分身の術
2009.6.29付 朝日歌壇より
夕方は分身の術使いたい二人で泣いて抱っこをせがむ:(高槻市)有田里絵
2009/03/09
3月9日付の朝日歌壇で有田さんが
退院を出迎えくれし梅の花生まれたての子のくちびるに似て
と詠んでおられます。
もう4か月くらいでしょうか。ただ寝て、ただおっぱい飲んで、の時期はもう過ぎて、一人前に要求を突きつけてくるのですね。
「だっこ~」と。
さすがに、夕食の支度をしているときなどは、忙しくて大変。
私の腰のくびれは子を抱いて片手で卵を割るためにある:(広島市)志喜屋 美穂
永田和宏 評:子育て真最中の母親ならではの、発見。
という歌が2008年1月7日付で載りましたが、子が二人になると、こうもいかないしなぁ。
もうすぐ、お母さんの忙しさを理解して配慮してくれるようになりますよ、ナマイキにもね。
お楽しみに。
◆別件:昔、御近所で双子の子育てに励む御夫婦がおられました。お父さんがよく二人を連れて散歩に出ていらっしゃいました。
当時、我が家の初代猫トンタンは、長いリードをつけて庭をかなり自由に歩いていたりしました。
双子ちゃんが家の前に来ていたな、と思って後から行ってみると、路面に猫の絵が二つ。
必ず二つ。
お父さんが、ロウセキか何かで路面に絵を描いてくれるのですね。
一人が「にゃあにゃあ」といって絵を描いてとせがむのです。
すると必ず、双子ちゃんのもう一人も、自分にも描いてほしいとせがむわけです。
で、結果として、モデル猫のトンタンは一匹なのに、絵は必ず二枚なのでした。
トンタンが分身の術を使っていた時代のことです。
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