頂いておりますので、あんまりスパッと終わってしまうのも申し訳ないかなぁ、と考え直し、ちょっと料金はかかるのですが、5GBまでの契約に更新しました。
 今日の時点で2,007.19MBになりました。累計アクセスは14万3千を超えました。

5GBまではまだ相当ゆとりがあると思います。今後ともどうぞ、お楽しみいただけますよう。
写真ネタはいつ尽きるかもしれませんが、いろいろ工夫をしますので、引き続きお読みいただければ幸いです。

案山子庵主「かかし」 敬して白(もう)す

アオスジアゲハ

0920aosuji1こちらは、玄関前のランタナに来た、アオスジアゲハです。

この青い輝きがなんともいえず美しいですね。
スマートな翅、敏捷な飛び方、目の前でわざわざ、見てほしい、というような飛び方をされると、ワクワクします。

0920aosuji2 口吻をランタナの小さな花の中へ差し入れて蜜を吸っているのが見えます。

吸蜜中も細かな羽ばたきをとめないので、翅の部分はぶれています。

0920aosuji3 右の翅が少し傷んでいるようですね。
私はコレクターではないので、翅が傷もうとなんだろうと、精一杯生き抜いて欲しい、ということが一番の大事。

美しいチョウを鑑賞し、精一杯に生き抜いていく姿を観照したいのです。

アゲハの幼虫

0920ageha1こんにちは。

アゲハの幼虫です。

本当の頭は葉っぱにくっついています。
一見、顔のように見えているのは、胸の部分です。
0920ageha2
私が「アゲハ」といっているのは、いわゆる「ナミアゲハ」です。
でも、「ナミ」と付けるのはちょっとつまんないので、いつもアゲハといっています。
私が10歳くらいの頃でしたか、オオムラサキが国蝶に選ばれたのですが、記憶ではその時、アゲハも候補だったはずです。そういうチョウですから「ナミ」とつけるのが悔しいのですね。子供心に、アゲハが国蝶になって欲しかったのです。だって、身近にいるんですもの。

モンシロチョウ

0919monsirotyou前の記事のデュランタもこの写真のブッドレアも、去年まではベランダに置いてあったのです。そうしたら、どうも思うように花をつけてくれない。
今年は、下におろしてみました。すると、結構ちゃんと花を咲かせてくれます。
家の前にお散歩に来る保育園児にも花があったら楽しいだろうと、門の前に置いてあります。どうも、ベランダは熱すぎるのかもしれません。昼ごろから夕方までの日射しを受けるベランダですので、土が熱くなっていしまうのかもしれませんね。

ブッドレアはチョウが来る花として知られています。もともと、我が家はチョウがいっぱい訪れてくれる家ですが、やはり、こうやって実際にチョウが来て蜜を吸ってくれると嬉しいですね。
モンシロチョウ、モンキチョウ、イチモンジセセリ、シジミチョウなどが頻繁にきているようです。

ミドリヒョウモン

0919midorihyoumon門の前に置いたデュランタの花にヒョウモンがいました。

ちょっと見、ツマグロヒョウモンのオスだと思って、しっかり写真をしつこく撮らなかったのです。
すぐに飛び去っていきました。
ツマグロヒョウモンなら、もうちょっと翅の縁取りがあるはずだよなぁ、オスでも。
と思って、調べたらミドリヒョウモンでした。
下はタテハチョウ科のページです。ここで、いろいろなヒョウモンチョウを見くらべられますので、興味のある方はどうぞ。
http://gauss0jp.hp.infoseek.co.jp/tateha0.htm

もう少し、ちゃんと写真を撮るべきだったと、反省しております。
既成の概念枠にとらわれていると、新しいものを見逃がしますね。

イトカメムシ

Itokamemusiちょっと悩んでいます。
左がイトカメムシであるのはたぶん間違いない。

問題は、右。
脚にまだら模様があるので、ヒメイトカメムシかなぁ、という気もするのですが、ひょっとすると、イトカメムシの幼虫かもしれません。
翅がまだ芽の状態で完成していないのですね。ですから、おそらく最後の脱皮である次の脱皮で、どう変化するのか分からないのです。
イトカメムシの幼虫、という方が正しいのかな、という気も強くしています。

イヌホウズキ

0919inuhouzuki1昨年から今年にかけて、寒い季節を超えて庭にイヌホウズキがありました。
ずいぶん寒くなってからもアブラムシがつき、それを食べるヒラタアブの幼虫がついてたものです。
今年は、庭からはイヌホウズキが消えていました。
で、頭の中からイヌホウズキの名前が消えていたのですが、線路際で「ナス科」の花。
ナス科の花だなあ、なんだろう?などとぼんやり考えていましたら、そうっかぁ、イヌホウズキじゃないか。
0919inuhouzuki2
のどかな頭ですね。
ちょっと見ないとすぐ忘れる。
鳥が種まきしたのかな?
庭の方で消えてしまった理由は分かりませんが。
また、ヒラタアブの幼虫などもやって来ることでしょう。
ちゃんとみなくっちゃね。

ヒガシオビヤスデ(訂正:ヤケヤスデ)

0918yasude1白山神社の石段です。
足元にヤスデが歩いていました。
ちょっと見た目では、一匹のヤスデ、と思いました。
一匹のヤスデなのに、体の線が前から少しのところで連続性が乱れている。
何か事故でもあって、体がちぎれそうなのかな?と心配して顔を近づけてみると・・・
ナント、二匹が重なっているのですね。
0918yasude2
下がメスです。メスが歩いているのは、肢が波状になっているのでわかります。オスの方は、全部の肢を使って、メスにしっかり抱きついています。
交尾の直前の姿でしょうね。
びっくり、感動しました。たまたま、この時間にここにいたら、そう頻繁に出会うわけでもないヤスデの交尾行動に出くわしてしまった。秋元順子さんの「愛のままで」みたいなぐあいです。
0918yasude3
石段のすき間へ入っていくところ。
やがて中の方へ去っていきました。
おそらくこの後実際の交尾になるのでしょう。

 

田辺力 著「多足類読本」東海大学出版会の137ページにヤスデの交尾について解説がありました。(文中の「前雄類」にオビヤスデ目も含まれます。)

前雄類については、一般的な交尾行動をご紹介しよう。雄は交尾に先立ち第2歩肢の基部(基節)にある生殖口から第7胴節(あるいはその周辺)にある生殖肢に精包を移しておく。次に雄は雌の後方から背面に登り、頭部へと移動する。頭部どうしが重なった段階で、雄は体を回転させ雌と抱き合わせになる。このとき、雄の生殖肢と雌の交尾器が同じ位置になり、交尾器の合体が行われ、精包が雌へと渡される。交尾中、雄が体後方で雌の体を巻くようにするものと、そうせずに直線的に雌と腹合わせにするものとがある。

私が見た段階では、雌雄の頭の位置が重なっていません。この後、オスは前進するのでしょう。
下のサイトに、ヤスデの交接の写真があります。
http://zakki.partials.net/index.php?e=1120
私がお目にかけたあとの行動が見られます。ヤスデを見ても平気、という方はどうぞご覧ください。

 

いやぁ、とにかく感動しました。みんなして、いろいろな姿を見せてくれるものですねぇ。

★2021年11月23日に、コメントを頂きました。

こちらはオビヤスデ目ヤケヤスデ科のヤケヤスデ Oxidus gracilis です。リンク先の種類もヤケヤスデです。ヒガシオビヤスデは生殖肢を見ずに同定することが困難です。


とても詳しい方のようです。コメントを受け入れまして、ヤケヤスデとします。
どうもありがとうございました。

2009年9月29日 (火)

このハチなんというハチですか?教えてください

0919akaihati1以前、赤いハチ、ということでチャイロハバチをご紹介したことがあります。
今回お目にかけるのも、赤いハチなんですが、小さい。花はフウセンカズラですから大きさも想像がつくと思います。

0919akaihati2 腰が細い。

翅に黒い模様があります。

0919akaihati3 かわいいです。あどけない顔してます。

0919akaihati4
もう一回、全体を。

調べがつきませんでした。教えてください。

この花なんという花ですか?教えてください。

0919humei1地味な花なんです。
0919humei2
地味な上に虫が来ない。
イノコズチなんかは、地味ですが、アリやチョウやアブが来ますが、この花に虫が来ているところを見かけないんですね。
0919humei3
五角形の花です。

どうも調べがつかなくってスミマセン。
ぜひ教えてください。

高速移動

9月27日付の朝日新聞、「著者に会いたい」の欄で、「はじめての麦わら帽子」(新潮社)を書いた本上まなみさんの話が紹介されていました。
 「娘と一緒にはじめてづくし」というタイトルです。
一部分を引用します。

・・・
「驚くぐらいに一瞬一瞬で成長していくモノが目の前にあるときにですね、それを観察していたい欲求は、抑えられないわけですよ」
 「ふぬぬぬーっ」と、寝返りに何度も挑戦・失敗のすえ、とうとう「くるり!」と成功した瞬間。ハイハイが出来たと思えば、「待て待て待てーい」と追いかけねばならない高速移動の日々。
・・・

一瞬にして私も30数年前にタイムトリップしてしまいました。
妻にも読ませて二人でにこにこ、にこにこ、嬉しくって楽しくって。

うちの子は、ハイハイをしなかったんですね。仰向けのまま脚と頭を使ってとんで移動していた。腹筋も背筋も十分強くなったある日、一瞬にして、パタッと高速寝返りを習得してしまいました。ある一瞬でしたね。

オムツを替えようとすると、きゃっきゃと喜びながら逃げるんですよねぇ。こら、待て、と追いかけると、また喜んで逃げていく。なんとも幸せの頂点ともいうべき瞬間でありましたことよ。

あの「高速移動」を楽しまれましたか。一挙に本上さんのファンになってしまいました。「よい眼」をしておられる。
私のこのブログを読んでいただいている方には、子育ての経験がおありの方が多いのではないでしょうか。
「高速移動」口の中でそっと言葉にして見てください。楽しい瞬間にジャンプしてしまいますね。

ヤマトシジミ

0918yamatosijimiこの時期、暑かった頃とは違って、吸蜜ではないチョウの姿をみかけます。

自在に飛ぶには少し気温が低いのでしょうか。
ベゴニアの花の上ですが、口吻のお手入れ。
0918yamatosijimi2
これはまるっきり花とは無縁な場所。
日向ぼっこでしょうね。体温を上げようとしているのでしょう。

季節は移りゆきます。
彼岸も過ぎて、もう10月がそこまできました。

ヒメハラナガツチバチ(かなぁ)

0918tutibati1ヒメハラナガツチバチではないか、と思うのですが、自信がない。

0918tutibati2 このフサフサ感はツチバチではないかなぁ。

キンケハラナガツチバチと比べると、眼が穏やかで、かわいい。キンケ・・・の方は、なんというか戦闘的です。

ちょっと体長が短いなぁ、とも思っています。
この写真で種が同定できましたら、教えてください。

オオスカシバ

0918oosukasiba2オオスカシバ(スズメガの仲間)もキバナコスモスに来ていました。

やっぱり口吻を伸ばして蜜を吸っています。
真剣な顔つきに見えてしまいます。

0918oosukasiba3 後ろ姿はこうです。
赤や黄色が混じって、けっこうきれいですよ。
大きくて、翅が透明で、ブンブン音を立てるので、ハチかと誤解されて損しています。
0918oosukasiba1 こんなショットが撮れました。(意図して狙ったのではなく、飛び去ろうとするのを撮ろうとしたら、画面の端っこに写っていたものです。)
口吻を完全にはしまいこんでいませんね。まだ、別の花に移って蜜を吸う気なのでしょう。
◆我が家のヒメクチナシの木の下に糞が転がっています。オオスカシバの幼虫がいる証拠。
いいのかい?探せばすぐ見つかるぜ、と妻に言ったら、この季節だし、少し甘くなりましょう、との仰せ、でありました。糞の分量からすると、2匹か3匹いると思います。まぁ、いいや。
折角だから、立派な成虫になってね。

ミツバチ

0918mitubati1この姿、見てください。
キバナコスモスに来ていたセイヨウミツバチです。

顔からもう花粉だらけ。
体の下の部分に少し濃いオレンジの塊があるのは、花粉団子。
この体で次の花へ飛び移るのですから、花にとっての授粉効率はいいですよね。そのへんがもてはやされる理由でもありましょう。アリやアブやハムシだって花粉を運んでくれてはいると思うんですけれど。

0918mitubati2
花粉団子は、後脚にきちっと固めて作るようです。
体にパラパラ、バラバラとくっついている花粉に比べて、ぎっしりとまとめて固めてあります。唾液でも混ぜるんでしょうか?よくわかりませんが。
ほんとうに「団子」です。
0918mitubati3
この日は風もなく、おだやかに花から花へと飛び移っていましたので、こういうホバリングもきれいに撮影出来ました。
ホバリング中なんですが、体の毛まで写りました。

0918mitubati4 いかがです?

眺めているとなんだか、ほのぼのとしてきませんか?
花粉まみれで、胃の中にはきっと蜜をいっぱい溜め込んで、花粉団子もぶらさげて。

やっぱり、きっと、満足とか充足といった状態にあるのではないでしょうか。それを「気持」「心」というかどうかは別として、決して緊張や闘争や逃走といった状態ではありませんね。
昆虫にも心がある、感情がある、気持がある、といってもいいんじゃないかなぁ。
言葉による表現はありませんけれどね。生きものとしてそんな感じを受けます。

2009年9月28日 (月)

ナガサキアゲハ(3)

0918nagasakiagehaナガサキアゲハの記事、3回目です。
前回は、お散歩騒動記でしたが、今回は、おとなしくなっています、という報告。9月18日です。
そろそろ脱皮が近いということでしょう。体が膨らんでいます。今の表皮ではこれ以上大きくなれなくなってきたのです。新しい大きな表皮を体内で作って、古いのは脱ぎ捨てる、そういう成長を繰り返します。

東京でナガサキアゲハが飼育できるなんて、昔は思いもよらないことでした。
これからも、何回も御報告します。

メスジロハエトリのオス

0918mesujirohaetoriハエトリグモというのは前から見たときに、二つの大きな眼が際だって、それが人間の認識パターンを強く刺激して「顔」という反応を引き起こすのですね。
どうしても擬人化したくなる「顔」つきです。
丸いものが二つ並ぶと、ヒトはそれを「目」「顔」と認識してしまいます。おそらく、顔に表情があって、コミュニケーションに顔が重要だということなのでしょう。昆虫を見ていて、ヒトという動物種である自己のことを考えさせられます。

◆顔が日焼けしないようにということでしょう、つばがものすごく広くサングラスふうに透けて見えるサンバイザーをして自転車に乗っている方を見かけます。ご本人は周りの状況は見えていて車や人との関係をとれるのでしょうが、車の運転者としてこのタイプのサンバイザーをした人には困惑します。視線がどちらを向いているのか察知できないからです。こちらの車のことを認識して走ってくるのか、脇見しながら走っているのか、交差点を曲がるつもりなのか直進するつもりなのか・・・。
直接こちらと目が合わなくても、相手の視線がどちらへ向かっているかが分かれば、対処しやすいのですが、どうも、分からなくって。怖い思いをします。
顔、目、視線って大事なものですね。

クサカゲロウの幼虫

0918kusakagerou1ゴミの塊として歩いているものですから、なかなか虫としての姿が撮りにくい。

今回は、胸から頭の部分が何とか撮れました。
0918kusakagerou2
結構、獰猛な顔つきですね。
親の薄緑色のはかなげな「クサカゲロウ」の姿とは結びつきにくいかもしれません。もっとも、あの親だってアブラムシを食べるんですが。
大きな顎でしょ。
フウセンカズラについているアブラムシを探しているのです。
0918kusakagerou3
去っていくところを撮ったら、腹側が見えました。
いっぱい食べて、大きくなってください。サヨナラ。

キンケハラナガツチバチ

0918kinkeharanagatutibati1この姿は、キンケハラナガツチバチだと思うのですが、いつもと違って葉っぱの上で見かけました。

いつもは、日当たりのよい、フウセンカズラの花のあたりで見かけます。
あるいはこれからのセイタカアワダチソウとか。
0918kinkeharanagatutibati2
東京は今年、気温の経過が少し変でして、9月に入って平年気温より低い日が続き、彼岸を過ぎてから少し暑くなりました。
「暑さ寒さも彼岸まで」というのが、ちょっとずれました。

そのせいでしょうか、虫たちが早い時期から体温上昇過程を経なければ動きづらくなっているようなのです。

このキンケハラナガツチバチもきっと、葉っぱの上で体を温めているのでしょう。
一旦動き始めれば、大きな体は冷めにくい、存分に花の間を飛び回れるのだと思います。

不十分な状態で飛ばざるをえなくなっては申し訳ない、そっと、離れました。

これはなんでしょう?

