アメリカザリガニ
7月20日の六郷用水跡散歩の最後の写真。
ザリガニです。わかるでしょうか。
水面の反射が写り込んでいますが仕方ない。
この六郷用水跡の水路は、人工的に水流が管理されていて、時々止まって、ときどきドーッと流れるのです。
水が流れてきたところ。
ザリガニも流されないように必死のようでした。
ところで
ザリガニの眼も複眼です。
「エビの複眼の個眼は四角い」ということを去年もこのブログでご紹介しました。
下がその記事です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-5956.html
ここでは、ホームページに載せた写真へのリンクなどもしてありますから、関心のある方は見に行ってください。
今回、この話を蒸し返したのは最近の読書のためです。
日本比較生理生化学会
編 動物の多様な生き方 シリーズの①
「見える光、見えない光」
担当編集委員:寺北明久・蟻川謙太郎、共立出版、2009年4月刊
という本の
第1章 光と感覚、1-4複眼という眼、1:複眼の構造、
の中で、連立像型の複眼と重複像型の複眼の解説があります。
連立像型というのは、個眼がつくる像がデジカメの画素のようになって、全部を連ねると対象の形が分かるタイプです。
重複像型というのは、複数の個眼に入射した光が一つの場所に焦点を結びます。光を集める効率は高いのですが、像の分解能は低いようです。
その重複像型複眼の中にもさらに、屈折型と反射型と放物面型という3つのタイプがあります。
その反射型 という重複像眼の説明を引用します。
円錐晶体にレンズ機能はなく、その周囲にグアニン様分子を含む構造が蓄積して反射層をつくることで、光が1つの感桿に集まるようになっている。原理的には、屈折型重複像眼とほとんど同じである。たいていの複眼では個眼面が六角形だが、反射型重複像眼では正方形である。エビ類、ヤドカリ類がこれにあたる。
というわけです。
複数の個眼に入射した光が反射によって一カ所に集められるわけですが、光を導く円錐晶体の側面で反射を繰り返しながら中へ入っていくわけです。
互いに向き合う面で反射していくわけですが、その場合、六角形より正方形の方が効率が高いということになるのかもしれません。
正確ではありませんが、光の進路のイメージです。反射の回数が増えると暗くなってしまいます。なるべく少ない回数の反射で光を感じる細胞に到達できることが望ましいのです。それが、正方形ということなのではないでしょうか。また、正方形の場合、隣の面との角度が90度ですから、隣の面との間で反射が起こっても、光が広がってしまうということがほとんどないだろうということも想像されます。それは効率がよいということでもあります。
書籍の中では、正方形であることの有利さの説明などはなかったのですが、ただ、もう50年も抱え込んできた疑問に、一つの答えが見つかって嬉しくて仕方ありません。
エビ類の複眼は反射型重複像眼であって、このタイプの複眼の個眼は正方形である、ということが分かりました。
いやぁ、嬉しい。そうなんだぁ、
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