ヤモリ
おそらく卵から孵化して、そう時間の経っていない仔ヤモリです。
我が家では、親愛の情をこめて「ヤモちゃん」と呼びます。
頭でっかちでね、いかにも赤ん坊ですね。
興奮させないように、そっとケースに入ってもらって撮影会。
透明なプラスチックケースですので、こういう写真が撮れます。
足の裏。
これがすぐれものでしてね、昔は「吸盤」といっていましたが、最近の研究ではそうではないことが分かっています。
ほそい、ほそい毛が密生していまして、その毛の先端部の分子と、壁の表面の分子とのあいだの「分子間力」が、このヤモリの足の吸着力の源なのです。マクロには電気的に中性な原子も、ミクロには原子内での電子の偏りが瞬間瞬間に生じています。この電気的な偏り同士の引き合いが「分子間力」、とりわけファンデルワールス力といいます。弱い力なのですが、電気的に中性でも働くので非常に重要な力です。
http://livacomi.jp/item_1570.html
ここから引用します。
■ヤモリの足の裏
(前略)
ヤモリの足の裏には、小さなトゲのような毛がびっしりと生えています。
じゃあ、この毛で「ひっかけて」くっついているんだ!と思ったかもしれません。
しかし、「ひっかけて」いるわけではありません。
この毛は、さらにその先が数百にも枝分かれしていて、太さ0.2 µmのへら状になっています。
0.2 µm、といわれてもピンときませんよね。
人間の髪の毛の太さがおよそ100 µm。
つまり、このへらはその500分の1というとても細いへらなのです。
このへらと壁との間に、「ミクロな世界の力」=「ファンデルワールス力」と呼ばれる力が働いていることが分かったのです。
(後略)
写真でその毛の先端などもちろん見えませんが、この特徴的な足の裏にはそんな秘密があるんですね。ガラス窓にくっついて、平気で虫を追って走っていますでしょ。あれが、ファンデルワールス力の「現れ」なんですよ~。
しっぽがくるん。
かわいいですねぇ。
ヘビの場合とは少し違うんですが、でも、この写真を見れば、どこまでが「腹」で、どこからが「尾」かわかりますね。
この白亜紀の恐竜を思わせるような顔を見てあげてください。
瞳が縦長なんですね。
興奮させてしまうと、この小さな口を「クワッ」と開けて威嚇します。
時々、チロっと舌を出すので、その瞬間の写真が撮りたいな、と何回かシャッターを切ったのですがダメでしたので、逃がしてやりました。
何処へ?ですか
内緒。
です。
かわいさのあまり、誘拐されたりしたら大変だ。
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ヤモリはかわいいですね。
でも、分子間力でくっつているのでしょうか?
分子間力はきわめて弱い力です。引力のように累積もしません。
分子間力はヤモリの脚だけに発生していますか?面積や長さで累乗しますか?
なによりも生物がコントロールできる力ですか?
投稿: 箕輪伝蔵 | 2009年10月 3日 (土) 22時35分
この話の原典はおそらく下の論文です。
Kellar Autumnらの論文で
Nature, 'Adhesive force of a single gecko foot-hair' 8 June 2000, pp.681-4
です。
この論文をもとにした一般的な書籍があります。
ピーター・フォーブズ著「ヤモリの指」、吉田三知世 訳、早川書房、2007年3月初版発行
です。この本の第4章「天井の歩き方」に詳しい話が分かりやすく載っております。図書館などでお読みいただければ幸いです。
投稿: かかし | 2009年10月 5日 (月) 15時25分
この説が流布しているのは知っていますが、分子間力の性質上、その説を鵜呑みにしていいのでしょうか?っていうことです。
投稿: 箕輪伝蔵 | 2009年12月 7日 (月) 20時33分
ようやく「ヤモリの指」を読みました。以下にその記事があります。お暇ならお読みください。失礼な表現があるかもしれませんが、御寛容のほどを。
http://mn-nishi.at.webry.info/201006/article_87.html
投稿: 箕輪伝蔵 | 2010年6月18日 (金) 21時18分