老い急ぎ
2009.7.6付 朝日歌壇より
我らより障害の子は老い急ぎ老老介護の日々は迫りぬ:(岐阜県)野原武
馬場あき子 評:障害のある子の早い老化に、親の老齢が加わる悲しみ。
障害を持つお子さんのご両親。つらいな。
私は、ポリオ後遺症による脚一本の障害者ですが、母は、やはり私が自立して生きていけるようになることを心の底から願っていました。
大学を出て、就職し、結婚し、子育てに入り・・・安心させることができたと思っています。
一方、私の叔母もポリオ後遺症があって、私より軽度でしたが、ある時「障害者の衰えは早いよ」と語ってくれました。
まさしくその通りなんです。
結構頑健な体だったんですよ。でも、51歳で教職を辞しました。フルタイムの勤務に体がついて行かなくなったからです。疲れてしまった。もし、4時間勤務で給料半分、どなたか、育児中の方とでも組んで「一人前」にしてくれるようなシステムがあれば、まだ続けられたかもしれませんが、今の日本じゃ無理ですね。
急速に衰えていく私自身を理科系人間として観察し続けています。それはそれなりに興味深いけれど・・・。
パラリンピックなんか、あまり見たくないんだな。無理しちゃだめですよ、健常者に比べて、障害者は無理が利かない、衰えが早い。
使えない部分をかばうのが一番いけないですね。必ずガタがきます。
体の対称性がわるいと、骨や筋肉にアンバランスな負担をかけて、激しい痛みや衰えを起こす。
社会的なシステムとして、老いや衰えを支えて、まっとうな死へ穏やかに向かうことができるようになったらいいんですけどね。
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