0918higanbana1いやあ、ピント合わせが大変でした。

ヒガンバナのメシベとオシベです。

何とかメシベの先端を取ってみたいと頑張ってみました。
0918higanbana2
これでも何だかはっきりしませんね。

何枚か撮ったうちの1枚がたまたまこんな風になりました
0918higanbana3
逆光になったのです。
そうしたら、メシベの先端に、細かい毛のようなものが見えました。

本来ですと、この毛に花粉がくっついて、花粉管が伸びて・・・受精してということになるはずなのですが、ヒガンバナの場合、染色体の数のせいで、ほとんど、受精・結実という過程には至りません。

生物の生き方としては少しさびしいですね。

しかしまぁ、本当に律儀に彼岸の頃に咲いてくれます。
花の後、葉が伸び、球根を太らせていくことになります。
葉が伸びて栄養を作っている姿を鑑賞しましょう。

アオスジアゲハ

0918aosuji1ここは、環八沿いの植え込み。

キバナコスモスにアオスジアゲハが吸蜜に来ていました。

アオスジアゲハは、吸蜜中も翅を細かく開閉します。
顔は比較的なんとか写っているのに翅がブレているのはそのせいです。
0918aosuji2
翅の動きの途中ですので、こんな彎曲した映像になりました。

0918aosuji3
この顔つきがなんともいえずかわいいでしょ。
丸顔で、きょとんとあどけない。
口吻を伸ばして蜜を吸っているのがまた、おいしそうですねぇ。

0918aosuji4
しっかり花の奥まで口吻を伸ばし差し入れています。
脚が大分花粉にまみれていますから、受粉の仕事もしてくれているようですね。
0918aosuji5
こんな一瞬がとれました。

虫の顔って好きだなぁ。実に、味わいがあります。
「いいお顔」の写真が撮れると、なんだか嬉しくなります。

アゲハ幼虫

0918agehaアゲハ3兄弟。
本当の兄弟ではないですけれどね。

全部育つかどうか。わかりません。
でも、毎朝、元気かな?とケースを覗いて、楽しんでいます。

普通、左2匹のように、葉の「面」にとまるものなんですが・・・。
右のは珍しい格好で休んでいます。葉を食る時にこういう位置にいることはありますが、この姿勢で休憩するというのはあまり見かけません。

リビングには猫がいますから、こういう昆虫の飼育には適さない。
で、幼虫たちの飼育は「玄関」なんですよ~。お客さんも少ないからいいけれど、変な家ですねぇ。

2009年9月25日 (金)

空蝉

0917utusemiもうすっかり蝉の声も聞かなくなりました。
ミンミンゼミの大声も今年はおしまい。

夏の思い出に撮らずに残してある脱け殻です。
土から出て、この場所まで、ずいぶん長い距離を歩いたはず。すごいな。

どうも人は「幼虫」を人間の子供時代に、「成虫」を人間の大人に引き寄せて考えがちです。
ですから、長い子供時代を経て、やっと大人になったのに、ほんのわずかで死んでしまう、と理解してやたらと儚さを覚えてしまう。

多分違うんですよね。生きる時間の大半を過ごす、いわゆる「幼虫時代」のほうが「人生(虫生)」の「主」であって、生の終わりに、次の世代を作るべく、有性世代へと体を作り変えて出てくるだけ。人間が「成虫」と呼んでいる姿のほうが、彼らにとって「仮の姿」なのではないでしょうか。

うつせみ【現人】(ウツシ(現)オミ(臣)の約ウツソミが更に転じたもの。「空蝉」は当て字)
 ①この世に現存する人間。生存している人間。万葉集1「―も妻を争ふらしき」
 ②この世。現世。また、世間の人。世人。万葉集4「―の世の人なれば」。万葉集14「―の八十ヤソ言の葉ヘは繁くとも」

うつ‐せみ【空蝉】(「現人ウツセミ」に「空蝉」の字を当てた結果、平安時代以降にできた語)
 ①蝉のぬけがら。  夏 。古今和歌集哀傷「―は殻を見つつも慰めつ」
 ②転じて、蝉。後撰和歌集夏「―の声聞くからに物ぞ思ふ」
 ③魂がぬけた虚脱状態の身。新内、藤葛恋柵「身は―の心地して」
 ④源氏物語の巻名。また、その女主人公の名。伊予介の妻。源氏に言い寄られるが、その身分や立場のゆえに悩む。夫の死後は尼となり、やがて二条院に引き取られる。

うつせみ‐の【現人の・空蝉の】 枕 
「身」「命」「世」「人」「妹」にかかる。万葉集1「―命を惜しみ」
[広辞苑第五版]

◆東京の山手線の大塚駅のそばに「空蝉橋」という橋があります。今は山手線をまたぐ陸橋なのですが、どういういわれがあるのでしょうか?
以前、用事があってたまに車で渡ったことがあるだけで、地元のいわれは知りません。

ルコウソウ

0917rukousouぴょんぴょん立っているのは、ルコウソウの蕾です。
これからいっぱい咲きます。

この場所は街路灯が立っているすぐ下なので、どうも、植物には季節が狂ってしまうようですね。
かなり寒い時期までルコウソウが咲き続けることになります。
植物には申し訳ないけれど、一方で、寒い時期まで生き延びていく虫たちにとっては貴重な蜜源にもなってくれます。

ルコウソウっていわゆる「害虫」のつかない植物ですね。昆虫にとっては食べにくい成分があるのでしょうか。

オオアレチノギク

0917ooaretinogiku1オオアレチノギクだと思っているのですが、間違いないですよね、この綿毛。

ヒメナガカメムシらしきカメムシがいました。あまりジューシーという場所ではないですが。
0917ooaretinogiku2
ナミテントウもいました。こちらはアブラムシなど探しているのでしょう。
線路際の「空間」に季節の移り行きとともに、いろいろな植物が入れ替わり立ち替わり、現れます。

その植物たちが提供する生態系空間に、入れ替わり立ち替わり、いろいろな昆虫が現れます。
雑草が茂っているだけ、にしか見えないと、なにもありません。鬱陶しい、草刈りくらいしたらどうなんだ、ということになるのですが、雑草を丹念に刈ってしまうと、生態系空間はとても貧弱なものになります。
よろしかったら、すこしだけお目こぼしを頂いて、「茂らせて」ください。多様な生きものが確実に現れてきます。
こんなことで「生物多様性」の、初めの一歩、を踏み出せるのです。

ナガサキアゲハの幼虫

0917nagasakiageha1ミカンの枝をわたっている幼虫です。

この幼虫、お騒がせなやつでしてね。

行動力が強いのですね。

玄関の靴箱の上に、オープンな形で小さな瓶を置き、幼虫のとまったミカンの枝を挿しておいたのです。
ふと見ると・・・いない!
枝からおりて、瓶からもおりて、お散歩。
ダメでしょ、とお説教をして。
新しい葉っぱを取ってきて、移らせて、大型の飼育ケースに瓶ごと入れて、蓋をせずにおいたら・・・また、いない!
どこ行った!?と先ずは自分の足元から探索。足元の辺まで散歩に出て来ていたらうっかり動くと踏みつぶしてしまう。
で、だんだん、ケースの方へ探索範囲を絞っていくと、いました、ケースの向こう側の外側の面を歩いている。
ダメでしょ、とまたお説教をして。
短めに切った枝に移らせて、ケースに蓋をしました。

2回もお散歩騒ぎをやらかすとは、すごいやつです。
0917nagasakiageha2
かわいいでしょ~。
ぴょんと耳みたいな突起が立っているのは他のアゲハ類の幼虫では見たことがありません。
側単眼もはっきり見えています。

◆このお散歩騒ぎで、3回くらい、この幼虫を興奮させてしまいました。葉を移らせるときに体に触ってしまったのです。
で、赤く細長い「角」のようなものを出して、匂いを発散させました。
通常、この匂いは、異臭とか特異臭とかいって、不快なにおいだということになっているのですが、世話をしながら私は、「ああ、いいにおいだ」と思っている自分に気づいてしまったのでした。柑橘系の芳香だと思ってしまう私はヘンなんでしょうねぇ。

キタヒメヒラタアブ

0917kitahimehirataabu1何度も登場しています。
ちいさなヒラタアブ。
翅が虹色に輝いて美しかったのでパチリ。
0917kitahimehirataabu2 ホバリングも見せてくれました。
フレンドリーなやつでしてね、どうも、写真を撮りたくなります。

かかしと虫の交流記という感じになってしまいますね。
あしからず。

ホトトギスと・・・

0917hototogisu9月17日。

ホトトギスの蕾が立ち上がってきました。

そんな時期なんだな、と思っておりまして・・・9月19日のこと・・・
0919ruritateha1
「ケムシ」発見!

庭から家の中の妻に大声で「お~~ぃ」
「なぁ~にぃ」
「ホトトギスに毛虫がいる!」
「まぁ、よかったわねぇ、うれしいわねぇ」

さて、この会話、お分かりでしょうか。

毛虫といってもこれは「トゲトゲ」の一種でしかも柔らかいとげなんですけどね。
これで通じるのが夫婦ですねぇ。

ホトトギスに毛虫が来た、となればそれはおそらくルリタテハの幼虫なんです。
以前一回だけ育てたことがあります。ずいぶん前ですよ。我が家には以前からホトトギスはあるのです。ですから毎年待っているのですが、なかなか来てくれないんだなぁ。

この幼虫がまた、お騒がせなやつでしてね、派手派手しい色やトゲにびっくりさせられます。で、羽化の時にまた、真っ赤な蛹便をして驚かせる。
びっくりだらけの飼育でした。

下は私のホームページです。ここにその時の様子が書いてあります。ぜひご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_13.htm
2004.9.22に妻が終齢幼虫を発見してきて、すぐ蛹になり、10.3に羽化した経過を記してあります。小さいけれど写真入りで。
0919ruritateha2
訳のわからない写真ですね。
右上が腹部先端。
左の端が頭なんです。
体は黄色に黒い模様があって、体中「とげとげ」だらけ。
刺さるようなものではないんですよ、ご安心を。
うまく成長してくれれば、体色が赤い地に黒い模様に変わると思います。
ホトトギスの葉はいっぱいありますので、存分に食べさせてやることにしましょう。

うまく育ってくれますように。
5年前ですね。ずいぶん待ったなぁ。寄生などされていませんように。

2009年9月24日 (木)

虫つかめる?

YOMIURI ONLINE の ホーム > 大手小町 > ライフスタイル > PopStyle&小町
と入ったところに「虫を触れる人、つかめる人は?」というのを見つけました。

触れない人が84%くらい、触れるという人が16%くらいでした。
〆切は10月2日だそうで、時々見に行っています。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/0827/259137.htm
ここにいろいろな書き込みがあります。面白いです。
虫が平気な女性がこんなにいらっしゃったかと、嬉しくなりました。
全ての虫が平気である必要なんかないのですよね。得手不得手があって当たり前。
ただ、得手があれば分かりますが、不得手なものに対しても、つきあい方というものがあります。敬して遠ざく、というやつですか。

新聞社のページですから、そのうちリンク切れになるかもしれませんが、しばらくは大丈夫、読めます。
関心がおありでしたら読みに行ってください。

ヒメナガカメムシ

0917himenagakamemusi交尾の話ついでにもう一枚。

ヒメナガカメムシです。
これからの季節、あちこちでこのヒメナガカメムシに出会うことになりますが、その多くは交尾シーンです。
小さなハエみたいなカメムシです。ちょっと注意して観察すると、いわゆる雑草のところで、たくさん見られると思います。目を凝らしてみてください。

◆別件:ある新聞社のサイトの、写真投稿欄で、見事なアゲハの交尾の写真が掲載されておりました。素晴らしい写真だと思うのですが・・・
題が「葉陰の出来事」、コメント中には「・・・二羽の蝶が美しく交わっていました・・・」
なんだかなぁ、隠微な雰囲気が漂ってしまいます。
昆虫は交尾でいいです。あっけらかんとオープンに「交尾していました」のほうが絶対いいですよ。生きものとして最も大事な仕事をしているのですから、何も「人間文化」を持ちこむことはないですね。

もいっちょ。パンダなんかが交尾すると「結婚」という言葉を使いますが、あれもやめた方がいいですよね。言葉の意味がヘンチキリンなことになってしまう。

あっけらかんといきましょう!

オンブバッタ

0916onbu1オンブバッタのメスに、オスが近づいていきます。
オンブバッタ状態になるところが見られそう、とカメラを構えていると・・・

0916onbu2 ありゃりゃ

逆向きに乗ってしまった。
オスは交尾器をメスの胸部の端に引っ掛けて引っ張っているみたいですね。メスの交尾器はこっちに向いています。
どうしようか、ちょっかいを出して、いったん2匹を離して再挑戦させなきゃダメかな、と思っていますと・・・
0916onbu3 やっぱり、これはマズイと思ったか、おもむろにそろりそろりと向きを変えました。
この時点ではまだ交尾は成立していません。

0916onbu4 これで、交尾成立です。
寄り添う二人、です。
思いなし、肩を組んで寄り添っているような。

ホッとしました、正直のところ。
昆虫の交尾に手を貸すなんてことはしたくなかったし、自然にうまくいってくれるのが一番ですから。

0916onbu5
これも交尾中の姿ですが、これが一番「オンブバッタ」らしくて、見ていて安定感がありますね。
来年また、君たちの子たちに会えるといいね、とあいさつしてお別れしました。

ナガサキアゲハの幼虫

0916nagasakiageha_2妻が見つけてきました。
どうも、ふつうのアゲハやクロアゲハの幼虫とは違うようです。

調べてみるとナガサキアゲハの幼虫に非常に似ています。
http://homepage3.nifty.com/ueyama/shubetsu/yochu.html
ここは、「蝶の幼虫図鑑」です。ここで調べました。

頭に「角」があり、腹部の先端にも「角」があります。かわいい角ですが、これ、アゲハにはありません。色といい、艶といい、多分ナガサキアゲハの幼虫で間違いないと思います。

ただ、屋外でここまで育っていますので、寄生されている可能性も相当にあります。
様子を見ながらこれから何回も御報告していくことになると思っています。

ナガサキアゲハは南方系の蝶です。
http://mushinavi.com/navi-insect/data-cho_ageha_nagasaki.htm
ここから引用します

南方系のアゲハチョウの仲間。
♂はクロアゲハ(Papilio protenor demetrius)に似るが、尾状突起がなく、表の翅に青みを帯びる。
♀は表の翅が白く、大変美しい。南に行くほど白い模様が大きくなる。
命名者のシーボルトが長崎で本種を発見したのが、和名の由来。
奄美大島や沖縄本島では普通に見られるが、八重山諸島では少ないという。
本種は南方系のアゲハチョウで、少し前まで本州には生息していなかったが、温暖化に伴い、北上している。
下の♂の写真は鎌倉の自宅の庭で撮影したものである。更に翌年には庭のユズの葉上に本種の幼虫を見ることができた。
2007年9月2日には白い紋が発達した♀も見ることができた。鎌倉ではこのような個体は見ることができないと思っていたのだが、温暖化が進んだせいだろうか?

http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/c-news/series/series6/series6-14.pdf
 「チョウの分布域北上現象と温暖化の関係」という論文です。

ニュースで、東京でもナガサキアゲハが発見されるようになった、と聞いていたので、妻と二人で我が家にも来るといいね、といっていたのが、本当になったのかもしれません。

出来れば、無事に育ってほしいと強く願っています。

脱皮

0916agehadappiこれ、アゲハの幼虫が脱皮した直後の姿です。
まだ茶色の幼虫から茶色の幼虫への脱皮ですが。

写真右の方が頭なんです。
ただ、丸い大きな眼でもあるのか、とみえるものは、前の時代の頭、の脱け殻です。左端には、体を脱ぎ捨てた脱皮殻があります。
成長の全てのステップに何らかの危険が潜みますので、安心しきって見ているわけにもいかないのですが、まぁ、助けてやることができるでもなし、無事を祈りながら新鮮なミカンの葉を用意してやることができるだけのことです。
飼育、といっても、食べ、成長する力を発揮するのは向こう。
私たちは見て、立ち会うだけです。育ててやる、なんておこがましいことができるわけではありません。

ブドウトリバ

0915budoutoriba玄関ドアにくっついて日を浴びていました。
散歩しようと、玄関を出て、一歩も歩かないうちに停止。
しばらく眺めて写真撮って、そのあと、やっと第一歩、です。

ところで、これ「蛾」です。

何度見てもすごい格好ですねぇ。
翅の面積が狭いですが、うまく飛べるのかな。
休んでいるところをつっつくのは申し訳ないので飛ぶ姿を見たことがないのです。
去年も秋に見かけました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-268a.html
玄関ドアと同じ向きの雨戸の戸袋でした。
ヤブガラシあたりで繁殖しているのかと思います。
ドクガじゃないですから、警戒しなくて大丈夫ですよ。姿形でびっくりしないでくださいね。

ヤブラン

0914yaburan1ヤブランの花が咲いていました。

「ラン」という名が入っていますが、ユリ科なんですね。
花の姿は全然「蘭」ではないですものね。

やぶ‐らん【藪蘭】ユリ科の多年草。林下に自生。シュンランに似た線形の葉を根際から叢生し、夏、花茎を出して淡紫色の小花を多数穂状に開く。液果は碧黒色。ジャノヒゲと同様、根を漢方で強壮薬とする。観賞用。[広辞苑第五版]

0914yaburan2
丸くてかわいい花です。
通りすがりに見ただけですが、あまり昆虫の姿を見ていません。虫媒花だろうと思うんですけれど。

2009年9月23日 (水)

