病院食
2009.7.13付 朝日歌壇より
病院食はうす味うす味ノンオイル肉と野菜は一対五なり:(神戸市)田中きくこ
高野公彦 評:病院食のつらさがよく分かる。作者は長くリハビリ生活を送っている人。
きっと、私が病院食を食べる羽目になったら、今の食事より味は濃い、脂っこい、と感じるのではないかな。
30代の終わりから40代の初め。血圧が高めだったので、減塩食にしてしまって、基本的に私の食事に「味付け」はないんです。今は正常な血圧ですけれど、めんどくさい、薄味のまま。積極的に味、噌醤油、塩などを使わないんです。素材から出る味だけ。
膵臓の炎症というのをやってしまって。豚・牛の肉はもう何年も食べてません。脂がいけないんです。魚油なら大丈夫。ですから、鳥のささみ、魚くらいしか蛋白源はなし。天ぷらフライもやめちゃった。カレーも好きだったんですが、ルーの脂がこたえるのでや~めた。
なれてくると、素材の味っていいものですよ。つらくもなんともありません。じつにうまい。
野菜と、魚のアラをただひたすら水煮して、鍋風に食べる。最高のスープが楽しめます。
おそらく、病院食より、うす味、脂なしで細々と生きております。
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