スズメバチ
2009.6.8付 朝日歌壇より
狭庭辺に香にたちて咲くみかんの花ミツバチ追うてスズメバチくる:(松戸市)猪野富子
我が家ではアシナガバチはいろんな種類のが来ますが、スズメバチはこないので、こういう緊張する場面はありません。アシナガバチの場合は、何かの幼虫をつかまえて肉団子にしてしまうようです。後は、水を飲みに来る、花の中をのぞいている、そんなシーンかな。
ところで、ニホンミツバチの巣をオオスズメバチが襲った時、ニホンミツバチは防衛手段を持っています。
オオスズメバチの偵察バチが標的の巣を見つけると、「ここはえさ場だ」とえさ場をマークするフェロモンをそばに塗り付けます。そのフェロモンを嗅いだニホンミツバチは巣の中に引きこもります。その状態で、巣の中にオオスズメバチが侵入すると、ニホンミツバチはただちに警報フェロモンを分泌して、集合し、オオスズメバチを多数で囲んで「蜂球」をつくります。そうして、翅の筋肉を激しく震わせると発熱し、蜂球の中心部は48℃にもなって、ミツバチ側は50℃くらいまでは耐えられるけれど、オオスズメバチは46℃くらいが限度なので耐えられずに熱死するのです。
セイヨウミツバチは、オオスズメバチの餌場マークフェロモンを感知することができないので、対抗できません。敵と一緒に進化してきたニホンミツバチが獲得した戦術です。
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