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2009年5月 8日 (金)

ゲジ(1)

0424geji1家の中でゲジと出会いました。記念写真を撮ってから、庭へサヨウナラ。
その写真をお目にかけます。

「多足類読本」から引用・・・。ゲジ目の歩肢は芸術の域に達した造形物である。鞭のようにしなやかなその歩肢は細かく節状になっており、生物進化の妙を感じさせる。コオロギを捕らえたオオゲジは、その鞭状の歩肢でコオロギの足をぐるぐる巻きにしていた。・・・

げじ【蚰蜒】ゲヂ(歴史的仮名遣ゲジとも) ムカデ綱(唇脚類)ゲジ目の節足動物の総称。人家の中、床下、その他、暗い湿った場所にすむ。形はムカデに似て、体長約3センチメートル。15対の脚は非常に長く、触角と最後部の脚とは特に長い。口器が発達し、小虫を捕えて食う。人間に害はない。わが国にはオオゲジなど5種が分布。げじげじ。[広辞苑第五版]

通称、ゲジゲジですが、正式にはゲジと呼んでください。肉食性ですがヒトにかみついたりはしません(普通は)。垢すりにくっついていたゲジを握って体を洗っていたことがあります。手の中がムズムズするので見たら、ゲジがいました。逃がしてやりました。
ムカデは噛みつかれるとちょっと危険。相手を知って距離の取り方を測ってください。

とはいえ、私とてそうしっかり見つめたことはなかったのです。今回、マクロレンズ越しに見たゲジの姿に「感動」しました。
0424geji2
頭部近くの部分的なアップです。
体節ごとに飾りが付いていますね。そのうち翅でも生えてきそうな姿です。

肢の模様はカマドウマを思わせます。肢にトゲトゲがあるところも、ムカデと違って「昆虫的」ですね。
0424geji3
頭部をアップにして、本気でビックリ感動しました。
この顔つきは、ほとんど昆虫、です。
複眼があります!驚いたなぁ。
個眼の形までは写っていませんが、個眼の配列が反射光で見えます、この配列からすると、個眼は六角形ですね。

「多足類読本」を調べてみましたら

 ゲジ目は高い捕食能力を持つ。捕食に際しては、偽複眼と長い触覚で獲物を察知し、鞭のようにしなやかな歩肢を複数同時に使って、動きの速い獲物であってもすばやく捕らえる。飛んでいるガでさえもジャンプして捕らえるというからすごい。ゲジ目は跳躍能力にも優れるのである。こういう芸当は他のムカデ類ではできない。

とありました。
「偽複眼」とは何だろう?と検索してみました。
名古屋市公式ウェブサイトにこんな記述がありました。

ムカデ・ゲジ類
[学名] Chilopoda
[分類] 唇脚綱(ムカデ綱)
日本にはゲジ目、イシムカデ目、オオムカデ目、ジムカデ目に属する約130種が産する。
体は扁平あるいは棒状で、頭部と胴部から構成される。頭部の背面は発達した頭板でおおわれ、多くの節からなる1対の触角がある。眼は無い種もいるが、有る場合、ムカデ類では1-40個の単眼が集合している。ゲジ類では、約200個の個眼からなる原始的な複眼を1対備えている。胴部は多くの体節(胴節)で構成される。第1節は顎肢節となり、腹面に1対の顎肢(毒牙)を付属する。各胴節には1対の脚(歩肢)がある。ジムカデ類には191対の脚を有するものもある。脱皮をして成長する。幼体と成体が同数の脚を持っている場合(微変態)と、脱皮をするごとに体節が増えながら成長する場合(増節変態)がある。

なるほど。おそらく、昆虫の複眼が普通千から万の桁の個眼が集まっているのに対して、ゲジでは「約200個」なので、偽複眼なのかもしれません。(アリの複眼は約100個の個眼からなるというので、200個なら立派な複眼という気もしますが。)

また、昆虫の複眼は、昆虫という系統で基本的に同じものですが、進化的に全く別系統のゲジの複眼は昆虫とは独立に生じたものなのかもしれません。ですから、昆虫の福がんとは異なる複眼ということなのかもしれないですね。

しかし、本当に、この顔つき、複眼といい、触覚といい、顎の形といい、昆虫の顔ですよね。
こんな顔をしているとは全く知りませんでした。すごい勉強をしてしまった。うれしいなぁ。

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