モンシロチョウ(3)
ちょっとうっかりしていました。
夕方、気づいたら羽化していました。うれしかったぁ。
きれいでしょう!
ため息が出るほど。パーフェクト。
また言っちゃいますが、冷蔵に耐えて、成虫になりました。
よかったねぇ。
十分に体が乾いていて、もう外へ出たいという表情でしたので、妻と二人で、玄関からケースを持って出て、ふたを開けたら、さっそくに飛び立っていきました。
本当に、ほっとしました。よかった、よかった。
これが脱ぎ捨てていったぬけがらです。
美しいものです。天女の羽衣、といった風情ですね。
頭側から見るとこういう風になっています。
蛹の殻が割れて、出ていったあとです。
ケースの蓋の天井内側に、足場の糸とぬけがらがあります。
その真下に、液体がたまっていますね。薄い茶色っぽい色が付いています。
これは蛹便(ようべん)といいます。
羽化直後、翅はまだ縮まっています。そこへ胸部から体液を圧送して、翅脈に送り込みます。羽化したての成虫は翅を下に垂らしていて、そこへ体液を送り込むことで翅を開いていくわけです。(翅を上にしていて、それを上へ開いていくだけの力はありません。下か斜め下へ開いていきます。)
翅脈が液体を通すパイプとして機能するのは羽化後のこの時だけです。翅が展開し終われば、中空のパイプとして翅の強度を保つ構造材になります。中空のパイプという構造は同じ直径の棒よりも軽くて強度が高いのです。これが、蝶の飛翔を支える重要な仕組みです。
さて、翅の展開が終わった後は、体液を圧送するのに使った筋肉はもう一生使いませんので、アポトーシスという細胞の予定された自発的な死によって、細胞材料を体に回収します。
そして、余分な体液を、蛹便として排出するのです。
写真の位置関係からして蛹の殻を割って出た成虫は、その殻につかまって翅を展開し体を乾かしたのですね。そうして蛹便を排出した。ですから、殻の真下に蛹便が落ちているのです。
もし、蝶の蛹の羽化を見たり経験できたら、ここまで見てあげてください。
モンシロチョウの蛹便はごく薄い色でした。
アオスジアゲハの蛹便は薄い緑色です。
ルリタテハやツマグロヒョウモンなどのタテハチョウの仲間の蛹便は「真っ赤」です。
血を流していったのではないか、と不安になるような色をしています。
いろいろな蝶のいろいろな蛹便、など観察するのも面白いですよ。
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