ジョロウグモ
このジョロウグモの巣の枠糸がそばのポールから張られていました。
その付け根をご覧ください。
10か所以上、20か所近いでしょうか、糸の足場というかアンカーというか付着点があって、そこから引かれた糸が一本にまとめられています。
さらにその付着点の部分をよく見ると
もっと細かく分かれているようですね。
これだけの本数をまとめて一本の糸のように枠糸をつくっていたのですね。
弱いバネを並べて使うと、強いバネとしてつかえます。
クモの糸も複数をより合わせることで、非常に強くなるのでしょう。
こんな状況を見たのは初めてでした。
http://homepage3.nifty.com/~hispider/spiderwebbook/shinkaia/orbweaverbehaviour.htm
ここに、新海 明さんの「円網の張り方」という詳しい話があります。そこから少し引用しますと
こしき部に戻って来たクモはここで最後に完成の署名をします。例外はありますが、多くの場合にこしき部の糸をかみ切り、ここに穴をあけるのです(図27)。
この行為によって、張ったばかりの円網のタテ糸とヨコ糸が織り成す微妙にずれた張力を補正しているようです。かみ切った穴はそのままにされることもあり、また荒く糸を不規則に張りなおすこともあります(図28)。
そして、あるものでは更にその後でジグザグの隠れ帯が取り付けられる場合もあります。
やがて、クモは中央に陣取り、頭を下方に向けると、糸をつかんでいる8本の足すべてを使ってギュッと引き締めます。そして、ゆっくりとその糸を緩めると、あとは獲物がこの罠にかかるのをじっと待ち続けるのです。
巣の完成時には全体としてのひずみが糸の中にたくわえられているのですね。それを、最後にこしき部を開いて、張力のアンバランスを解消する、なんとすごい技でしょう!
感動してしまいました。
余分な話:化学科出身ですから、ちょこっとしたガラス器具は自分で細工することを仕込まれました。いろいろガラスを伸ばしたり引っ張ったり、くっつけたりして道具をつくります。そうすると、形は一応できるのですが、そのままだと、ガラスの内部に歪がたまっていて、非常に壊れやすいのです。
どうやって、歪みをとるのか?
黄色く光る不完全燃焼の温度の低い炎をつくり、その炎で、つくったガラスの細工物をあぶって、「やきなます」のですね。そうすると、内部のひずみが解消されて、丈夫な細工物になります。
そんなことを、ふと、思い出しました。
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