蒼朮
2009.6.29付 朝日俳壇より
蒼朮(そうじゅつ)を焚き迎へたる調律師:(昭島市)しもだたかし
「蒼朮」って知りませんでした。何やら香りを焚き込めるようなものであるらしい、きっと爽やかなんだろうな。
普段開けもしないピアノを開けて調律してもらうのだから、埃臭いような状態にはしておきたくないな、という心配りなんだな。
とそこまでは、分かりましたが、「蒼朮」は分かりませんでした。
そう‐じゅつ【蒼朮】キク科植物のオケラの漢名。また、オケラ類の根茎を乾燥した生薬。芳香と微苦味を有する。南蒼朮と北蒼朮とがある。健胃・利尿・解熱剤。また屠蘇の一成分。[広辞苑第五版]
オケラというと昆虫しか知りませんでした。
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/compositae/okera/okera.htm
このサイトによりますと
オケラ Atractylodes japonica (キク科 オケラ属)
オケラは本州から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。刈り取り草原、山道の路傍、明るいアカマツ林などに生育するが、アカマツ林中では遷移の進行にしたがって少なくなった。草丈は1m近くになるというが、それほどのものには出会ったことがない。50cm前後であることが多いと思う。茎葉細くて堅く、やや木本的である。葉は単葉から複葉の変異があり、やや堅く、鋸歯は鋭い。花は9月から10月に咲き、魚の骨のような苞が特徴的である。地下には短い地下茎があり、地下茎は屠蘇に入れられるなど、民間薬として使用される。健胃・整腸・めまい・動悸・息切れ・頭痛などに効果があるという。
だそうです。
さらに
http://www.pharm.or.jp/herb/lfx-index-YM-200310.htm
このサイトによりますと
・・・
和名は古名のウケラが転訛したもの。・・・民間では芳香性健胃薬として用いられ・・・
・・・オケラの新芽は,アクがなく,特有の香りをもつ美味しい山菜の一つ・・・
オケラは古くから邪気を払うと信じられているようです。京都祇園の八坂神社では,大晦日の祭事でオケラの根茎が焚かれます。参拝者は,この火を藁縄に移し,火が消えないようにくるくる回しながら家路を急ぎます。そして,これを種火として新年を祝うお雑煮を作り,厄除けと無病息災を願って食べるのです。京都では,この風習が市民の間で現在も受け継がれ,新年の風物詩になっていまいす。
・・・
藁縄に移した火をくるくる回しながら持ち帰る、という習俗はよくテレビで見ますが、あれがオケラの火だったんですかぁ。全く知りませんでした。
いやあ、勉強してしまいました、ありがとうございました。
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
コメント