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2009年6月10日 (水)

金魚の子

2009.6.8付 朝日歌壇より
金魚の子威厳を持ちて産まれ出るまつ毛のようにピッと反りたり:(青森県)向山敦子

 

馬場あき子 評:小さな金魚の赤ちゃんの誕生が、少女のまつ毛の比喩に可憐に反映している。

私は「飼育者」なんですね。まったく随分いろいろな動物を飼育してきました。生物を教えた頃、雑談していて、「あそれ、飼ったことある。これこれ~~~こうでね~~~」ということがいっぱいあって、生物専門の先生からも、呆れられたくらいなんです。

もちろん、ワキン、リュウキン、オランダシシガシラ、ランチュウ、デメキンなども飼いました。メダカ、フナ、グッピー、タナゴ、エンゼルフィッシュ、ネオンテトラ・・・なども。

孵化したての稚魚に、ゆでたまごの黄身を目の細かい篩で裏漉ししてあげたり、イトミミズをとりに側溝をさらったり、ミジンコを発生させたり、アカムシとったり・・・。

昆虫も魚も、すべて威厳があります。生きることの尊厳を体現しています。(ぐたぐたするのはヒトの成体くらいでしょう。欲をかきますからね。)

それを、「まつ毛」といったところにこの歌の眼目があります。
それが「少女」のまつ毛かどうかは分かりませんが、生きることの尊厳と少女の清廉は比肩するとは思います。

稚魚は、すいすい泳ぎませんね。ピッ ピッ と泳ぎます。そこまでたとえに表現できたことがこの歌の楽しさですね。

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