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2009年4月 8日 (水)

嘘つき

新年度から朝日新聞に新しい欄ができまして「恋する大人の短歌教室」というのです。応募作を添削するというコーナーです。第1回はこんな風に始まりました。

[恋する大人の短歌教室](2009/3/30)
 嘘つきをゆっくり許す春色の淡いお酒を冷やすあいだに:東京 千坂麻緒

 恋する気持ちを短歌に託す……。そんなおしゃれな大人のための、小さな短歌教室です。少しだけ添削をして、1ランク上の恋の歌に仕上げましょう。さまざまな歌のテクニックを身につけ、思いの丈を自在に詠うことのできる、現代の「恋の歌人」を目指してください。
 1回目は、かなりの実力派からの投稿です。恋人でしょうか、夫でしょうか、大切な男性のささやかな嘘をさりげなく赦す(文字はこちらがよいでしょう)女性。そこに大人の大きな愛が感じられる魅力的な歌です。「春色の」お酒とは、ロゼのシャンパンか何かですね。ちょっとした贅沢さが効いています。第二句で繰り返される「ゆ」の音も効果的。ただ「春色の」と「淡い」とに同語反復の雰囲気があり、ややくどい感じもします。美しい「春色」という言葉を残し、「少しの間」を意味する「時の間(ま)」という言葉で締めてみました。原作にある第二句と第五句との時間のとらえ方の対比が、際立ったのではないでしょうか。(石井辰彦)

嘘つきをゆっくり赦す春色のお酒が冷えてゆくときのまに

 どうも、俳句や短歌の「添削」というものに、不審を抱く私です。私の「狭い見解」から眺めていて、添削によって原作の味わいが薄まってしまうことが多い、と感じています。
 今回の添削もそうですね。「春色のお酒」では「洒落たロゼ」にならない気がします。やはり「淡い」は必要ではないでしょうか。同語反復には聞こえません。
 「赦す」は受け入れます。ただ、「ゆるす」という同じ音(おん)で読む以上、あまり字面にこだわるのもよくないとは思います。異なる意味が必要なら、異なる語を模索すべきでしょうから。
 嘘つきを「ゆるす」のに必要なのは「心の時間」。お酒が冷えるのに必要なのは「物理的な時間」。
「少しの間を意味する『ときのま』」とありますが、「ゆっくり」と心の時間をかけて「ゆるす」心が進んでいくのですから、「少しの間」では困ります。お酒が冷えるにも、十分長い時間が必要です。食事準備などしながら、揺れているのでしょう。

文句ばかり付ける、悪い人ですね。添削は嫌いだといっていて、文句付けただけでは無責任でしょうね。私が添削したら・・・(おそろしい)

 

嘘つきをゆっくり赦す春色の淡いお酒を冷やすキッチン

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崩彦俳歌倉」カテゴリの記事

コメント

おもしろいですね。

俳句・短歌というのは本当のところを理解するのが難しくて、今まで通り過ぎてきましたが、こちらを読むようになってから、興味を深めさせて頂いています。

そんな私が生意気に、添削されたものと合わせて3つ並べてみると、なんだか元のがいいなあ、、、と思ったりしています。

ときのま キッチン どちらも固い響きが気になって落ち着かないのですがいかがでしょう?

 「キッチン」は固いです。嘘を思い、心を解きほぐしながら、その人との食事を思い、ゆっくりと準備に入る。まずは、ワインでも冷やして・・・。ワインの冷える頃には私の心もほぐれているかな・・・。
 で、「キッチン」としたのですが。料理の手順などを心の中に整えながら、ほぐしていく、そんな「まろやかな」言葉がほしいです。
 語感だけからいうと、午後の「まどろみ」は丸みを帯びた言葉かとは思いますが、まどろんではいけないような気もするし。
 「間」を表す「あわい」という言葉もありますね。
音(おん)がダブりますが敢えて置き換えてみましょうか。

嘘つきをゆっくり許す春色の淡いお酒を冷やすあわいに

まるくていい言葉を教えてください

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