廃棄物
2009.6.29日付 朝日歌壇より
木々の間に鈍く光れる廃棄物富士のふところ深きを行けば:(坂戸市)山崎波浪
馬場あき子 評:富士山の汚れは国の恥の一つだろう。
「国の恥」なんてのは、はっきり言ってどうでもいいんです。
大事なのは、その国を構成する人々の心のあり方なんです。
駐車場に行くと、吸い殻入れの中身を、駐車場に平気で捨てていく人がいます。
きっと、この人の家の中はものすごくきれいなんだろうな、と思います。塵一つないくらいに。
自分のテリトリーの中さえよければ、外なんかどうでもいい、という人なんですよ、きっと。
自分の家の中なんて、いくら汚れたって、自分が我慢して自分が責任とればいいんだけど、外を汚くするのはいやだ、という人が減ってしまったのです。
わざわざ車に大きな廃棄物を積んで富士山までやってきて捨てていく人がいるわけです。
心が荒れ果てているんですね。繰り返しますが、そういう人の家の中って、とってもきれいなんですよ。
こころがすさむ。
こんなにかなしいことはありません。
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