ゴーヤの蜜

0914sijimityouヤマトシジミがゴーヤの蜜を吸っていました。
おいしそうですね。

ゴーヤだからといって
こっちのみ~つはに~がいぞ♪ということはないのでしょうね。

ネコノヒゲ

0914nekonohige元花屋さんだったお家の前。さすがに洒落たものを植えられます。

9月14日に通りかかった時の撮影。コンパクトデジカメでの撮影。

ハナトラノオを見た直後でしたので、その白いものかな、と思いましたが、違いました。
白いオシベでしょうね、とても印象的。
調べてみたら、ネコノヒゲというようです。
わが家はみんな猫好きなので、知らせたら早速見てきたようです。

一眼レフで撮ってこよう、と16日にカメラを持って行ってきました。
0916nekonohige1
午前中の澄んだ光に輝いていました。
きれいですね。

0916nekonohige2 一輪だけアップするとこうなります。

学名は「Orthosiphon aristatus」
シソ科だそうです。
和名はネコノヒゲですが、英名は「Cats whiskers」というのだそうですよ。そのままですね。

0916nekonohige3 くるっと巻いているのがメシベではないかと思うんですが。
よそのお家の花ですので、いじくりまわして、引っ張り出してみるとかはできません。あんまり長い間かがみこんでいるのも、あやしいし、適当なところで引き上げてきました。
0916nekonohige4
こう撮ると、いかにもネコノヒゲっぽいでしょ。

参考のために、わが家の猫ちゃんたちにも登場してもらいます。
0916chibiranta 左がチビたん、右がラン太です。
これぞ、本家本元の猫の髭ですぞ。
いかがですか。

ニラの花

0914nira1近所でニラの花が咲きます。

ハナニラほど大きな花ではありません。
小さな白い花が集合して咲きます。
0914nira2
下に花が終わって、花弁が落ち、緑の子房が見えるようになったのもあります。
こういうのを見ると、どうも実らせて種を播きたくなる”誘惑”に駆られます。
花そのものより、面白い気がして。

キタヒメヒラタアブ

0914kitahimehirataabu1たまたま、この時、お風呂椅子を持ち出して、別の撮影を試みていたものですから、こんなアングルでキタヒメヒラタアブが撮れました。

フウセンカズラの花で吸蜜しています。

腹面がとれたからどう、ということもないのですが、こうなっていました。
初めて見ました。

0914kitahimehirataabu2 上からも撮れました。

ボケましたが、上の写真と同一個体です。

イチモンジセセリ

0914itimonjiseseri1_2多分、左がメスで、右からオスが求愛行動をとっているのだと思います。
(犬・猫だと、相手の匂いを嗅いで、相手が身内かそうでないか、識別したりしますが、昆虫ではそういうことはないでしょう。)

0914itimonjiseseri2_2 しかしなぁ、少々、やり過ぎのような気もする。のだが、キミ。

2009年9月22日 (火)

ホオズキカメムシ

0914hoozukikamemusi1ネコジャラシの穂にホオズキカメムシがいました。

「ホオズキやヒルガオ科の植物上で見られる。サツマイモ、トマト、ナスなども食害する。」ということなのですが、ネコジャラシでもいいんですね。

ちょっと撮りにくかったので左手で穂の角度を変えたら
0914hoozukikamemusi2
そのままスタスタと手の上まで歩いてきてしまいました。

どうも皮膚に張りがなくなったなぁ、などと関係のないことを考えながらトリミングしていました。

ハエトリグモなんかは、ヒトの体温を感じるとさっさと逃げ出しますが、ほかの昆虫はそんなに敏感ではないですね。
手の甲を歩きまわられると、くすぐったいです。
撮影後はほぼ同じ場所へ戻してやりました。これがいたって雑草類が壊滅するわけでもなし、ま、共存しましょう。

ハナトラノオ

0914hanatoranoo1この穂だけ見て、あ、ハナトラノオだとお分かりになりますか。
詳しい人だときっとそうなんだろうな、すっごく特徴的ですものね。

0914hanatoranoo2 私はこうならないと分からないのです。
これをみて、ナントカ虎の尾、とかいったよなぁ、とまたあらためて検索しました。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/hanatoranoo.html
このサイトから引用します。

ハナトラノオ(花虎の尾)  シソ科
「~トラノオ」という名前は,オカトラノオ(丘虎尾)などがそうですが,花穂が長くその回りに花がつく植物を指します。それらの中でも花が大きいので特にハナトラノオという名前にしたのでしょう。別名として,カクトラノオ(角虎の尾)と呼ばれるのは茎の断面が四角形だからでしょう。

シソ科なんですね。
今年の春、一人で騒いだ、ヒメオドリコソウやホトケノザもシソ科でした。
0914hanatoranoo3
どうもこのシソ科の花って、よく見ると個人的には、少し不気味っぽいんですが。
大きく口をあけて噛みついてきそうな感じがして。
0914hanatoranoo4
オシベやメシベが上にくっついているんですね。
蜜を吸いに来た昆虫の背中に花粉をくっつけるというタイプですね。
昆虫の背中に花粉をつけると同時に、昆虫の背中について運ばれてきた花粉はメシベにすりつけられるわけです。

みんないろいろ工夫してるんですねぇ。

おいしい蜜

0914ari_inokozutiイノコズチの花の、子房の脇にアリが頭を突っ込んで蜜をなめています。

ヒトの目には地味な花ですが、おいしい蜜がたくさんあるよ、と昆虫の目には見えているのでしょう。

アリの丹念さからすると、一度に運ぶ花粉の量は少ないけれど、虫媒花にとってアリの果たす役割って結構大きなものなのではないでしょうか。
なにせ、どこにでもいますもの。

この花なんですか?

0914humei1先ほどのアベリアのそばに咲く白いかわいい花。
アベリアは「木」でしたが、こちらは「草」です。
葉脈は平行脈というのかな。

0914humei2 花はこんなです。
メシベがくるっと巻いているのではないでしょうか。

0914humei3
咲いている花の左に咲き終わった花が写っています。
メシベの名残が見えます。

0914humei4
もっと咲き終わってからの姿が分かりやすい写真。
子房が膨らんできました。

0914humei5 こんな姿もあります。

この実が熟すとこうなります。
0914humei6
きれいな青い実です。
さて、調べてみたのですが、どうもうまく該当するものが見つかりませんでした。
きっと有名な花なのではないか、と思うのですが、物知らず。
教えてください、お願いします。

アベリア

0914abelia1これアベリアだと思います。
ウィキペディアによりますと
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2

アベリア(Abelia)とは、スイカズラ科ツクバネウツギ属(Abelia)に属する植物の総称。または、ツクバネウツギ属の常緑低木の交配種、アベリア(Abelia X grandiflora)のこと。
本来、アベリア(Abelia)とはツクバネウツギ属のラテン名であるが、園芸的には、学名A. X grandifloraが指す植物をこの名で呼ぶのが普通である。 この植物は、中国原産のタイワンツクバネウツギ(A. chinensis) とA. unifloraの雑種と言われている。ハナツクバネウツギあるいはハナゾノツクバネウツギとも呼ぶ。

0914abelia2
小さな花ですが、近寄ってよく見ると、すごくかわいい花でした。
更に近づくと
0914abelia3 こんな風です。

純白というより、少しピンクを帯びている、というった方がいいのかな。

0914abelia4 これは蕾ですね。

この写真はわが家の近くではなくて、目黒区のとある公園の近くです。

2009年9月21日 (月)

ホシホウジャク

0913hosihoujakuホシホウジャクが静かにとまっていました。
地味ですね。
知っている眼でみると、体形がオオスカシバと似ていて、ああスズメガの仲間だなぁ、というのはすぐわかります。
幼虫はヘクソカズラなどを食草にするようです。
ちゃんと見たことはないのですが、お尻の先端に「トゲ」のようなものを立てていますよ、ゼッタイ。スズメガたちの共通サインなんだから。

このガが羽ばたくときれいです。突っついて飛んでもらおうかな、とも思ったのですがやめました。ちょっかいだしちゃいかんよな。
このブログで、以前、掲載したものがありますので、そちらをご覧ください。下です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-734a.html
ホトトギスの花の蜜を吸うためにホバリングしているところを撮影したものです。
現在、ホトトギスは小さなつぼみがついたところ。
チャンスがあれば、またホシホウジャクが来てくれるかもしれませんね。

アリグモ

0912yasaarigumoこれは多分、ヤサアリグモというのではないかな。

最近ヤツデの葉の上でよく見かけます。

0913ariarigumo 擬態の様子を比べてみていただこうと、並べてみました。
左はアミメアリとうのですか?3mm弱の小さな赤っぽいアリ。
右は多分ヤサアリグモの幼体。大きさ的にはほとんど同じです。
いかがでしょう?
似てますか?

不明です

0912haeorabuなんでしょう?

ハエなのかアブナのかも判然としない。

小さいのです。3mmくらいでしたか。
小さいのは敬遠気味なんですけどねぇ。同定が難しくて。
でも、かわいさに負けて、載せちゃいます。
名前もわからないけれど、存在そのものとして、かわいいですよね。

もしわかったら教えてください。

ツマグロヒョウモン

0911tumagurohyoumonキバナコスモスの花から吸蜜するツマグロヒョウモン。

おいしそう。

以前からキバナコスモスは知ってはいましたが、虫たちがこんなに集まるとは思いませんでした。
翅の色合いの微妙な変化が美しいですね。

チロリアンランプ

0911tirorianranpuチロリアンランプの蕾です。
ベランダに置いておくと夏の日射が強すぎるのか、あまり花をつけてくれませんでした。
鉢を下におろしたら、たくさん蕾をつけました。
この写真は9月11日。
0916tiro
9月16日。
まだ全部開き切ったわけではありません。

0919tiro
この状態が完全に開いた状態です。
9月19日。
花の先端から出ている、茶色いものが、メシベやオシベの集合したものです。

チロリアンランプという命名は絶妙ですね。

http://www.hana300.com/abuchi.html
このサイトによりますと

・葵(あおい)科。                                 
・学名  Abutilon megapotamicum(赤いランプ型の花) 
          Abutilon x hybridum   (幅広の傘タイプの花)

正式にはアブチロンといった方がいいのかもしれませんが、通称のチロリアンランプの方が親しみやすいし、花の姿がストレートにわかっていいですね。

サンゴジュハムシ

0911sangojuhamusi1サンゴジュハムシというのだと思います。

車にくっついていました。新車だろうと何だろうと、わが家のガレージでは無関係。いろんな虫さんがくっつきます。

「幼虫、成虫ともに、サンゴジュ、カンボク、ガマズミなどの葉を食べる」のだそうです。
http://www.insects.jp/kon-hamusisangojyu.htm
ここからの情報です。
0911sangojuhamusi2
しかしどうも、そういう植物が近所にあるのかどうか、認識していないんですけどねぇ。
翅があるから、まあ、どこかから飛んできたのでしょうが。

車で外出する時もカメラは必須です。どんなのに出会うか予測不能ですから。

2009年9月18日 (金)

オオスカシバ

0911oosukasibaヒメクチナシの木の前。

オオスカシバのメスがホバリング。

このガ、嫌いじゃないんです。透明な翅、きれいな色どり。いいんですけどね。
我が家のヒメクチナシの木はオオスカシバの幼虫に好き放題に食べてもらうには小さすぎて。丸坊主になってしまいます。仕方ないので、幼虫に気づくと追放。それでも、何匹かは蛹から成虫までいくんですけどね。

このガがホバリングしながら口を伸ばして吸蜜する姿を見て、日本にもハチドリがいるのか、と思った外国の方もいるとか。
翅が透明で、ブンブン大きな音を立てるので、ハチと間違う方もいらっしゃる。

羽化したての時は翅は白い粉で覆われています。乾燥して、羽ばたくと粉は落ちて透明になります。近くでじっと眺めるときれいなものなんですよ。
私のHPで見られます。(写真は小さいですけれど)↓ここです
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_12.htm

くちビル

0911kutibiru世に言う「VOWネタ」というやつですね。
自由が丘の駅近く。
「くちビル御案内」の看板。

御案内されてもなぁ。
困ったもんだよ。

カラスウリ

0911karasuuri1カラスウリの花の後。
白山神社です。

週1回くらいこの神社を訪ねるのですが、時刻はいつも午後3時過ぎ。
カラスウリの花は夕方から咲くので、花そのものはここでは見たことがありません。
花の付け根のところが膨らんでいます。子房ですね。ここが成熟してやがて赤い実になります。
0911karasuuri2
花が開いていた時の姿の名残が見えますね。
下のサイトで花の姿を見てください。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/karasuuri.html
どのように萎んだのかがわかります。

ジョロウグモ

0911jorougumoジョロウグモの食事。

小型のハチかなにかを捕まえたようですね。
頭部をこんな風に観察できたのは初めてです。いつも垂直で、背か腹しか見えないから。
しかしまあ、なんというか、迫力ありますねぇ。
がっしりと開いた脚、強力な顎、風格があるともいえそうです。
邪魔しないようにそっと引きさがりました。

ヒガンバナ(2)

0914higanbanaこれは目黒区のとある公園近くで見かけたヒガンバナ。

我が家のそばの花にくらべると、こころなしか「こってり」した咲き方のように見えます。
オシベの作る「円」がきれいに整っていますね。

うちでは手をかけないものなぁ。生きられるように生きてもらえばいい、という基本方針は虫に対してだけでなく、植物に対しても同じように考えますので、無手入れ、が基本で、いかんかなぁ。

ヒガンバナ(1)

9月20日は彼岸の入り。ヒガンバナは律儀なものです、ちゃんと彼岸に合わせて咲いてくれる。
0912higanbana これは、9月12日。

まだ蕾です。

後ろのコンクリートは多摩川線の線路の柵のコンクリートです。ちょっと無粋ですがご勘弁を。

0914higanbana2 9月14日。
普通に見かけるヒガンバナは丸く咲いていますが、あれは、5~6個の個々の花が全部開いた状態です。
この写真では、まだ全部が咲いていないので、偏りのある姿になっています。
0916higanbana
9月16日には全部開いていました。

0917higanbana この写真だとはっきりわかりますね。

この花は6つ咲くと丸くなりますね。

葉がなくって、花だけが先行して咲くのがユニーク。

季節性のくっきりした花です。みごと。

ハリカメムシ幼虫

0911harikamemusi1ハリカメムシの幼虫がミズヒキの花で吸汁していました。
いままでずっと、イノコズチにいるところしか見ていませんでしたが、今回初めて別の場所で見ました。
針を刺しているのがはっきりと見えます。
ミズヒキの花をご存じの方は、大きさがすぐわかりますね。小さい花、小さい虫、です。
0911harikamemusi2
翅の芽の具合からして、この幼虫はおそらく一齢です。

0911harikamemusi3
こちらはイノコズチの上のもっと成長した幼虫。
トゲトゲがだんだん少なくなって、胸のあたりが成虫に似てきています。
翅の芽も伸びて多分次の脱皮で成虫でしょう。
カメムシの幼虫も面白いですねぇ。ずいぶん楽しませてもらっています。

2009年9月17日 (木)

ゴミグモ

0911gomigumoこれゴミグモだと思います。(あるいはゴミグモの仲間かもしれませんが多分あってます。)
「日本のクモ」という本によりますと

平地~山地まで広く生息。都市部の庭園・公園、人家の生垣、樹林地の周辺、草原、林道などの樹木の枝葉間、草間に垂直の円網を張る。網の中央には縦に食べかす、脱皮がら、枯葉片などの塵芥を並べて、クモはその中にとまる。腹部には突起があり、色彩もゴミと同色なので、極めて見つけにくく完璧な擬態といえる。

とあります。
写真でも、縦にゴミの帯がありますので、まず間違いないでしょう。
ゴミのコレクションが不十分なせいか、クモ本体が見えますね。
キミ、修行が足りないヨ。
もっとうまく化けなくっちゃあ。

クヌギのドングリ

0911donguri9月8日付けの「クヌギのドングリ」という記事で、厳島神社でドングリが木になっているところの写真を載せました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-d5fb.html

妻は拾ってくる気ですよ、と書いたら、案の定、拾ってきました。9月10日。
完熟までいっていないかもしれません。
カルガモのヒナはずいぶん大きくなっていた、前と同じく7羽いる、ということです。
0916kunugidonguri
16日にも厳島神社を覗いてから帰宅。
また拾ってきました。
播くつもりです、モチロン。
何を播いたのか、ちゃんとタグを立てておいてね、とお願い。

紅白が混じって咲く椿の種もあるし、コブシの種もあるし。
これからどういう展開になっていくのか、楽しみですねぇ。

チビドロバチ

0911chibidorobati1しおれたオシロイバナの花に来ていました。

少しは蜜があるのでしょうか。
小さいけれどスズメバチの仲間ですから、子育てには肉団子など作るのでしょうが、自分用には蜜を吸ったりします。
(スズメバチの仲間といっても、攻撃性はないですから安心して観察してかまいません。興奮させたらどうなるかは知りませんので、はたき落とそうなどとはしない方がいいとは思いますけど。)
0911chibidorobati2
腹の2本の縞、背中側の模様で、確認できます。
もう少し頭のあたりの接写をしたかったのですが、無理でした。
次のチャンスがあったら試みます。

