じゃあまたね
2009.6.1付 朝日歌壇より
じゃあまたねの後でだんだん濃くなって言葉の影の吾に寄り添う:(名古屋市)田辺美佐江
言葉というものは不思議なもので、発した、聞いた、その瞬間になんでもなかったものが、時間とともに、存在感を増していくということがあるものです。
さらっと互いに発した「じゃあまたね」が、自立的に存在しはじめ、重くなっていく。気になって仕方がない。
どうなんでしょう、推測しすぎかな、ひょっとして「またね」のない後の時間なのかな。
軽く言っただけに、後から重くなってしまって、もっと他に言い様はなかったのか、もっと言葉を尽くすことはできなかったのか、引きずってしまいました。
言霊って、意外とそういうところから実感するものなのかもしれません。
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