アオスジアゲハの卵
クスノキの葉の上にまん丸い卵が一個。
アオスジアゲハの卵です。
クスノキを見ながら、この木は害虫がつきにくい木だ、などと、ふと思って。
いやいや、クスノキを育てている人にはアオスジアゲハが害虫になるんだな、と苦笑いしたりして。
我が家ではアオスジアゲハを育てたいからクスノキを植えたのでした。順序が逆なんですよね。
それにしても、このクスノキの葉には「樟脳」成分が含まれているわけですから、防虫剤入りの食事をするというのは不思議です。代謝能力を獲得して、それまで他の昆虫が食草として利用できなかった「生態的な空き空間」に入りこんだのがアオスジアゲハだ、ということなのでしょうね。
ジャコウアゲハなんかは、毒草のウマノスズクサを食べて、その毒を体内に蓄積し、成虫になっても毒を保持して、身を守る、という戦略を使っています。ウマノスズクサという「生態的な空き地」に入りこんだのですね。
すごいことです。
さて、もうすぐ8月も終わります。妻は学校関係の仕事をしているので、夏休み中は手のかかるカマキリの飼育をしてきましたが、もうそちらはやめにして、カマキリさんたちは庭の周辺で生きてもらうとして、これからしばらくは、そう手間のかからないチョウの飼育に戻ろうかと思います。
で、上の卵、さっそく枝ごと切って取り込み、小さなガラス瓶にさして、観察開始です。
◆ひとこと(しったかぶり):柑橘類につくアゲハの仲間には、寄生ハチがつきます。ハチの親が幼虫に産卵するんですね。ですから、外で発見した幼虫は、齢を重ねたものほど寄生されている可能性が大きくなります。
一方、アオスジアゲハの場合は、寄生者はハエです。クスノキの葉にハエの成虫が産卵し、アオスジアゲハの幼虫が葉と一緒に食べて飲みこまれることによって寄生が成立します。ハエの方も低い確率にかけた生き方ですね。
アオスジアゲハを卵で屋内に取り込んだ場合、寄生されていることはまずありません。
与える葉を拭ってやるといいそうですが、そこまではなかなかできませんね。
卵の孵化率も100%というわけではありませんから、必ず孵化します、とは言えませんが、クスノキで卵を見かけたら、飼育にチャレンジしてみませんか。楽しいですよ。
半透明の緑色の幼虫は、宝石のようです。
ぜひどうぞ。
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