ベニシジミ

0911benisijimi1毎日のように見かけるベニシジミ。
ひょっとして同じ個体かもしれません。

0911benisijimi2 翅の縁が大分傷んできています。
ずいぶん毛深いものでしょ、チョウの体って。
気温は少しずつ下がりますが、お日さまの力を借りながら、生き切ってください。

体温を上げる、という意味でのまさしくウォーミングアップが必要な季節になってきました。

ベニモントビカスミカメ

0911benimontobikasumikame_これがまた、一期一会の出会いでした。
フウセンカズラの茎なんですよ。3mmくらいの小さな昆虫。

あんまり小さな昆虫は敬遠している私なんですが。
深入りすると、底なしになるからなぁ。
一枚撮った、撮った以上調べてみなきゃ・・・ベニモントビカスミカメに似ているけれど、まるっきり保証はありません。

http://mushinavi.com/navi-insect/data-kame_kasumi_tobi_benimon.htm
ここで見つけました。
カメムシ目 > カスミカメムシ科 > チビカスミカメ亜科 > ベニモントビカスミカメ
でもねぇ、クヌギ、コナラ、ミズナラなどの汁を吸うのだそうですが、そういう木がないし、なんせフウセンカズラで見つけたんだし。

きっと違いますねコレ。

この一枚で分かりましたら、教えてください。

トンボの交尾

0910siokaratonbo1激しい勢いで影がよぎったことを、ふと眼の端に意識して、見上げると、トンボが交尾しながら飛んでいたのです。
シオカラトンボだろうと思います。

腹部を伸ばしているのがオス、腹部を曲げているのがメスです。どうなっているのかは、下のウィキペディアからの引用をお読みください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9C

トンボの交尾はクモと並んで特殊なものである。生殖孔は雌雄ともに腹部後端にあるが、オスの腹部後端はメスを確保するのに用いられ、交尾時にはふさがっている。そこで、オスの腹部前端近くに貯精のうがあり、オスはあらかじめ自分の腹部後端をここに接して精子を蓄える。首をオスの腹部後端に固定されたメスは、自分の腹部後端をオスの腹部前端に接して精子を受け取るのである。このとき、全体として一つの輪を作る。

メスが貯精のうから精子を受け取っている姿なのです。
0910siokaratonbo2
望遠レンズに付け替える暇などなく、マクロレンズのままの撮影ですのでちょっと物足りないのですが、仕方ない、撮れただけで満足です。

さて、この後、メスが我が家の「池」に産卵してくれたかどうか、分かりませんが、期待しています。
小さな池は、いろんな生命に満ち溢れています。楽しいですね。

ザリガニ

2009年9月14日の記事で、オンブバッタの話を書き、その中で姿勢の保持について少し触れました。(下の記事です)
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-add8-1.html

◆思いだして、ザリガニに関する名著を書棚から引っ張り出してきました。こういう本です。

山口恒夫 著「ザリガニはなぜハサミをふるうのか」中公新書、1545、2000年7月発行

この本の「第八章 ザリガニはなにを感じるか」に「体のバランス感覚」という項目があります。ここから引用します。

 ・・・
 背中に取り付けた支持棒でもって体を空中に吊るし、体を前後軸まわりに傾けると、左右の大触覚、ハサミ、歩脚、尾扇肢などには傾きを補正するような運動が現れる。眼柄には、体が下に傾いた側を上げ、体が上に傾いた側を下げるような運動が現れる。付属肢の運動は、両端に重りをつけた弥次郎兵衛の横棒の動きにも似た運動で、もとの姿勢に戻そうとする反射(起き直り反射)である。これに対して、眼柄に現れる運動は、それまでの位置を保とうとする反射(補償反射)である。
 さて、このような二つの反射は、体のバランスを監視しているセンサーである平衡胞が、姿勢の変化を感じとってその情報を中枢に送り、送られた情報に基づいて中枢が末梢の筋肉に命令を出すことによって現れる運動にほかならない。平衡胞は左右の小触覚の基部に一つずつ存在する。
 ・・・

続いて、「砂をかぶる」という項目から引用します

 平衡胞の感覚毛上にのっている平衡石について少し述べておこう。母親の遊泳肢にしがみついている稚ザリガニが第三稚エビという段階まで成長し、体つきがすっかり親ザリガニと瓜二つになってくると、平衡胞に"石"を取り込んで、背中を上にして安定に歩くことができるようになる。この段階まで達しない稚ザリガニでは、しがみついていた母親の遊泳肢から離れて独り歩きすると、情けないくらい簡単に横転してしまう
 ところで、平衡石を取り込むというのは、文字どおりに平衡胞の中に石を取り入れることである。ザリガニは脱皮のたびごとに、体を覆うクチクラ外皮と一緒に平衡胞もまるごと脱ぎ捨ててしまう。したがって、脱皮終了後には、否でも応でも平衡石となる砂粒を、新たに外部から補給する必要がある。脱皮から間もない個体に現れる砂かぶり行動と、開口部への眼柄のこすりつけ運動は、外部から開口部を通じて平衡胞内へ砂粒を取り込む動作にほかならない。
 こんなわけなので、成長のために何度も脱皮を繰り返す必要のある稚ザリガニを、鉄粉をいっぱい底に入れた容器で飼育すると、鉄粉を平衡石にしたザリガニを容易に手に入れることができる。磁石を片手に、鉄粉入りのザリガニの姿勢を意のままに操ることができるのは請け合いである。反対にこんなこともできる。先の細いピペットを平衡胞の中に突っ込んで、ピペットの中の水を勢いよく出し入れする。すると、思いのほか簡単に平衡石が外にはじき出されるので、平衡胞があっても体の傾きを感じとれないザリガニが出来上がる。
 ・・・

「しがみついていた母親の遊泳肢から離れて独り歩きすると、情けないくらい簡単に横転してしまう。」
この表現には参りました。最初に読んだときにはもう、嬉しくって嬉しくって、妻にもここを読ませて、二人で笑いあいましたっけ。
 著者のザリガニへの「愛」が満ち溢れて、こぼれだしてきていますね。「情けない」という言葉の温かさ。まだ座れない赤ちゃんを座布団かなにかに寄りかからせて記念写真を撮ろうとしたら、傾いていって転んじゃったぁ、とか、最初の一歩を踏み出そうとする赤ちゃんがペタンとお尻をついてしまった、とかを見守る父母・ジジババの「まなざし」と同質のものが読み取れますね。もうこの一節だけでも「名著」に値するというものです。
 鉄粉を取り込ませたザリガニ、というのもおかしいですね。磁石を近づけると平衡胞の中の鉄粉が引きつけられて、その方向を「重力的な下」と感じて体をコントロールしようとするのでしょうね。妙なことを思いつきましたねぇ。おかしい。

◆さて、9月9日付の朝日新聞の投書欄「ひととき」にこんな投書がありました。

   [ひととき]はさみのない母ザリガニ(2009年9月9日)
 わが家のペットのザリガニの中に、1匹だけ両方ともはさみのない、迫力の全くないザリガニがいる。生まれた時からなのか、けんかでもしたのか……。しかも、他のザリガニよりもはるかに小さい。
 8月上旬、このザリガニが、紫色のような黒色のような卵をたくさん産んだ。他のザリガニに攻撃されないように、ザリガニと卵を違う水槽に移し替えた。そのとき、ザリガニは卵を守ろうとしているのか、私を威嚇してきた。
 餌をあげてみた。食べづらそうだが、はさみ以外の自分の持っているすべての道具を使って、なんとか食べてくれた。見慣れない優しい動きに、私はじっと見入ってしまった。
 今にも折れそうな細い脚で立ち、しっぽをのばし、バサバサと順番に卵たちに空気を送っている。疲れないのだろうか。そう考えた後、このザリガニは、すでに母親として必死なのだと気付いた。
 1週間後、卵に変化があった。卵から小さな赤ちゃんになっていた。小さな小さなザリガニがゆっくり自分で起きあがり、母ザリガニへ向かって歩いていた。
 もしかしたら、自然の中では生きられなかったかもしれない奇跡のザリガニ。私にとっても運命の出会いだった。ザリガニの勲章であるはさみはないが、母親としては金メダルだ。(青森市 36歳)

 ハサミを失ったのは、他の個体との争いのせいかもしれませんし、強い衝撃を受けた場合は自ら切り落とす「自切」もありえます。若い個体では、脱皮を重ねるうちに再生できるのですが、成長してから失った場合はもう再生できないのですね。
投書者が観察した出来事について、上記の「ザリガニはなぜハサミをふるうのか」、第六章 生活史、「揺られて育つ」の項目から、引用して、詳しくご紹介しましょう。

 生み出された卵は、母親の遊泳肢の周期的な運動によって十分に酸素を補給されながら、水温が二十度くらいでは二、三週間で孵化する。孵化した幼生(第一稚エビ)は体長が約四ミリ程度で、尾節の縁は卵膜の内側と紐状のもの(尾節糸)で結びつけられているので、卵膜の内外側ある二本の紐でお尻から吊り下げられた格好で、母体の腹面でブランコをしながら、母親の保護のもとにさらに成長を続けることになる。・・・
 第一稚エビは一週間後に脱皮して、第二稚エビとして成長する。この稚エビは、肛門から糸(肛門糸)を出し、それを第一稚エビの脱皮殻に付着させるので、結局のところ、尾節糸と肛門糸というつながった二本の命綱によって、第二稚エビも母体の遊泳肢に固定されることになる。第一、第二稚エビでは卵黄が代謝源になるので、食物を摂食することなく成長する。
 第二稚エビは一週間後に脱皮して、体長がほぼ八ミリの第三稚エビになる。このような稚エビでは触覚や尾扇肢も発達して、成体と類似した外形になり、独力で母体にしがみつくようになる。行動も活発になり、母体を這いまわったり、母体から離れてふきんを歩きまわったりするものも多くなる。しかし、独り歩きしている稚エビは驚くと、すばやく母体の腹に戻る習性がある。
 この習性で、稚エビが母体に戻る感覚の手がかりは、母体から放出されるフェロモンであることがリトル(E.E.Little、1976)によって報告されている。彼はこのフェロモンを brood pheromone と呼んでいるが、これは"抱児フェロモン"とでも訳すべきなのであろうか。
 このフェロモンは、抱卵したときからつくり始められる。卵の発生段階が初期のうちは、作りだされるフェロモンが稚エビを誘引する効果は弱いが、次第にその効果は増大し、卵が孵化する頃には最大になる。第三稚エビが成長してくると、母体から放出されるフェロモンに次第に誘引されなくなるとともに、母体から離れる時間が長くなり、ついには母体から離れ去ることになる。稚エビが腹にぶら下がっているときは、母ザリガニはフェロモンを出し続け、遊泳肢から稚エビを落とさないおゆに急激な運動を避け、他の個体からも離れて、ひたすら稚エビを守ることに専心する。まして、稚エビを食べるようなことは絶対しない。しかし、稚エビが親離れをして、腹の下が空っぽになってしまうと、もはやフェロモンは分泌しなくなる。・・・
 ・・・

◆この「ザリガニはなぜハサミをふるうのか」という本は、この他にも、面白い話題が満載でしてね。項目名をいくつか挙げてみましょうか。
「胃の中に歯がある」「触覚から尿が出る」「お尻で水を飲む」「お尻で光を感ずる」などなど・・・

 今回この本を引っ張り出してきたら、また全部読みなおしてしまいました。何回読んでも、常に新鮮な喜びを与えてくれる本です。

◆最後に、もうひとつだけ。
この本の149ページに、四角い個眼で構成されたザリガニの複眼の写真があるのです!
私は、小学生のころにイセエビの複眼をレプリカを取って検鏡する方法で観察して、個眼が四角いということを知り、以来、何十年もそのことにこだわっていたのですが、この本にはさりげなくその事実が載っていた。もう、嬉しくって、嬉しくって。感動の嵐だったのです。

ホームページやブログを始めて、インターネット世界に「エビの複眼は四角い個眼で構成されている!」ことを叫び続けている私です。関心がおありでしたら、ぜひ、お読みください。

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/mcrScp.htm
イセエビについて

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_14.htm
アマエビについて

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_15.htm
ブラックタイガー、サクラエビについて

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-5956.html
2008年10月27日 (月)エビの複眼は四角い個眼でできている

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-7473.html
2009年8月 3日 (月)アメリカザリガニ
「たいていの複眼では個眼面が六角形だが、反射型重複像眼では正方形である。エビ類、ヤドカリ類がこれにあたる。」

2009年9月16日 (水)

オンブバッタ、オニグモ

0910onbubattaエニシダの茎にオンブバッタがいました。

引っかかっている、といった風情ですね。
この大きさからするとメス。
オスが発見してくれないのでしょうか。
何か誘引フェロモンでも出しているのでしょうね、きっと。
バッタの視力で探すには世界は広すぎる気がします。

0910onigumo
こちらはベランダの裏側で生活しているオニグモ。
ものすごく大きくなりましたよ。
これもメスですね。

メスの張った網に対して、オスはどのように行動してメスに接近するのでしょう?
何かコミュニケーション手段があるのでしょうか?

秋の気配が進行しつつあります。どのようになっていくのか、気になります。

なんだ?

0910nekojarasi1アサガオの葉の上です。
滑らかであるはずのところに、粒々が。

こういうのが、私の探査パターンなんですね。いつもと違う。
小さな虫か、虫の糞か、なんだろう?
とよく見たら
0910nekojarasi2_2
熟したエノコログサの実ですね。

こんな風にパラパラと播かれた状態を見たことがなかったのですね。
毎日、「初めて」の連続で、楽しいことです。

ナミムシクソハムシ

0910namimusikusohamusi1ナミムシクソハムシです。

ムシの糞に擬態している、というのですが・・・

知らなければ、ついに、知らないままになる、という虫ですね。
目立たないですよ~。
ホント、虫の糞かゴミに見えます。
0910namimusikusohamusi2
アゲハの若齢幼虫が鳥の糞に擬態するというのは有名ですが、ちゃんと名前があってのこと。

糞みたい、というのがそのまま名前になってしまったというのはかなりかわいそうな気もします。
0910namimusikusohamusi3
陰になったら、かえって表面の凸凹がよく見えたので、色は変ですがこの写真もお目にかけます。

クヌギ,ヤナギ,クリ,サクラなどの広葉樹の葉を食べるそうです。

認識のパターンの中に入れてあげてください。

玄米

普通、銘柄米を炊くと、ふんわりモチモチした食感がありますよね。へそ曲がりの私は、どうも、モチモチとした食感が苦手。
焼き立てのお餅、つき立てのお餅、よりも、一度仏壇に供えた後で、おりてきたような、歯ごたえがあって、歯でサクっと噛みきれるような食感が好きなんですね。
白米を炊いても、炊きたてより、少し時間がたった方がおいしいような気がする。少しパサパサめのほうがいい。
この際、玄米にしよう、ということで切り替えてもう何年か経ちます。
モチモチしてなくておいしいです。お腹の調子も良い。

0910genmai_chiba_2
これは千葉県産の玄米の袋。炊き方の解説があります。
わたくし、この、「原則的な」炊き方、というのが気に入ってしまった。
こういう風な炊きかたで、基本的には十分なはずだが、この炊き方を身に付けた上で、「あなたにとっての『おいしい炊き方』」はあなたご自身で工夫してください、という突き放した感じを受けて、まことに爽やかな気分です。

普通はこうなります。
0910genmai_akita
「おいしい」炊き方。

「おいしい」というのは主観的なことなので、そっちがおいしいと言ったからといって、こちとらにとっておいしいかどうかわからんでしょうが。とへそを曲げたくなるのですね。

まあ、同じなんですけどね。どっちでも。
私自身は米の量の4/3倍ほどの水を加えて、小1時間程度「うるかして」おけば十分だと思っています。

2~3時間?5~6~7時間?そりゃ長すぎる。パサパサに炊けないじゃないか。
私にとっての「おいしい玄米」はパサパサな炊き上がりなんです、っ。

◆9月の初めの朝日新聞の「声」欄にこんな投書が載りました。

   米にわいた虫、天日干しで退散(9/1)
 我が家は、インターネットで自然農法の店から有機玄米を注文している。先日、米を研ぐたびに小さな黒い虫が水面に浮かぶことを発見した。殺虫効果を期待して唐辛子を米びつに入れてもみたが、繁殖してしまった。
 初めての経験だったので注文先に電話で相談してみた。「有機農法の場合、今年のように梅雨が長引くと湿気で虫がわくんです」とのことだ。天日干しの後、小さい袋に詰め直して冷蔵庫に保存するといいという。
 既に日は落ちかけていたが、ベランダに新聞紙を広げ、その上に玄米をまくように置いてみた。なんと、5分もしないうちに虫の方から退散してくれた。驚いてお礼の電話をかけると、「一世代上の人なら知っている方法ですよ」。
 田畑のある町に育ったが、肝心の虫よけ法は知らなかった。逆にいえば、これまで虫もつかないほど農薬をまいたお米を平気でたべてきた、ということに気付いた。

コクゾウムシですね。以前買っていた玄米にはよく発生しました。水を入れてかき回すと浮いてきますから取ってしまえばいいのです。
妻曰く「米の中で生まれて、米だけを食べて成長したのだから、この虫は米が形を変えたものなのよ。残っていても、食べちゃって大丈夫」とね。
同感。無害です。かかしが保証します。
成虫を取っても、卵や幼虫は目立ちませんので、おそらく米と一緒に炊いて食べているわけですが、どうと言うこともありません。たんぱく質です。日本では昆虫食はポピュラーなんですからいいじゃないですか。

