母の日
2009.6.1付 朝日歌壇・俳壇より
去年より贈られるだけの日となりてつまんないなあ母の日なのに:(大東市)元野陽子
{永田和宏、高野公彦 選}
一人暮し見捨てられたと思う日にカーネーションの花束届く:(西宮市)谷向淑
力在りカーネーションに守られて:(川崎市)平山祥子
母の日や一男一女一家成す:(高松市)岩瀬良子
母の役終へてひとりの母の日なり:(町田市)青木千禾子
嫁といふ娘の出来て届く薔薇:(江南市)東野佐恵子
人生の色々な局面が語られています。
最初の歌の、「つまんないなあ」という軽い語り口の中に、自身のお母さまを亡くされた喪失感を込めておられるのが、心をうちます。
かつて、私の母は、「嫁」という言葉を厳しく拒絶していました。「娘」がふえてうれしいわ、といつも言っておりました。「お嫁さん」という言葉は使うことはありましたが、「嫁」という言葉を聞いたことはありません。
我が家では、せいぜい誕生日くらいですね、何かメールやら言葉が飛び交うのは。
母の日も父の日も、バレンタインもホワイトも、およそ、関係なく暮らしております。
気楽でよい、と満足しています。
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