ときめき
2009.7.20付 朝日歌壇より
入院の長き夫を通ひ看てときめきにも似る通ふといふは:(浜田市)隅井泰代
高野公彦 評:病院通いの看護はつらいはずだが、恋人のところへ通うような気持ちだと歌う。プラス思考の爽やかさ。
私は「プラス思考」という言葉を、あんまり好んでおりません。そういう方を見ると偉いなぁとは思うんですが、どこかに無理がきそうで、傍から見ていて、かえってつらい。
ごく自然に、事態を正面から受容することができれば、それがよい。
毎日、面会時間に合わせて通い、話をし、身の回りの世話を焼く。まるでこれは「通い婚」だわねぇ、と、自分を省察して、ふとため息とともに心の隅に微笑を灯す。
美しい。
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