投書なさった方も、成虫はでていってしまったでしょうけれど、卵や幼虫はきっと取りきれていませんよ。生命は自然発生で「わく」のではなく、必ず、卵から発生するのですからね。

昔の子供だった私は、コクゾウムシもそうですが、ガの幼虫を取る仕事を親たちにやらされましたっけね。米つなぎの虫、っていってましたが。
メイガの仲間だったのだと思います。
全部とれたとも思えませんからして、かなり食べたんだろうと思いますが、別に、どうと言うこともないのです。気にしない、気にしない。

気にし過ぎなんですよ。有機栽培のコメの命をもらい、米と暮らす虫の命ももらい、めでたいことです。




ベニシジミ

0910benisijimiフウセンカズラの葉の茂み。

ひっそりとたたずむベニシジミ。

絵になりますね。

ベニシジミのポジションから世界はどう見えるのでしょう?
生物多様性、という言葉を知らない人が多いという報道を聞いて寂しくなりました。
ヒトの世界だけが唯一の世界ではないものを。世界ってそんな薄っぺらなものではないはずです。
多様な生物の多様な世界が重層的に重なってこそ「生命の世界」なのにね。

キアシマメヒラタアブ

0910kiasimamehirataabu1ランタナの花にキアシマメヒラタアブが吸蜜に来ていました。

0910kiasimamehirataabu2
ふわっと飛び上がって
0910kiasimamehirataabu3
今度はイノコズチの花へ
やっぱりこの花、昆虫の目にはここに蜜があるぞ、というサインを出しているのですよ、きっと。迷うことなくこのポジションにとまりますもの。

ヒトが美しいと見る花だけが花ではない、ということを自覚しましょう。

イノコズチ

0910ari_inokozutiぼけぼけの写真ですみません。
アリがイノコズチの花の蜜を吸っています。
0910harikamemusi
ハリカメムシの鋭い針は鞘から抜けて、イノコズチの実にグサリ。

イノコズチの地味な花が今人気でしてね。
シジミチョウ、アブなどが押し寄せています。

去年、庭でイノコズチの実がなっていることに気づいたのでしたが、花には気づきませんでした。
今年は花から見ているのですが、気づかれにくいところで、虫たちの饗宴が開かれていたのですねぇ。面白くって、毎日見学しています。

2009年9月15日 (火)

ヨツスジヒメシンクイ

0909yoyusujihimesinkui小さなガです。
1cmくらいかな。細い外形です。

これは9月9日の撮影です。
落ち着きがなく、シャッターチャンスの少ないガでした。
0911yotusujihimesinkui
9月11日にも見かけましたので、あらかじめそっと近づいておいてワンチャンスで撮影。
結構いい写真になりました。
このガがいる場所はホトトギスの葉の上なのですが、近くにホップが植えてあります。
一昨年かな、窓を覆うグリーンカーテンとして植えたのが、今年も別の場所に顔を出して伸びているのです。
http://www.jpmoth.org/Tortricidae/Olethreutinae/Grapholita_delineana.html
このサイトによりますと、ホップの害虫だそうで、幼虫がホップの茎の「芯を食う」のですね。

食草が近くにあって、ナルホド、と納得できるときは幸せな気分です。
小さいけれど、この4本縞の姿、見間違えることはなさそうです。

ヨツボシヒョウタンナガカメムシ

0909yotubosihyoutannagakamemusiネコジャラシ(エノコログサ)の穂にとまって吸汁しているヨツボシヒョウタンナガカメムシ。
みごとに、実に口を突き刺しています。
実を熟させるために送り込まれる、栄養豊富な液が狙いですね。
よくわかっているものです。
ネコジャラシにいっぱいいます。注意して観察して下さい。きっと見られます。

キジラミ(かなぁ)

0909humeiこれ一枚。
しかもピンボケ。
困った。

有翅タイプのアブラムシかなぁ、とも思ったのですが、なんだか雰囲気が違うよなぁ。
小さいです。ほんの2mm弱程度。

カメムシ目 > ヒメキジラミ科 > セグロヒメキジラミ というのが似ているんですけれど・・・

ウルシ類の葉に来るらしくって。このあたりにウルシの仲間があるという記憶はないんですけどねぇ。
困った。

判定をお願いします。

アリグモ、アリを避ける

0909arigumo1ヤツデの葉の上です。

右下にアリが来ています。多分、ミカンワタカイガラムシか何かがついていまして、甘い汁でも出るのでしょう、やってきたのです。
アリの動きを察知した、アリグモ。パッと体の向きを変えて、動く対象を正面に捉えました。
ところが、襲いかかったりはしないんです。かえってアリが歩き回って近づいてくると、飛びすさったり、あるいはアリを弾き飛ばす、というようなことをするのです。

なるほどねぇ。アリに擬態しているのですが、アリを餌にしているのではない。
どういうメリットなのかなぁ。
0909arigumo2
ところで、このアリグモ、ヤガタアリグモかタイリクアリグモだと思いますが、確定できません。
よく見かけるんですがねぇ。

ササグモ

0908sasagumoホトトギスの葉の上で、小さなササグモを発見。
体長2mmあるかどうか、というかわいい幼体。脚なんか透明ですね。
右の方にあるのは、きっとこの赤ちゃんの食事のあとですね。
ちいさな昆虫ですが、きっと満腹したことでしょう。
このあたりで、ササグモの卵が孵化したのではないかな。他にも小さなクモがいます。、ちいち追跡しませんでしたが。

放物線

0908pinoheadlamp教員現役時代で物理を担当していたら、この写真、絶対教材にします。

ピノのヘッドライトなのですが、下に見える曲線はまごうかたなき放物線。
(抛物線は古い表記ですが、「物をなげうつ」という意味ではより良いんですがね。「物を放す」よりもね。)

回転放物面の焦点に光源を置きますと、鏡に反射した後の光は平行光線となります。
その回転放物面を平面で切った断面が上の写真で見えているわけですね。
最近の車は、荷重の状況によってヘッドライトの光線が上がって対向車の運転者が眩しくなったりしないように、光線の射出方向が変えられるようになっていますね。
でも、なんだか昔より眩しい車が増えたように感じられるんですがねぇ。年のせいかなぁ。

どうも、いまだに教師眼が抜けません。何かを見て、アッこれ教材になるっ、と思ってしまうんですね。我ながらおかしい。

面白い工夫

0908pinoseat1これ何だかお分かりになりますか?

長年(10年以上)乗ってきたマーチから、ピノに乗り換えたことは先日書きました。

ETCも不要、カーナビも不要、ただ丸ごとのピノなんですが、オプションを3つだけつけました。
一つは、ポール。最近の車は自分の車の先端部が見えない。気分悪いですねぇ。で、左前にポール。車幅感覚が身についてしまえば不要かもしれませんが、やはり気分の良いものでした。
二つ目は、ライフハンマー。まさかとは思いますが、我が家は低い土地にあるし。もし、車がドアの中ほどまで水没したら、水圧でドアが開かなくなります。電動の窓ですから電池がショートしたらもうアウト。で、万一に備えて、ハンマーを買いました。ガラスにひびを入れ小さな穴でも開ければ、ドアを蹴りあけることもできないではないでしょう。窓から脱出なんて考えたくもないけれど。運転席の足元に取りつけました。

さて、三つめが、冒頭の写真です。商品名「ターンマット(着座回転式)」です。説明書きは「車両の乗り降りの際、着座面が回転することでスムーズに身体の向きを変えることができます。」

私のような左脚の障害だと、車の右からの乗り降りは楽なんです。助手席側での乗り降りはかなり大変です。このごろ、「福祉車両」で、助手席のシートが左へ90度回転して、助手席への乗り降りが楽になるというシートがあります。それはそれで、とても良いことです。
でも、それは、健常者が運転し、障害者、あるいは介護を受ける人が乗せてもらうことを前提としています。
それだけでいいんでしょうか?

運転者が障害者である。足腰を痛めた人が自ら運転する。そういうことは考えていないのですか?
車いすを使う人が運転するということだってあります。
アクセル、ブレーキも手元に来るように改造できます。では乗降は?

今回、オプショナル・リストの写真は、やはり助手席側の女性の乗り降りの写真でしたが、運転席で使ったって悪くはないだろう、と購入してみました。高いものでもなし。

ただ、どんな仕組みなのか、ちょっと不安はあったのです。ベアリングでも使った、ものすごく軽く回転するものだったら、かえって運転しにくいかもなぁ、と思っていました。
さて、実物は・・・。
単純。笑えますが、素晴らしいアイデア。
0908pinoseat2
2枚重ねなんですね。で、向かい合う面は滑りやすい素材でできています。そして、穴が開いておりまして写真で見るように、薄くて丈夫でな素材で回転可能にしてあるのです。

これはアイデアものですね。すごい発想だ。
90度回すことはほとんどありません。でも、30度~45度位はいつも回転させています。
確かに楽ですよ、乗り降りが。

別に障害者でなくてもいいのでだれでも使ったらいいです。
女性はやはりスカートの裾さばきが楽になるのではないかな。

障害者や女性や年寄りなどが使いやすいものは誰にでも使いやすい。
これがユニバーサル・デザインの発想ですね。
このターンマットは、ユニバーサル・デザインと言っていいと思います。

毎回、ニヤッとしながら、恩恵を受け、楽しんで乗りこんでいます。

2009年9月14日 (月)

オンブバッタ

0908onbubatta1オンブバッタの複眼。
単眼がどうなっているのか、よくわかりません。

複眼には縞模様がありますね。黒い「瞳」のようなものは、偽瞳孔です。
フラッシュ光がまっすぐ入っていく角度の個眼は、光が入っていって戻ってきませんから「黒く」見えるのです。まるでこっちを見つめているみたいでしょ。
目が合ってしまった、という気にさせられますね。
0908onbubatta2
正面から撮ったらこうなりました。
何気ない姿ですが、ちょっと面白いことを示しています。
斜めに傾いた葉の上にいるのに、体を垂直に保とうとしていますね。
ということは、重力の方向を感知することができて、体をその方向に保持しようとしているわけです。

ザリガニは平衡胞という器官に砂を入れてその砂を利用して体の平衡感覚を感じているといいます。脱皮の時に砂が失われますので、砂のない環境で脱皮させて、体を持って傾けてやると、バランスを取ろうとする行動が起きません。
カエルも内耳で平衡感覚を検出しているのでしたっけ。
カエルを板にのせ、前後とか左右とか、傾けるとバランスを取る動作をするのですが、内耳が破壊されると、板に対して姿勢が固定されてしまいます。

さて、バッタの平衡感覚はどうやって感じ取っているのでしょうね。
上の写真の顔だけアップしてみました。
0908onbubatta3
偽瞳孔のおかげで、本当にこちらを見つめているようですね。

緑の触覚の付け根付近は青味がかっているのですね。

オンブバッタを捕まえて、強く締めつけたりすると、口から茶色い液を出しますよ。
ふと、思い出してしまった。

ナガメ

0908nagame1夏前には、ちゃんと「菜」にきたナガメを見ましたが、今回はフウセンカズラの花を見ていたらナガメ発見。
花を抱えています。
口の針は見えませんが、花の中に刺し込んでいるのでしょうか。
蜜を吸うのかな。
ちょっと珍しい光景ですね。
0908nagame2
腹側の模様も撮れましたよ。
やはり、黄色い地に黒。

黄色(オレンジ)と黒という組み合わせは「警戒色」のような気もします。
自分を食べてもおいしくないぞ、と警告しているのでしょうか。相手は鳥、かな。

イチモンジセセリ

0908itimonjiseseri1センリョウの葉の上にイチモンジセセリが2匹。

位置関係や、動きから見て、前がメス、迫っているのがオスでしょう。

0908itimonjiseseri2 こちらがメス。
悠然としていて、動じない。
カメラで接写に応じてくれるのはメスなのかもしれません。

0908itimonjiseseri3 オス。
動きがせわしないのです。
メスへのアプローチ、求愛のためなのでしょうか、いろいろ動きまわり飛び回ります。メスの注意を惹かなければならないのでしょう。
0908itimonjiseseri4
フラッシュに反応して飛び上がりました。
前にもフラッシュに反応するイチモンジセセリの写真を載せましたが、きっとあれもオスだったのですね。

オスの方が、動きが激しいようです。
何となく事情がわかってきました。イチモンジセセリの飛び上がる姿なんて見たのは初めてだったのでびっくりしましたが、雌雄の差、求愛行動の差、の表れなのかもしれません。

ハリカメムシ

0908harikamemusi1何度もお目にかかります。
体の前半部はほとんど成虫と同じ。
名前通り、張ってます。

0908harikamemusi2
腹の下にイノコズチの花があります。
花には関心がない。
成熟中の実を抱えていますね。ここから吸汁するつもりでしょう。
0908harikamemusi3
すごく小さな幼虫を見つけました。
イノコズチの上では写真が撮れないので、そっと手に移ってもらって撮影。
指紋と比べてください。小さいです。
翅の形もまだまったくありません。
おそらく、一齢幼虫でしょう。

0908harikamemusi4 指の上を歩くのをカメラで追っていたら、こんなアングルが撮れました。
触覚の途中にピントが合って、全体としてはボケました。
こんな立派な触覚なんですよ。
最初の節と次の節が90度ずれているようですね。
不思議な構造をしている。
まだ、毎日、眺めて楽しんでいます。

ヨモギエダシャク

0907yomogiedasyaku1この植物が何なのか、よくわかっていません。
すくすく伸びるばっかりで、今のところ花も咲かないしなぁ。
園芸店で種買ってきて播くのと違って、いろいろ風や鳥が運んでくるのを、育てていると、さっぱりわかりません。

葉が食われているな、とおもったらシャクトリムシが2匹いました。
こんな大きくなるまで見過ごしていたとは、うっかりものですねぇ。

0907yomogiedasyaku2 この植物がヨモギでないことは保証しますが、このシャクトリムシはヨモギエダシャクの幼虫ではないでしょうか。
側単眼が見えます。
黒く縁取られた内部が白い長円形の部分は気門です。

君たちは別の植物でも食べられるでしょ、っ、と、追放。

花でも咲かないかな。そうすれば、調べやすくなるんだけどな。

ジョロウグモ

0907kumo1右の方にクモ本体。
左の方におそらく食べ終わった獲物。
かなり大きな獲物ですね。ぐるぐる巻き。
0907kumo2
オニグモは地味ですが、こちらはきれいな色彩。

JOROUGUMOではなく「R」をとって、JOOUGUMO(女王蜘蛛)でもいいんじゃないかとも思います。

網を横から撮ることができました。
0907kumo3
網の構造を支える縦糸はピンと張られていますが、獲物のエネルギーを吸収して動きにくくする横糸はたわんでいるんですね。
これで更に2倍近く伸びるしなやかさがあるのですから、引っかかった獲物は逃げられなくなるわけです。
網を正面から見ることはよくありますが、横から見てみるのも面白いものだと思いました。

2009年9月11日 (金)

ルコウソウ

0907rukousou季節がオーバーラップしました。

とても鮮やかな印象でしたので撮ってみました。
明るかったので、絞りを開いて手前のキバナコスモスをぼかしてみました。
湿度の低い暑さは快く、風もさわやかです。
その分、虫たちは、朝に体温を上げるための時間が必要になってきたようです。

秋です。

ハリカメムシ

0907harikamemusi1繰り返し登場します。まだこの先も登場しそうな感じがしますが。
今回載せたのは
複眼の内側を結ぶ白い曲線、それに連なる、体の正中線上の白い線。
これが何となく気になって。
単なる模様なのか、体の内部の構造が見えているのか。
ほかの虫で、こういう正中線の白い筋、ってあまり見かけないような気もして。
ただ、それだけです。なんとなく気付いてしまいました。
0907harikamemusi2
何度見ても、すごい格好だ。気に入ってしまいました。
トゲだらけ。
すごい触覚。
成虫との落差が楽しい。

ルリマルノミハムシ

0906rurimarunomihamusiイノコズチについたルリマルノミハムシです。
虫の入るあたりが、今、花の咲いている部分。
虫より左側(草の根もと側ですが)には、花が終わって成熟中の実があります。
虫より右側には、これから咲く蕾。

ちゃんと花の位置を教えてくれています。面白いですね。

ハマナデシコ

0906hamanadesiko1ハマナデシコの花の後です。

実が熟したようですので、一つ指で抜いてみました。
0906hamanadesiko2
これが花一つに対応します。

指先でそっと裂いてみると
0906hamanadesiko3
中に種が入っていました。

0906hamanadesiko4 手に受けて撮影。

掌紋の筋と比べて、大きさを推察して下さい。

意図的に播くことはしませんが、自然にたくさんこのあたりに播種されているでしょう。
来年も楽しめると思います。

シロオビノメイガ

0905siroobinomeiga1肉眼で見ているうちは、落ち着いて動かずにいるのですが、カメラを向けると非常に敏感に察知して移動します。
オートフォーカスのモーター音(多分超音波が出ていると思います)を感じているのかもしれません。
(普段は、オートフォーカスでピントを合わせて、その後、手で微調整しています。オートフォーカスの動力は超音波モーターというやつだったと覚えてますが。昔の記憶では。)
ガの仲間ではコウモリがエコーロケーションに使う超音波を感じて、逃げたり、落下したりするのがいますね。
0905siroobinomeiga2 飛び上がった瞬間です。これはフラッシュに反応したのです。

