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2009年6月18日 (木)

ユキノシタ

0531yukinosita1ユキノシタを1本、摘んできました。
下から上へ、順番に咲き上がっていった様子が分かります。
今回は、種がどんなものなのか、知りたかったのです。

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これ、一番上の方にある「花」ですね。

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花がおわるとこうなります。

花弁が取れると、花の構造がよく分かるようになりますよ。
花が終わった、捨てちゃえ、ではなく、花が終わった後こそ植物にとって大事なとき。優しく見守ってやってください。
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実が熟して乾燥したら、真ん中が開きました。

中の種を出してみましょう。
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細かい!
下はアルミのものさしです。線の間隔は1mmです。
小さいもののたとえに「芥子粒のような」というのがありますが、これも小さいですよ。肉眼ではこれ以上のことはないのですが・・・
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思いっきり近づいてみたら
ナント、種の表面に、細かな凹凸があります。
乾燥による単なる皺でもなさそうですね。

どうも、ユキノシタというとすぐ、ランナー(走出枝)による「栄養生殖」というイメージを持ってしまいがちなんです。ハンパに生物に詳しいものですから・・・

生物の生殖>無性生殖>栄養生殖:ユキノシタ、イチゴなど

こう、ステレオタイプに思考が先走ってしまいがちなのです。(反省)

ユキノシタは「ふたば」をだす、双子葉植物ですし、バラ目なんですから、有性生殖の方が基本的な繁殖方法です。

ランナーによる無性的な栄養生殖では、子の株と親の株とは遺伝的に全く同一です(クローンです)。ですから、親株が感染するようなウイルスやカビがはやったら、子株も感染し、全滅しかねません。気候が変動しても、全滅しかねません。

有性生殖で、遺伝子をかき混ぜると、病気がはやっても、中には抵抗性の強いのがいたり、環境が変わっても、中には頑張る奴がいたり、という「多様な」個体の集団になって、全体としてタフになるんですね。
生物は、コストの高い有性生殖という方法を獲得して、多様性を増し、生物のいなかった地球上の多様な環境に適応して、地球を生物の生態系で包むところまできたわけです。
有性生殖という方法で、多様性を増していくからには、「親」の世代は消えていった方が有利になります。これが「死」というものの起源ではないか、とも言われています。(今さら、人間はクローンを作るなんて始めてみたりして、何をバカなことやってるんだかなぁ)

植物も動物も、有性生殖のための「減数分裂」というほとんど同じシステムを持っていますね。ということは、植物と動物とが進化史上で分離する前に、すでにこの減数分裂システムを獲得し、有性生殖ができるようになっていたのでしょう。その中で、光合成細菌を獲得した連中が、植物として枝分かれしていったのでしょう。

植物と動物、兄弟姉妹なんですよ。
(ミトコンドリアを持ち、酸素を使ってエネルギーを引き出す生き方も同じなんですね)。

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