黒南風
2009.7.20付 朝日歌壇より
黒南風に不機嫌な海見つめおりわれに漁師の血が三分ある:(鳥取県)表いさお
いわでもがなのこと。黒南風=くろはえ です。
「季語と歳時記」というサイトによりますと
黒南風[仲夏]
暗くどんよりとした梅雨の長雨が続く時期に吹く湿った南風のこと。雨が続いて憂鬱な心持ちと、このころの空や雲の色を重ねて「黒」とされた。他に、梅雨中頃の激しい南風を「荒南風」、梅雨明けの明るい空に吹く南風を「白南風」という。
ということで、海も心も暗く、不安を秘めた海なのでしょう。海の色というものは、実は空の色の反映です。そして、心も空の色を写すのでしょう。
俳句の季語を、季節に縛られることなく、短歌の中に埋め込んだらまたひとつ、面白いことになるのかもしれませんね。
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
コメント