0905siroobinomeiga3 移動先で逆さにつかまりましたので、こういう写真が撮れました。
脚の関節部にトゲのようなものが出ているのですね。

勝負はここまで。この後飛び去ってしまいました。

2009年9月10日 (木)

WANTED(ニッポンメンハナバチに似ています。9/11)

0904wantedこの虫の名前が知りたいのですが。

写真はこれ一枚。
背中の方を撮りたかったのですが、飛び去りました。

体の雰囲気はチビドロバチかなぁ、という気もするのですが
顔がねぇ。
検索しても顔の分かる写真が見つからなくて。
不思議な顔でしょ。
複眼の内側のところに黄色い紋があるわけです。

こんな不十分な写真ですが、名前は分かりませんでしょうか?
よろしく。

◆9・11追記
ニッポンメンハナバチに似ているというコメントを、おとんさんから頂きました。

まったくご指摘の通りでした。
「裏庭」さんのHPをご覧ください。
http://home.n02.itscom.net/wad/u/umh9.htm

「我が家の庭の生き物たち 」という尊敬するサイトにもありました。
http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200807060000/

完全に種の同定ができたとまでは言えないと思いますので、暫定的に

「メンハナバチの仲間です」ということにしたいと思います。

ツマグロキチョウ

0904tumagurokityou1白山神社の前の歩道の植え込みです。

4時を過ぎると、暗い感じがしはじめるこの頃です。
写真でも、背景が真っ黒になってしまいました。これは意図したことではありませんが、写真としては面白くなりましたね。カメラマンになったくぶんだゾ。
花はもちろんキバナコスモス。
0904tumagurokityou2
触覚の間から長い口を高く上げて花の蜜を吸っています。
今この口吻の中を甘い蜜がトクトクと流れているんでしょうね。
おいしそう!
翅の向こうの面の黒い紋が透けています。「ツマグロ」キチョウであることが透けていますね。

皮肉なことに神社の境内は虫の影が薄いのです。手入れが行き届きすぎて。
「お宮にいったら虫がいる」というわけにはいかなくなりましたね。

歩道の植え込みの方が、花も咲き、手入れも少ないですから、翅のある虫たちに出会うことが多くなります。
鎮守の森、というのは望めないのでしょうか。
エコだ、生態系だ、生物多様性だ、と騒がしいですが、実際に身の回りに虫がいることは嫌なんでしょうね、多くの人にとっては。

かなしい。

イノコズチの花

0904rurimarunomihamusi前の記事でハリカメムシは花には関心がないと書きました。

今度は花に関心がある虫たちです。
この黒丸はルリマルノミハムシです。
ハムシとはいうものの、見かけるのはいつも花の中。
花粉でも食べるのでしょうか。でも丹念にあちこちの花の中へもぐりこんでいますから、授粉の役割も果たしていそうです。
0904sijimi
こちらはヤマトシジミ。

ルリマルノミハムシもヤマトシジミも花を求めていますから、穂状に連なった部分のうち、今花が咲いているところ、についています。
咲き終わって実の成熟が始まった部分や、これから花が咲く蕾の部分にはくっついていません。
やっぱり、ヒトの目には地味なこのイノコズチの花が、虫にはきれいな色彩で、ここに蜜があるよ、とサインを出しているのでしょう。

美しい花です。

ハリカメムシ幼虫

829904harikamemusiハリカメムシの幼虫です。

上段は8月29日に撮影したもの。
下段は9月4日に撮影したもの。

もちろん同一個体かどうか、などは分かりません。
一つ齢を重ねましたね。
胸部の色や形が成虫に似てきました。「ハリ」カメムシの「ハリ」が出てきましたよ。
翅の芽もずいぶん大きくなりました。
トゲトゲ感も減りました。
0904harikamemusi1
イノコズチのまだ熟していない実から吸汁しています。

0904harikamemusi2 鞘がくの字になって、中の針状の口が実に刺さっています。

カメムシとしてはこうやって汁を吸うのが目的ですので、花は関心の外です。

クロマダラソテツシジミ

◆2009.9.9のNHKの朝のニュースでクロマダラソテツシジミが東京都内で繁殖しているのが見つかった、というニュースが耳に入ってきました。どんなチョウかな?と見たら、なんと、私の目にはツバメシジミとそっくりで見分けがつきそうにありません。

NHKのホームページからニュースのテキストをコピーしました。引用します。(太字は筆者による)

熱帯チョウ確認 温暖化影響か
     9月9日 4時34分

東南アジアの熱帯地域を原産とするシジミチョウの一種が東京都内で繁殖しているのが見つかり、専門家は温暖化の影響で急速に北に分布を広げている可能性があると指摘しています。
都内で見つかったのは「クロマダラソテツシジミ」で、はねを広げると3センチほどの小さなチョウです。オスは、はねが青く、幼虫のときはソテツの新芽を食べるという珍しい生態をもっています。先月19日、東京・品川区でチョウの愛好家が成虫を発見し、東京大学の研究者と調査しました。その結果、近くのソテツで卵と幼虫がみつかるなど、これまでに品川区と港区のあわせて4か所で繁殖が確認されたということです。「クロマダラソテツシジミ」は、東南アジアの熱帯地域が原産ですが、北に分布を広げ、日本では20年ほど前に沖縄で見つかりました。研究者によりますと、関東地方で確認されたのは初めてだということです。このチョウは卵から成虫になるまで2週間ほどしかかからないことから、今後、急激に増えて庭などに植えられているソテツに被害を与えるおそれもあるということです。チョウの生態に詳しい東京大学大学院理学系研究科の矢後勝也研究員は「クロマダラソテツシジミが増えるということは、関東地方が熱帯化している兆候とも考えられる。このチョウの分布の変化は温暖化の1つの証拠として注目される」と話しています。

http://homepage3.nifty.com/ueyama/shubetsu/shijimi/kuroso/kuroso.html
このサイトによりますと

2007年には兵庫県宝塚市~大阪府池田市にかけて、植栽のソテツで発生
2008年には、不幸にも勢力をさらに広げています

ということです。ここにはクロマダラソテツシジミの写真もあります。どんなチョウかご覧ください。

http://insects.life.coocan.jp/Shijimi/Kuromadarasotetsushijimi.htm
これは「昆虫館」というサイトです。生態写真がたくさんありますので、是非見てください。

で、私が戸惑ってしまったツバメシジミの写真もぜひ見てください。
http://homepage3.nifty.com/ueyama/shubetsu/shijimi/tsubame/tsubame.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%90%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%82%B8%E3%83%9F

さしあたってこのくらいにしておきます。

チョウの好きな方、身の回りにチョウがたくさんいるような環境の方、ぜひ、注意して観察してみてください。
南方系のチョウが北上していく現場を見られるかもしれません。

ピタゴラス数

◆理科おじさんから、「夏休み明けのテスト」です。

問1:直角三角形の斜辺の長さが10001、直角をはさむ一つの辺の長さが9999であるとき、もう一つの直角をはさむ辺の長さを求めてください。

問2:600、9991、1009の三つの数はピタゴラス数になっています。計算によって確認してください。

[ヒント] a^2 - b^2 = (a + b)(a - b) というのを利用して下さいね。
     まともに計算するのは疲れます。

{注意:「a^2」という書き方は「aの自乗」という意味です。右肩に乗っけたいのですが、書けなくて。プログラミング関係者には普通に通じるはずですが。}
----------------------------------------------------------
◆何を一体始めたのか?とお思いでしょう。

a^2 + b^2 = c^2 となる(a, b, c)の組を「ピタゴラス数」といいます。
(3, 4, 5)とか(5, 12, 13)などはよく知られていると思います。
で、何となく今回、よく知られたピタゴラス数の、ほとんど誰も見たことのない領域をお目にかけようと、ただ好奇心で大量のピタゴラス数を生成してみたのです。

詳細は私のホームページに載せました。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/Pytha.htm
ここにあります。

m, nを正の整数として
a = m^2 - n^2
b = 2mn
c = m^2 + n^2
と表すことができます。
但し、m > n,  mとnは互いに素(公約数を持たない)
です。
そこで、m を2から始めて、100まで1ずつ増やし、各 m について、n は、n=m-1 から始めて、n>0 の間2ずつ減らして計算しました。

エクセルのVBAマクロで書いて実行してみました。

2040組のピタゴラス数ができましたよ!

それって何かの役に立つの?
いいえ、全然何の役にも立ちませんョ。
ただ面白いだけです。

それでも、見てみたい方はど~ぞ、HPの方をご覧ください。

2009年9月 9日 (水)

オシロイバナ

2009.9.7付 朝日歌壇より
夕闇に溶けるY字路仄仄とおしろい花の紅(くれない)が浮く:(平塚市)河野伊佐央

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%8A
ウィキペディアから引用します。(太字は筆者による)

・・・
花は夕方開き、芳香がある。このため和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれるが、この名はアカバナ科のものにも使われているので注意を要する。英語ではFour o'clock、中国語では洗澡花(風呂に入る時間から)、煮饭花(夕飯の時間から)などと呼ばれる。夜間に開き花筒が長いので口吻の長い大型の夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難である。日本のオシロイバナでは主にスズメガが吸蜜し、送粉に関わっている。オシロイバナは網状脈である。
・・・

日中はしおれてしまいますが、夕方からは見事な花が咲き誇りますね。
赤い花、黄色い花、白い花、赤や白の混じった花、とりどりです。

「夕闇に溶ける」時刻は「たそがれ時」とか「かはたれ時」とか。

たそがれ‐どき【黄昏時】夕方うす暗くなって「誰タそ、彼は」と人の顔の見分け難くなった時分。夕方。夕暮。
かわたれ‐どき【かわたれ時】カハタレ (薄暗くて、彼は誰か、はっきりわからない時の意) 明け方または夕方の薄暗い時刻。後には夕方の「たそがれどき」に対し、明け方をいった。かれはたそどき。[広辞苑第五版]

人の顔も判別しがたくなってくる仄暗闇にオシロイバナが浮き上がる。
たそがれどきの分かれ道。魔の刻とでもいうのでしょうか、。

ヤマトシジミ

0904yamatosijimi1ベニシジミはきれいだな、と一生懸命写真を撮っておりましたら、私だってこういうポーズくらいできます、と目の前にヤマトシジミがやってくる。

これがおかしいんですよね。何だか、向こうからやってきた、という感じで出会うんですね。
おそらく、天気のせいもあるんです。少し気温が低めで翅を開いて日光を受けようとしているんです。で、ベニシジミ、ヤマトシジミと続けて同じような姿を見せてくれたのでしょう。
0904yamatosijimi2
やはり、ヤマトシジミでも構造色=見る角度で変わる色がみえますね。
微細な鱗粉や毛での反射光が干渉しているのです。

一見地味で毎日見かける相手ですが、ちゃんと見てあげなければいけませんね。

ベニシジミ

0904benisijimi1ポピュラーとはいえませんが、年に1,2回くらいは見かけるシジミチョウです。
去年は晩秋にセイタカアワダチソウの花に来ているところを見かけました。
今年は、9月4日、フウセンカズラの花です。
0904benisijimi2
翅を開いたところ。
0904benisijimi3
きれいですねぇ。
子ども時代にもやはり、ベニシジミを見ると嬉しくなったものです。
胸の両脇のあたりの翅の色が、角度で青みを帯びたりするようですね。やはり、反射光の干渉による色の差なのでしょう。
0904benisijimi4
すごいショットが撮れました。
脚先の縞模様、爪まで写りました。
おいしそうに蜜を吸っています。

0904benisijimi5
こんな姿勢になってしまいました。
表情を感じてしまいます。

口のところを拡大して、横倒しにしてお目にかけますと

0904benisijimi6
こうなります。

口が「1本のストロー」ではなく、2本が合わさったものだ、ということが分かると思います。
チョウの口は、小顎に由来するものですから、左右一対からなるのです。
羽化した直後は口は2本が分かれています。それを1本にあわせるという作業を運が良ければ見ることができます。左右をはめ込むようにするんですよ。

デュランタにイチモンジセセリ

0903itimonjiseseri今年やっと咲くようになったデュランタですが、毎日新しい花が咲きます。嬉しいですね。

シジミチョウやセセリチョウなど、チョウもかなり訪れてくれるようで、更に嬉しい思いです。
イチモンジセセリが来ています。
おそらく上がメス、下がオスです。
オスがメスに求愛行動をとっているのです。
といっても両方とも吸蜜してますけどね。
見ていたら交尾には至らず二匹で飛び去ってしまいました。
単独で見かけた場合は、雌雄の区別は私にはできませんが、こういう状況でならおそらく間違いはないでしょう。

0903eggsアサガオの葉の上に何かの卵がありました。

この周辺の葉を眺めると、全部で5、6個あります。

直径2mm足らずの小さな卵です。

何の卵かわかりません。
前にもっと大きな卵を一回見たっきりで見失って残念な思いをしたので、今回は卵が二つついた葉を取ってきて、毎日眺めていますが、もう一週間たつのに孵化しません。
だめだったかな。ただ眺めるだけなんですが、孵化率というのも結構低いのですね。

残念です。

チビドロバチ

0902tibidorobati1枚っきりしかないんです。

キタヒメヒラタアブが見事なホバリングなどを見せてくれているときに、同じフウセンカズラにきました。

おっハチだ、と一枚撮って、またキタヒメヒラタアブの方へ注意がもどったのです。そうしたらもう、次のチャンスはなかったわけです。

チビドロバチでしょう。背中側の写真が撮れませんでしたけれど。

このブログの、8月4日付の記事で、池のほとりに来ていたチビドロバチを扱いました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-ec74.html
ここです。ここには背中側の写真があります。
同じですよね。
そこにも書きましたが、チビドロバチはスズメバチ科のハチなので、幼虫は肉食です。
成虫は生きるエネルギーだけでいいわけで、このように花にやってきたりするのでしょう。

2009年9月 8日 (火)

オンブバッタ

0902onbubatta今年は何だか、オンブバッタの数が少ないような感じがします。

年によって増減があるのでしょう。

久しぶりの成虫。
見事な色ですね。葉とまったく同じ色です。
季節的にはもう、「オンブ姿」で登場してもいい頃だと思います。
来年はまた増えてね。

キタヒメヒラタアブ

0902kitahimehirataabu1キタヒメヒラタアブがフウセンカズラの花で吸蜜しています。
フウセンカズラの花は、小さいですけれどイノコズチの花よりは、ヒトにとっても「花」らしいですね。
でもきっと、キタヒメヒラタアブの眼には、おいしそうに映っているんですよ、きっと。
0902kitahimehirataabu2 舐めるタイプの口を伸ばしているのが見えます。複眼もきれいですね。
ぺろぺろと、美味しいんです。
チョウはストローのような吸うタイプの口ですから、チューチュー、と表現するんでしょうかね。
ところで、このキタヒメヒラタアブ。どういうわけか、目の前でホバリングを始めて、別の花に行くでもなし、葉にとまるでもなし、ホバリングしてるところを撮って、といわんばかりに、20秒くらいか、もっと長くか、ずっと目の前で空中停止。
0902kitahimehirataabu3
これがその写真。
空中に停止していて、しっかり写るんだからすごいものです。平均棍もきれいに写りました。
これを撮らなければ、申し訳ないことです。

0902kitahimehirataabu4 このあと、葉っぱの先にとまったのですが、こっちの方がピンボケだ。
翅をこういう風にたたむのはこのアブとしては珍しいです。
脚をすり合わせています。お掃除ですかね。
0902kitahimehirataabu5
ちょっと休憩して、また花へと飛び立っていきました。

イチモンジセセリ

0902itimonjiseseri1またまた登場、イチモンジセセリ。

このごろ、外に出ると、イチモンジセセリが頭のまわりやら目の前を、頻繁に飛び回ります。

この美しい姿を見てください。どうしても撮ってお目にかけたくなります。

頭から胸の背面の色に注目して下さい。
これは、おそらく、鱗粉や毛の直接の色ではないのではないでしょうか。
「構造色」という光の干渉による発色ではないかと想像します。
0902itimonjiseseri2
タマムシの翅の色ほどではないですが、虹色ですよね。
反射した光が重なり合って、強めあう色が生じて色のグラデーションが生じるのです。
シャボン玉と同じ原理です。
チョウではモルフォチョウの翅の色が有名ですが、地味なチョウとして知られるこのイチモンジセセリにも、同じ原理の色が発色しているように思います。

◆朝日新聞、2009.9.5付「花まる先生 公開授業」という記事で、国立天文台ハワイ観測所の臼田‐佐藤功美子さんがハワイ島の小学校で行っている授業の話が載っていました。
その中に、英語で虹の色の順番を覚えるやり方が出ていて面白かったのでご紹介します。

「じゃあ、虹の7色はどんな順で並んでいるか知っていますか」。
「ROY.G.BIV!」
「そう、みんなで!」
「Red,Orange,Yellow,Green,Blue,Indigo,Violet!」

