かぐやは地球側にあり
2009.7.6付 朝日歌壇より
落下せしかぐやは地球側にあり今宵の満月オレンジの色:(南陽市)鈴木登紀
これも「かぐや」。前の記事で書いたように、月はほぼ同じ面を地球に向けていますから、これからもずっと地球の側に「共に」います。
「かぐや」の落下は、地球を回る人工衛星の落下とは事情が異なります。
地球を回る人工衛星は薄いとはいえ空気との摩擦によってエネルギーを失って軌道がだんだん低くなり、最後は落ちてしまいます。
月には空気がないのですから、そういう落ち方はしません。月の重心が月の球としての中心と一致しないために、軌道がだんだんずれてきたようです。
で最後は、「コントロールされた落下」を行いました。月面着陸への遠い予行練習のようなものだったようです。管制室の方々が、落下の瞬間に、手を叩いて喜んでおられました。完全なコントロールのもとに落下を実行できたからです。
なにはともあれ、かぐやはこれからも地球からみえる面にあるわけで、月を見たら、青のことを思い出してください。なんとなく、月が身近なものに思えてくるでしょう。
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