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2009年8月20日 (木)

0815ookamakiriオオカマキリの一匹が成虫になりました。8月15日です。
飼育ケースの反射が写り込んでいますがご容赦を。


◆かつて、カマキリの継代飼育をしていた頃、交尾も管理していました。
大型の水槽に足場として木の枝を入れ、蓋は木の板。
オスを先に入れて落ち着かせておきます。そこへ、メスを入れます。
メスは移動させられたので興奮気味で、状況の把握にしばらく時間がかかります。
その間に、オスは、入ってきたのが餌ではなくメスであることを認知します。すると、自分の動きを抑えて、メスがどこにどう落ち着くかをじっと観察しています。
メスが落ち着くと、オスはできればメスの背後から近寄って、メスの背中に飛び乗り、交尾行動に入ります。メスの「肩」をオスがうまくカマで軽く抑え込めれば交尾は安定します。

さて、状況によってメスの背後から近付けない場合もあります。
オスがメスの真正面から近付いて行くという状況を1,2回見たことがあります。
メスの目の前にオスがまっすぐな形で接近します。そして、翅の下で腹部を3,4回左右に振ります。その直後、正面からオスはメスに飛び乗って交尾態勢に入ります。メスはオスを攻撃しません。

観察される事実は以上のようなものです。
これはどういうことなのか?

当時の解釈は、オスが腹を左右に振るという行動が、カマキリ同士のサインになっていて、その行動によってメスの捕獲行動が抑制され、その間にオスがメスに飛び乗って交尾に入る、というものでした。

今年、「動物の生き残り術」という本を読んで、別の可能性を考えています。

カマキリは実際のサイズに関係なく、ある一定の見かけの大きさの物体に捕獲行動を示す。しかし、捕獲行動はカマの届く範囲に物体があるときに限られる。つまり、距離を限定することでサイズも限定される。これにより、実際にはカマで挟めないような大きい物体を捕獲しようとする事態は避けられる。

カマキリも両眼視差を手がかりに距離を測ることが明らかになっている。

カマキリにとって、カマの届く範囲というのは、25mm~30mmというところでしょう。

さて、今年、考えていることはこうです。
カマキリのオスが体を縦の状態にしてメスに接近し、腹部を左右に振った場合、オスの動く腹部を、メスは認識するけれども、カマキリの体長からして、自分のカマの届く範囲にはいないと判断するのではないでしょうか。ですから、メスは、動かされたオスの腹部に対して捕獲行動を起こさない。その間に、オスはメスに正面から飛び乗ってしまうことが可能になるのではないか?
こういうことです。

観察例が少ないので、確かなことは全く言えません。そんな可能性もありうるのかな、という素人考えです。

もし、カマキリの交尾行動を観察するチャンスがありましたら、観察例を増やして、この推測が正しいかどうか検証して下さい。

◆もうひとつ、カマキリに関する誤解をといておきたいのです。
カマキリのメスが交尾中にオスを食べてしまう、という誤解です。

管理下での観察ですから自然でも同じかどうか、必ずしも強くは言えませんが、そう大差はないと考えています。

カマキリの交尾が終了すると、オスはメスの背中からパッと飛びおります。
大型とはいえ限られた空間である水槽の中で交尾をさせていた場合は、ただちに蓋をあけて水槽の底に降りたオスをつまんで本来の彼のケースへ戻してやります。

ですから、いつ交尾が終わるのか、何時間もかかることもあり、1時間くらいで終わることもあり、気の抜けない状態を保ちますので、かなり大変なことです。

自然界では、「底」がないので、飛び降りたオスはそのままでメスから1mやそこらは一挙に遠ざかれますので食べられてしまうことはありません。
私たちの飼育下で交尾中にメスに食べられたオスは6年間で1匹もいませんでした。

自然界で何かの拍子に、交尾中のメスの捕獲行動が引き起こされるとか、季節がもう10月とかに入っていてオスの行動力がもう落ちているとか、そういう条件がない限り、そうそうオスがメスに食べられてしまうわけではありません。オスだって複数回、交尾をしたいのだし、そう食べられてはいられないのです。

誤解が広く広まっていますので、ぜひ解いておきたいと思います。

・もうひとつの誤解(伝説)として、産み付けられたカマキリの卵の高さがその年の冬の積雪を予測している、というものがありますね。

これははっきりいってウソです。自然の神秘とか、虫の超能力とかいう話が好きな人たちが広めたのでしょうが、それは無理。
相関関係はありません。

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