いかがですか。確かめてみてください。

イノコズチの花

0901sijimi1イノコズチにヤマトシジミがとまっていました。

私はこの時点で、イノコズチの「花」を全く意識していませんでした。

ですから、おや、花でもないのにシジミがとまっている、と思ったのでした。
ところが、です。
0901sijimi2_2
頭のところをパソコン画面上でみると、口を伸ばして「蜜を吸っている」のですね!
私の肉眼のなんと頼りのないことよ。
花が咲いていたんですね。シジミさんに教わりました。

気付いたのが遅かったので、翌日、再度花の写真を撮りに行きました。
0902inokozuti1
確かに咲いています。
オシベが5本。
真ん中に大きな子房のメシベ。
きちんと整った花です。
オシベとオシベの間に何となく「板状」のものがありますが、見えるでしょうか。
0902inokozuti2
仮オシベというのだそうです。

5枚ある緑色のとがったものが花弁ですね。
その外側に苞があるようです。
http://www48.tok2.com/home/mizubasyou/97inokozuti.htm
ここにイノコズチの花の構造が詳しく解説されています。どうぞ。

◆ところで、イノコズチの花は、ヒトの目には緑色で目立たない花です。花というと赤や黄色や紫などの花弁をもつものを思い浮かべます。
でもきっと、昆虫には「蜜があるぞ」というサインを示す、美しい花なのではないでしょうか。
ヒトの色覚は3色性ですが、昆虫の色覚は紫外線を含む4色性のものが多いのです。
花の紫外線写真を見ることがあります。すると、フィルターをかけて、紫外線の強弱についての写真になりますから、なんとなくモノクロームな写真になります。これを見て、紫外線での色覚はモノクロなんだ、とは思わないでください。
昆虫にとっての可視光線の幅が紫外線領域までを含んでいて、その幅広い可視光線領域を4原色で見ているのです。決してモノクロではなく、ヒトの色覚を超えた別世界の色彩を見ているはずです。紫外線領域も色なんです。これだけは、どう研究しても、ヒトに理解はできないのですね。ヒトは「言葉」によって色の名前を唱えて、互いに視覚世界を共有できたような錯覚を持っていますが、決して他者の視覚世界を直接見て共有することはできないのだということを自覚すべきです。
ヒトは「進化の頂点に立つ」のだから視覚も優れていて、3原色による豊かな色覚を持っている、とうぬぼれてはいけません。
おそらく、昆虫が見る世界の方が、色彩豊かなのだろうと思いますよ。

とまぁ、ごたくをならべましたが、要するに。
シジミチョウが、ここに美しい花が咲いているよ、と私に教えてくれた、ということなのです。

http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/uvir/hana_uv.html
花の簡易(安易)デジカメ紫外線写真
というページです。ごらんください。

クヌギのドングリ

0901kunugi1カルガモ親子のいる品川区の厳島神社境内です。

クヌギのドングリですよね。

0901kunugi2 妻はこの神社の近くに勤務先の一つがあるので、このドングリを拾ってこよう、などと思っているようですよ。

我ら夫婦、種(実)を見ると播きたくなるたちでして。

古いところでは、結婚した年、子らが生まれた年の銀杏を播いて育てたイチョウの鉢があります。
今年、ビワがなった、という話をブログに書きましたが、あれは比較的最近、頂き物のビワの種をまいて育てたもの。

大きくしなくても、鉢で育ててもそれなりに楽しめますから、スペースがありましたらぜひ試みてください。面白いですよ。

2009年9月 7日 (月)

キシノウエトタテグモ(にとてもよく似ています)

0901kumo1階段のステップの隅に黒いものが。
何だろう、ゴミかな?と顔を近づけてよく見れば、クモ。
真っ黒なクモです。

プラスチックケースに移して、観察。
見たこともないクモです。
写真を撮るのですが、真っ黒で、全然うまく撮れないんですね。いろいろ露出を変えてみるんですが、どうもくっきり写ってくれない。
なんとか、少しは見えるだろうか、というのがこの写真です。
背景にうっすら見える線は、ノートの7mm間隔の罫線です。
0901kumo2
体長14mmというところでしょうか。
その割には、真っ黒な体が威圧的で、大きく感じます。

名前が分かりません!
なんというクモなのでしょうか?教えてください!

少し衰弱していました。季節のせいかな。草の繁った間に放してやりましたが、朝夕は寒いくらいになってきましたから、生き延びられるかどうか心配です。
0902kisinouetotategumo

この雄姿、見てやってください。大きければタランチュラだぞ、と脅かせそう。
迫力ありました。

◆一旦、上の記事を書いて、もう一回「日本のクモ」という本を、パラパラと見ていました。
前回は、徘徊性だと思っていましたので、そっちの方に注意が集中していたのですが、今回は初めから見はじめました。
最初が「ハラフシグモ科」、次いで「トタテグモ科」「ジグモ科」と始まるのですが、なんと、トタテグモ科のトップが「キシノウエトタテグモ」というクモで、そのオスにそっくりです。

都市部に多く、山地ではあまり見られない。中部地方内陸部・東北地方にはほとんど分布していない。環境省レッドデータ種NT(Near Threatened = 準絶滅危惧)

東京、神奈川、名古屋、京都、大阪などの都心部に多産。他の県ではあまり見られない。神社、寺院、学校、公園、人家の庭などに生息し、土台石のわき、土の詰まった石垣や崖、植え込みの縁などの地面に穴を掘り、入り口に片開きの扉をつけた住居を作る。クモは扉のすぐ内側にいて、扉の前を通る昆虫、ワラジムシなどを捕える。6~7月にかけて、クモに寄生したクモタケと呼ばれるキノコが住居の入口から生えていることがある。最近、オキナワトタテグモの亜種であると発表された。

体長:♀10~15mm
    ♂ 9~12mm
出現期:♀一年中 ♂9~10月

とありました。私の見たクモと矛盾はしていません。

NTというのは

準絶滅危惧
      Near Threatened (NT)
        存続基盤が脆弱な種
      現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。

です。

そういう種でしたか。感慨深いなぁ。普通種観察者でいいんだけどなぁ、私は。
交尾のために徘徊していたのかもしれませんね。で、間違って我が家に入りこんでしまった。土のある場所に置いてやったので、何とか生き延びられたらいいのですが・・・。
期待しています。我が家では誰もクモを嫌っていませんから、増えてくれていいんですよ~。遠慮せずどうぞ、クモさん。

下のサイトなど、ご覧ください。特に最初のは「我が家の庭の生き物たち」といって、世田谷区内での個人の観察記録です。すごいです。

http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200707010000/

http://www.cyberoz.net/city/sekine/zukan408.htm

http://www2.atpages.jp/kjrshoji/totate-jigumo-yuurei-yamasiro/html/kisinouetotate4.htm

◆余談:ジグモもこのごろ見ませんねぇ。子どものころは、ジグモの袋をそっと破らないように引き抜いて、中のクモを追いだして遊んだりしたものです。手先・指の技がないとできませんので、男の子は技比べをしました。

袋の中はすべすべで、さわり心地の良いものでした。
結構いくらでもいたように覚えているのですが。50年以上前だからなぁ、変わってしまったのか。さびしいことですね。

キタヒメヒラタアブ

0901kitahimehirataabu1先日、9月1日付けで、キアシマメヒラタアブというのをご紹介しました。
フウセンカズラの花と大きさがコンパラブルな、小さなアブでした。あの記事の中でちらっとキタヒメヒラタアブに言及していますが、実際、キタヒメヒラタアブがやってきましたのでご紹介します。併せて、くらべてみてください。

フウセンカズラの花の蜜を吸っています。とても小さなアブだということがお分かりいただけるでしょう。
0901kitahimehirataabu2 ピタッと止まった画像になりませんでしたが、ホバリングです。
腹部の黒と黄色の縞模様がわかります。
小さくて、細くて、かわいいアブを見かけたら、このキタヒメヒラタアブです。
ヨロシク。

ハリカメムシ

0901harikamemusi1ハリカメムシの成虫が吸汁しています。
イノコズチの実なのか蕾なのか、です。

写真を詳しく見てください。虫にとっての右後脚を上にあげて、別の穂に引っ掛けています。で、角度的に左の触覚とつになって見えてしまっています。
右の触覚はカメラの方に向かって出ているので、ぼやけてしまっているのです。
この写真の口のあたりを拡大したものをお目にかけます。
0901harikamemusi2
これです。
写真の中の黒い矢印で指示しているのが「口」です。
黒っぽい針状の口です。
ふだんは鞘に入っているのですが、鞘は刺さっていきませんから、くの字に折れ曲がって針から外れ、針だけが突き刺さっているのです。
(蚊の吸血の時と同じですね。)

0902inokozuti3
別の日の写真ですが、普通はこうなっています。
針状の口は鞘に納まった状態で、体にくっついているのですね。

たまたま、うまいこと、撮れました。

孵化

0830ageha1アゲハか、クロアゲハか、判然としませんが、孵化した直後です。

体がまだ白いですね。
卵殻を食べています。

0830ageha2
白いトゲトゲだらけ。

このあと、1時間ほどして見たら
0830ageha3
模様が浮きあがってきていました。

うまく育つかどうか。
かなり、率は低いんですよ。
何がうまくないのか、成長できないのも多いのです。
どうかうまく育ってくれますように。

クサカゲロウの幼虫

0829kusakagerou私の目も肥えてきました。

これを見て、瞬時に、クサカゲロウの幼虫だ!と分かりましたものね。

ごそごそ動く、小さなゴミの塊です。

緑の成虫のはかなげな雰囲気とは落差が大きいですね。
(あの成虫だって、アブラムシを食べる肉食なんですけどね、実は。)

多くの方が目にしていながら気づいていらっしゃらないと思います。
目を鍛えてください。

イチモンジセセリ

0829itimonjiseseri1顔の前で何かやってるなぁ、と思ってパチリ。

お口のお手入れ、でした。

終わって、しまうところ。
0829itimonjiseseri2
この顔、みてください。

きょとんとして、かわいい、という表現しかないですよね。

口を完全にしまい込むのを、忘れたかな。
(猫が、時々、舌をしまい忘れることがありますよね、あれもかわいいですね。)
0829itimonjiseseri3 よく見ると、とても美しく輝いているのです。

茶色で目立たないチョウだ、ということになっていますが。どうしてどうして。

最後の写真は上2枚とは別の場所。センリョウの実を眺めていたら、突然目の前に飛び込んできて「撮ってぇ、とポーズをとった」(?)のです。わざわざ、目の前に飛び込んでくる、というのも、不思議。「虫との交流」なんですかねぇ。
たいてい、こうやってじっくり写真を撮らせてくれることが多いのですが、先回、フラッシュのたびに飛び上がっていたイチモンジセセリはどうういう状態だったのでしょうね、あれもまた不思議です。あれ以来そういう行動は見ません。

2009年9月 4日 (金)

センリョウの実&・・・

0829aodougane今年はセンリョウの実が長くついたままになっているような気がします。

これで赤く熟してくれればいいのですが。

で、アオドウガネが頭を突っ込んでいます。こういうときは、食事ではないはず。休息中だと思います。
0902nanten
そういえば、毎年、花は咲くけれど実が熟したことのないナンテンもまだ、実が落ちずにいます。

これも熟してほしいものです。
赤い実を期待しています。

アメリカミズアブの交尾

0829americamizuabu1ボウガシの葉の上です。
アメリカミズアブが交尾していました。
体に大小がありますから、おそらく大きな方がメスでしょうね。
0829americamizuabu2
オスの方の顔です。
複眼の表面の模様が独特です。
どういう風にしてこういう色の違いがでるのでしょう?
個眼が見えます。
0829americamizuabu3
こっちはメス。
交尾中も触覚を動かしてるのですが、これが、特有の交互に上下に振る、という動き。これ見てるとなんとなく楽しくなるんだなぁ。
生ごみのコンポストなどあると、こういうアブを見られるかもしれません。
脚が白かったりして、気づけば結構かわいい虫です。

オニグモの食事あと

0828onigumo1コガネムシの仲間の死骸です。アオドウガネか何かでしょう。

0828onigumo2 網には大穴。
黒く写っているのがオニグモ。

こんなに長く同じ場所にとどまって生活するのを見たのは初めてです。
きっと、大物が網にかかるので生活しやすいのでしょうね。
大きな体になりました。
配偶相手は得られるのか、が今後の最大の問題でしょうね。
この付近に別のオニグモの姿は見かけていません。

ミツバチ

0828mitubati1白山神社前の歩道の植え込み。

風に翅をあおられたヒメナガカメムシがいたのと同じ場所です。

ちょっと前には、腹部が黒くて、ニホンミツバチではないかと書いたミツバチがたくさん来ていましたが、今回は、腹部の上の方が黄色いので、セイヨウミツバチではないでしょうか。
0828mitubati2 ニホンミツバチにくらべて、後脚につけた花粉団子が大きいですね。

0828mitubati3
こうやって見ても、花粉団子の大きさがすごい。

これだけ花粉を抱えてあちこちの花を訪れれば、受粉の効果は大きいですね。
ただなぁ、「人間の利益のために」働かせるのはなんだかアンフェアな気もします。
だいたい、何かのために、というのは胡散臭いと思うたちです、ワタクシ。
0828mitubati4
ホバリングしながらあっちの花こっちの花と飛び回っているので、何とか空中でのホバリングを撮影出来ないかと頑張ったのですが、風が強いせいか、あるいは、アブと違って完全には空中停止してくれないせいか、うまく写りませんでした。
0828mitubati5
どうしてもぼやけてしまうのですが、多少見られるかな?という2枚をお目にかけます。

人間なんか無視して、自分たちだけで勝手に生活したほうがいいですよ~。

2009年9月 3日 (木)

キバナコスモスの実

0828kibanacosmos1キバナコスモスの中央部の花が終わり、それぞれが結実して、熟すとこうなってきます。
センダングサの仲間と似てますね。

一つだけ拡大すると
0828kibanacosmos2
いかにも、ひっかかりそう、ですね。
かえし(逆刺、逆鉤)、もついているし。
0828kibanacosmos3
更に手にとって接写。

かえしに、さらにかえしのトゲがあるようですよ。
しっかり動物の毛などにひっかかって遠くへ運んでもらう戦略ですね。

ヒメナガカメムシ

0828himenagakamemusi2
キバナコスモスの花弁にヒメナガカメムシがいました。
風の強い日でした。揺れて揺れて大変。

0828himenagakamemusi1_2 こっちのヒメナガカメムシは、風で前翅をめくられてしまいました。
翅がこんな状態になったのを見るなんて初めて。

ふと、昔々のマリリン・モンローさんを思い出してしまった。
カメムシとモンローの取り合わせに、自分でも苦笑してしまいましたが。

ハリカメムシ

0828harikamemusi1イノコズチにきれいな緑色の見慣れない虫。

かなり仰々しいですね。
トゲトゲ。

0828harikamemusi2 不思議な触覚です。
シャコバサボテンみたい。
扁平なんですよ。

0828harikamemusi3
腹側からのショット。
すごいですね。
カメムシの幼虫だろうなあ、という見当はつきます。

少し離れてはいましたが、同じイノコズチに
0828harikamemusi4
ハリカメムシがいました。
同じ場所にいる時は、同じ種の幼虫と成虫である可能性が高いだろう、と思って調べてみたら、案の定。

上の写真はハリカメムシの幼虫でした。

クサギカメムシなどは、幼虫と成虫の「落差」はそう大きくないですが、このハリカメムシはすごいですね。
成虫になると、トゲはない、触覚もごく普通のスタイルになる。
すごいものを見ました。

ミンミンゼミ

0829minmnzemi8月29日。
木の幹で鳴くミンミンゼミです。

早朝からものすごい大声で鳴いていたミンミンゼミが、この日の朝は鳴きませんでした。
代わりに朝一番で鳴いたのはツクツクホウシ。
この日を境にして、ミンミンゼミのパワーが崩壊していきました。

今日、9月3日では、ぼんやりした記憶ですが1,2回、ミンミンゼミの声がしたような。
アブラゼミの声も1,2回。
東京はやたらと急速に涼しくなってしまって、一挙にセミの季節が終わりを迎えつつあります。

代わりに、夕方からアオマツムシの大声が響くようになってきました。
虫種交代、ですね。

何の卵だったのか?

