いかづち
2009.6.29付 朝日俳壇より
いかづちの力は抜けて去りにけり:(伊賀市)福沢義男
雷がやってくるときって、ずいぶん遠くのときからゴロゴロ、ゴロゴロ音が聞こえてきて、近くに来ると、空気がビリビリ震えてものすごい力感ですね。ゴロゴロがバシッ、パリッというような音になって、最盛期。
過ぎていく時は意外とあっけなく、す~っと遠ざかっていきます。
「力は抜けて」というのは、雷の音や稲妻の「力」でもありましょうし、息をひそめていた人間の側の張り詰めていた緊張感がほどけていく「力は抜けて」でもありましょう。
なんだか、ほっとしますね。あの感じが句から漂ってきます。
◆また、理科おじさん。
音速を1秒に300mと大雑把に把握しておきます。(暗算のためですから大雑把でいです。)
ぴかっと光ったら、カウントを始めます。急がず、いち、にぃ、さん、し・・・と、大雑把に秒をカウントします。ゴロゴロっときたらカウントをやめ、300と掛け算します。
すると、雷までの距離がメートル単位で概算できます。
正確な数値はいらないんでして、要するに、近づいてくるのか、脇を抜けていくのか、どの程度に近づいてきたのか、などがわかるということなのです。
お試しください。
ピカッとバリッが同時に来たらごく近く。警戒してください。パソコンはOFFにするだけではなく、コードを抜いちゃった方が安全ですよ。
ピカッという光が見えているうちは生きている証拠ですから、夜空の美しい稲妻を存分にお楽しみください。直撃うけたら、ピカッも認識できずにあの世へおさらばでしょうから、心配なく。
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