ハラビロカマキリ
崩彦俳歌倉の「虹」の話で、両眼視差による立体視の話を少し書きました。
実は今、動物の行動についての本を読んでいる最中なのですが、そこにカマキリの話がありました。
なんと、カマキリは両眼視差を使ってエサまでの距離を測定できるのだそうです。しかも、眼前の3次元的な空間に対して両眼視差が使えるのだそうです。まっすぐ前だけというのではないのだそうです。すぐれてますねぇ。
さらに、カマキリを飼育していると気づくことなんですが、動いていたエサが停止すると、体を左右に振って獲物までの距離を測るように見えるのですが、実際にそうなんですって。運動視差によって遠近を確かめているのだそうです。顔を動かすと、遠くのものは動きが少なく、近くのものは大きく動きますね。それを利用して遠近感をつかんでいるのですって。
すごいなあ。カマキリファンとしては、感動しました。
カマキリの体を左右に振る仕草、迫力あるんですよぉ。しびれます。
◆昔話:教師になりたての頃。中学校で理科の第一分野も第二分野も教えていました。
両眼視差による立体視の話も授業で出てきました。
その分野の実力テストがあって、「両眼がないと立体感はつかめない」というのが正解にされている問題がありました。
私、おこりました。
「立体感を把握する」ということの一部として「両眼視差による立体視」もあります。でもそれだけではないはずです。顔を振ると運動視差が生じます。隠し隠される関係でも前後関係が分かります。景色では遠くはかすみます。いろいろと立体感覚をつかむ方法があるので、「両眼がなくても立体感は把握できるのです」。
その学年の担任の先生でスポーツ中に球が目に当たって片目の視力を失った先生がいました。生徒に好かれる先生でした。その先生の話をして、あの先生は片目だから立体感がつかめないと思うか?そんなことは全然ないんだよ、と。かなりすごい剣幕だったろうと思います。生徒はびっくりしたでしょう。業者テストに真っ向から逆らう先生なんて初めてだったかもしれません。なんだか若さに任せた、すごい教育をしてしまったな、と思いだします。パワーだけはものすごかった、と「自負」できます。パワーだけは。
その先生によりますと、両眼視差がないから、タバコに火をつけるのがちょっと厄介だといっていました。少し顔やライターを振って前後の感覚を得るのだそうです。ビールを相手に次ぐ時にコップとビール瓶の遠近感がつかみにくいとも言っていました。そういうときは、ビール瓶の先端を細かく動かして、相手のコップの縁にカツンとぶつけて、それから注げばこぼすことはないそうです。
車の運転にも差し障りはないそうです。
概念の包含関係のわからない貧弱な頭の持ち主がつくったテスト問題に対して、若い理科教師は怒り狂ったのでした。
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