0827tamagoクルミの葉の上に産み付けられていた卵、3個。8月27日、発見。

いかにも卵らしいですね。
蛾の卵だと思うんですが・・・

翌日、葉ごととりこんで孵化をみてもいいかな、と行ってみたら、なかった。
このあたりで見た、という記憶はたぶん間違いないと思うんですが、見つかりませんでした。
残念。

アゲハの卵などにくらべると結構大きかったんですよ。
直径2mmくらいあったのではないかなぁ。

卵を見ただけでお分かりになる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

アオスジアゲハ幼虫

Aosujiアオスジアゲハの卵が孵化して、幼虫が卵殻を食べているところなどは前にお目にかけました。孵化は8月25日でした。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-efa7.html
上は、その後の様子です。
左から、26日、27日、28日と連続3日間です。
体がだんだん膨らんできた(成長)、ということが目に見えますね。
内部は成長するのですが、表皮は広がりませんので、脱皮しなければならないわけですね。
(ふくらんで、はじけます)
0829aosuji1 8月29日。
はじけちゃいました。
後ろに脱いだ殻。
頭にも、以前の頭部の殻。
0829aosuji2
しばらくして見たら、脱け殻がありません。
食べてしまったのでしょう。
トゲトゲ・デザインも少し変更になったようです。
次の成長に備えて、この時の表皮はゆとりたっぷり、しわしわ。
0830aosuji
30日。
もうふくらんできましたね。
ものすごい成長の速さです。
もう、毎日追うのはやめます。
こういう成長の姿を毎日目の当たりにするって、楽しいですよ。

もう少しすると、堅い葉っぱでもバリバリ音を立てて食べるようになります。
秋の静かな夜に、アオスジアゲハの幼虫が葉を食べる音に耳を傾ける、なんて、風情ありますねぇ。

ずいぶん泳ぎました

昨日、長く乗ってきたマーチの走行記録のグラフをお目にかけました。
ついでといってはなんですが、同じように長く記録してきたグラフがありますので、お目にかけます。
Swimrecord これです。
30代が過ぎ、体の衰えを自覚しつつあった41歳の4月から、近くのスイミングスクールの日曜一般開放というのに行くようになりました。
30代の終わりに、減塩、禁煙、禁酒と体の放漫を絞りこんだのですが、自分の体が重くって。
何か運動でもするか、となったのですが、普通の方なら、軽くウォーキング、ジョギング、というようなところでしょう。
ところが私は走れない。歩くことすらアンバランスな体のせいで腰痛の原因になる。
私にできるスポーツといったら水泳しかないんですね。
で、泳ぎ始めて20年を超えましたね。

グラフで、上下にジグザグしているのが一回ごとの泳いだ距離。縦軸の目盛の数値を[m]単位で読みます。パワーのあった時代は一回に5000m近く泳いだこともあるのですね。
退職したらがくっと落ちました。気力の問題です。もういいやぁ、がんばるの疲れた、ということです。2000~2500mにダウン。最近はもう、2000m泳ぐのもだんだん辛くなってきた。

泳いだ距離を足していったのが右肩上がりの「延べ距離」です。これは、単位は[km]です。
もうすぐ2500kmなんですが、今の調子が維持できたとして、来年かなぁ。
我が人生、3000kmには届かないんじゃないですかね。
80代で泳いでいらっしゃる方もいますが、とてもとても、私には無理だ。

間にある、いったん上がって緩やかに下っているグラフは、総距離/総回数の曲線で、単位は[m]です。

泳ぐことしかできない私のスポーツ記録です。
泳法はクロール。ビートもきかないし、ほとんど腕だけで稼ぎだした距離です。
まあ、なんとなく、日本列島縦断くらいはしたようですね。20年かけて。

こうやって、長く記録をつけていると、それは「衰えの記録」になるんですねぇ。
衰えの記録の最後って、お知らせできそうにないですね。インターネットが「革命」的発展をして、「あの世」からもブログが書けるようになったら、「生きていた間の水泳記録」をお届けできるんですが。

2009年9月 2日 (水)

マダラカマドウマの幼虫

0827kamadouma1風呂場に現れたマダラカマドウマの幼虫。
体長は3mmくらい。

かわいいですよぉ~・
ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、よく跳ねる。
手で捕まえると、必ずと言っていいほど脚が取れてしまいます。幼虫でも成虫でも。
で、浴槽洗いのスポンジに乗せて外へ逃がそうとしたのですが、跳ねて逃げてしまった。マズイなぁ、逃がせなかったなぁ、と思っていたら、いました、浴槽の縁。
さっそく、プラスチックケースをとってきて、何とかその中に追い込んで、写真を撮って屋外へ送り出しました。
0827kamadouma2 不完全変態のバッタ目昆虫ですから、こんな小さくても成虫と同じ姿。それがまた可愛らしい。

成虫になっても翅がない、とか、なんだかんだ言われて「不快昆虫」などとされてしまいますが、どうってことはないじゃないですか。
危険はないし、キタナイとすれば、それは人間の汚れそのものなんだし。

私が、苦闘(?)して、この幼虫を外へ逃がしてやっているのを見て、妻は、かわいいカマドウマちゃんに会えて、今日はラッキーデーだわねぇ、と笑っておりました。そういう夫婦です。

延命地蔵

0901enmeijizou写真右の方に延命地蔵さまの地蔵堂。

もうちょっとなぁ、地蔵堂のそばか、壁にでも、ポスターを貼らせていただいていたら、延命できたかもしれませんねぇ。

チト信心不足でしたか

カルガモ(3)

0901karugamo02これは弁天池の真ん中あたりにある台。

緩やかなスロープが作ってあります。
心遣いが温かいですね。

0901karugamo01 こんな看板が立ててありました。

大きな鯉の口は、想像以上に大きなものです。
池に餌を安易に投げ込むと、ヒナも来ますが、一緒に鯉も来てしまう。
生まれたてのヒナは鯉に飲み込まれてしまうのでしょうね。
鯉の喉にはものすごく硬い歯があります。あれで噛まれたら小さくて柔らかいヒナはひとたまりもありません。
かわいい、かわいい、というだけの気持ちでは、かえって、相手を傷つけることもあるのです。

そんなことや、カラスや、いろいろあるのでしょう。
私たちが見たヒナは7羽。
ぜひみんな丈夫に育ってほしいものです。

カルガモ(2)

0901karugamo1母鳥と4羽のヒナがいる場所とは池の反対側の方です。

撮影できる橋の上からはかなり遠いのでぼんやりした写真しかお目にかけられませんがご容赦を。

母鳥は池の水面から何処へでもひとっ飛びで移れますが、ヒナはそうはいきません。
で、世話をしている人たちが「スロープ」を作ってあげてあります。「階段風」
おかげで、カメさんも登れます。
カメがじっとしているのをヒナが見上げて、どうしようかな。
0901karugamo2
ここには、ヒナは3羽いました。

0901karugamo3
ヒナたちはスロープを上って、丸くなってくつろいでいます。
8月23日に孵化して、もう、母親から離れてみる、というのはすごいですね。
でもきっと、後で母鳥のところへ戻って、羽の下へ潜り込んだりするんでしょうね。

小さなカメも登ってきました。
最初からいるカメさん、あまりにもじっとして動かず、同じ姿勢のままなので、生きたカメなんだろうなぁ、まさか、置物じゃないよなぁ、と疑ってしまいましたが、後で姿勢を変えていましたから、生きてます、置物じゃないです。

さて、これでヒナを7羽確認できました。
新聞記事では10羽生まれたとありました。
3羽は失われたのでしょうか。そうなんでしょうね。カラスが襲ってきにくいようにネットを張ったり周辺の方々が守っているのですが、幼い鳥は、かよわいものです。

この後、何羽が巣立てるのか分かりませんが無事を祈りましょう。

カルガモ(1)

 さて、初めの予定では8月31日に新車の納車予定でした。ところが、台風11号が接近してきて、天気は大荒れ。これでは納車されても、いろいろ聞きたいことも聞けない、ということで、納車を9月1日にしてもらいました。
 9月1日は、台風一過。
(子どもの頃「台風一家」だと誤解していましたっけ。「一過性」などという言葉を知ったのはかなり後のことです。)

新しい車が来て、ひと通り聞くべきことは聞いて、私のコントロール下に入りました。
そうなると、なんとなく、ひとっ走りしたくなりますよねぇ。
そこで、妻と二人でカルガモの赤ちゃんを見に行ってきました。

季節はずれのカルガモ誕生:品川(2009/8/28 朝日新聞)
 品川区小山7丁目の厳島神社で、カルガモが10羽生まれた。夏場の誕生は珍しいといい、近所の人たちを驚かせている。
 今月に入って産卵し、23日夜に孵化したらしい。早速、母ガモと一緒に池を泳いでいる。
 神社には10年以上前からカルガモが来ており、今年も同じ親鳥から4月に7羽が生まれ、6月に3羽が巣立った。
 近所の人たちが世話をしている。

実はここ、近いんですよ。うちから、5kmちょいかな。一方通行が入り組んでいてめんどくさい場所ですけれど。
0901karugamo4
母ガモ、です。
穏やかで、いい顔してますね。
0901karugamo5
お母さんの向こうに、4羽います。
頭を勘定してみてください。

薄暗いのでどうもぶれやすい。で、遠いけれどフラッシュをたいてみました。
0901karugamo6
赤眼になりました。
血液の流れる網膜からの反射光です。

迫力ありますね。こういう場合は、赤眼もわるくないな。

さて、ヒナはもっといそうなものですが。
それは次にしましょう。

人生最後の新車

人生最後の新車を買いました。
人生最後の車、と書くと、それは霊柩車でしょう、といわれそう。

2008.5.26付の朝日俳壇にこんな句がありました。
わが生の最後の新車夏うぐひす:(仙台市)長沼敏夫

650ccのピノです。軽自動車。
前のマーチ(1000cc)は、1997年2月28日の登録でしたから、12年余り乗ったことになりますね。それで58416kmしか走っていませんから、距離は大したことはありません。

免許を取って最初に乗ったのは、中古車のコロナ。それが半年で壊れて
買った新車がサニー1200クーペ。
次がサニー1400クーペ。
ついで、サニー・カリフォルニア(1500)。
そしてマーチ(1000)だったのです。
それぞれ約10年乗りましたから、全部で約40年。
夫婦二人から、一家の家族旅行・・・そしてまた、夫婦二人の車に戻りました。
(一応、免許を取って以来、約40年、無事故無違反なんですよ~。えらいでしょ。)

March1 マーチについては、その全走行記録をつけてあるのです。
左のグラフがそれです。
横軸が時間、縦軸が走行距離です。
買ったときはまだ教諭で、通勤に使っていました。2004年度まで、嘱託員。ここまでは、グラフの傾きがほぼ一定ですね。毎日の走行距離、一週間の走行回数などがほぼ同じだったのです。
2005年度から、グラフの傾きが小さくなりました。完全リタイアしたせいです。
時間―距離グラフですから、その傾きは「速さ」をあらわすので、長い時間スケールでの、走行速度が落ちたということです。

これ以上は深入りしませんが、グラフの一部を拡大すると、結構でこぼこしています。これは、その時々のいろいろな身の回りの出来事に対応しています。

ガソリンを給油した時に、手帳に走行距離や給油量をメモしておいて、こんなグラフにするのも面白いですよ。
March2
このグラフは、面倒くさいので横軸を変更してないのですが、横軸は、買ってからの通日になっています。
縦軸で下の方の「10」のあたりを上下しているのはガソリンを入れるたびに計算した燃費です。縦軸の数値を、単位[km/L]で読みます。
通勤に使っていた時は、約10km/Lくらいでしたが、3000日をすぎた完全リタイア後は給油回数も減り、燃費もカクッと落ちていますね。やはり短距離を走行するのは効率が悪いんです。
上の方の曲線は、[総走行距離/通日日数]で求めた、一日当たりの走行距離です。
軸の数値を[km/day]で読んでください。
「退職」ということが大きな出来事であることが、どのグラフからも読み取れますね。

というわけで、わたくしごと、でした。
これから、10年乗ったら、70を超しますね(生きてりゃ)
免許の返納を考える頃ですね(生きてりゃ)
もう新車に乗ることはありますまい。
少し、感慨深いものがあります。

●この年になると、なにかと「人生最後の」という言葉が頭につくようになる、とは思っていましたが、書いていて、後ろには「生きてりゃ」がつくのだということに思い至りました。
あ~あ。

マエキオエダシャク

0817youtyu1
0817youtyu2 これらの写真は前に分からないままに載せた写真を再掲したものです。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-b61f.html
クワゴに似ている、などと書きましたが、別の幼虫を調べているうちに、あれ、これじゃないか、と見つけてしまいました。
マエキオエダシャクです。

幼虫図鑑です。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/maekioedashaku.html
ここでは

食草:クロガネモチ(黒鉄黐),マサキ(柾),イヌツゲ(犬柘植),コナラ(小楢),ケヤキ(欅)

とあります。

ここにも写真があります。
http://www.jpmoth.org/Geometridae/Ennominae/Plesiomorpha_flaviceps.html
「みんなで作る日本産蛾類図鑑」というサイトなんですが、通常には詳しすぎて手間取りますが、いざというときは頼りになります。
ここでは

【幼虫食餌植物】 モチノキ科:イヌツゲ、ソヨゴ、アオハダ、ミヤマウメモドキ(※KD)、タラヨウ、ナナメノキ=ナナミノキ(※GG-238)、クロガネモチ、ニレ科:ケヤキ

とありました。
私の撮った写真もイヌツゲの葉の上ですから、どうやらこれで決まりだと思います。

今頃はもう蛹にでもなっているでしょうか。一期一会ですね。

2009年9月 1日 (火)

木洩れ日

0827komorebiサザンカの葉です。

ふと見上げると、葉に何かの模様があります。

なんだろう?昆虫がいるという感じではないが、とよく見ると、木洩れ日でした。
上の方の葉のすきまからの光がうまいこと三角形になって、この葉向こう側に当たっているのです。
すき間が小さければ、ピンホールカメラの原理で、すき間の形に関係なく、太陽の丸い像が写ってしまいます。
まったくの偶然でしたが、ちょっとおもしろかったので、お目にかけます。

ヨツボシヒョウタンナガカメムシ

0826yotubosihyoutannagakamemusiヨツボシヒョウタンナガカメムシの幼虫です。

結構すばやく、穂の間を走るんですね。
ですから、気づかれずに接近するのが意外とむずかしい被写体です。
振動に気づくと、隠れます。
穂のせいでピントが合わせにくいから、なかなか思ったような写真になりません。
このくらい写っていれば、まぁ、いいほうですね。

キアシマメヒラタアブ

0826kiasimamehirataabu1フウセンカズラの花に来ていました。
肉眼で見ても、ホバリングの仕方などは、アブです。
でも、初めて見るアブでした。
大きさはフウセンカズラの花と比べていただければわかります、ごくごく小さなアブです。5mmくらいかな。
小さなアブというと、キタヒメヒラタアブも、このあたりで見かけるのですが、全然違います。キタヒメヒラタアブは、腹部が細長くて、黄色と黒の縞模様です。
これは、黒いアブだ、という印象。
0826kiasimamehirataabu2 横から見るとこんな感じ。
頭でっかちで、触覚がかわいいですね。
調べてみると、どうも、キアシマメヒラタアブというのではないかと思います。

たしかに、脚は黄色いですね、小さいから「マメ」。
腹部に、少し赤みがかったような、褐色のような模様があるように思います。この模様は、検索した中ではあまりくっきりしていませんでした。

もし違っていたらご指摘ください。

アオスジアゲハ

0826aosujiageha昼の散歩のいつものコースというのがあるのですが、ここは、戻り道にかかって、ムクゲを観察するところ。ムクゲ自体も見ますし、ムクゲに来る虫たちも多くて、立ち止まっては必ずしばらく眼を凝らします。

自分の視線の高さで、ぼんやり視線を流して、私のパターン認識に引っかかって来るものはないかな、とみていたら、突然、気づいてしまってびっくり。

少し高い位置ではあるのですが、ある意味、眼の前にアオスジアゲハがいました。
ワァ、こんなところにいたのぉ、とパチリ。待っていたかのようにその瞬間に飛び去ってしまいました。う~む、写真撮って、といわんばかりですね。
羽化後、比較的時間が経っていないのかな、損傷のない翅です。
今も、アオスジアゲハの幼虫を飼育中ですから、すごく、身近に感じるんですよ。
大事に育てているからね、と言ってあげたくなります。
また姿を見せに来てね。

つぶらな瞳

0826aodougane1アオドウガネなんですが。
こうやって、脚を葉の縁に引っ掛けて体を固定している姿をよく見かけます。

コフキコガネの「つぶらな瞳」というのは、まぁ、確かにそうかなぁ、とおもいつつ。
0826aodougane2
アオドウガネだって、とアップにしてみました。
なんだか、複眼の様子がはっきり見えないですね。
でもまぁ、じっくり見れば、どの甲虫も、かわいい眼をしています。
草食動物の眼、という感じですね。
カマキリの眼はいかにも肉食動物の眼でしたものね。

不明:アワヨトウかもしれません(9/2)

0825humeiわけのわかんないもの出すなよな、自分が分かっているものだけ出しなさいよ、といわれそうですね。
見ちゃったんだもんっ。
ネコジャラシの穂の中に、体長3~4mmの小さなイモムシ。
なんだろうなぁ。
一齢幼虫でしょう。
やっぱりシャクガの幼虫、という感じもしますが・・・。
3日くらいは、この穂にいましたが、見えなくなりました。
う~ん、わかりません。

9月2日追記:アワヨトウというヨトウガの幼虫の食草がイネ科の植物で、「アキノエノコログサについていた」という大きな幼虫の写真を見つけました。

私の撮った写真は小さいし、ピンボケですので確定できませんが、可能性はあるかなぁ、と思います。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/awayotou.html

ここをご覧ください。

シャクトリムシ

0825syakutorimusi1クルミの葉についていたシャクトリムシ。

なんだろう?

やっぱり、ヨモギエダシャクくらいしか思い浮かばないのですが。
とにかく、お目にかけますので、教えてください。

0825syakutorimusi2 こんな顔。

なんだかなじみの顔のような気もするなぁ。
側単眼もきれいに見えています。

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