河馬二トン
2009.4.12付 朝日俳壇より
河馬似トン春水二トン動かせり:(埼玉県)鈴木清三
長谷川櫂 評:巨大な河馬がのたうつたびに大揺れとなる水。河馬と水の重量感がみごとに描けた。
プールの大きさにもよるんですけれどね。「大揺れ」になるかどうか、疑問符。
水量が少ないプールだと確かに大揺れになるでしょう。でも、私の個人的な好みとしては、これは深い大きなプールであって、大きなカバが水中を歩くと、ゆったりとしたうねりが伝わっていく、と読みたいんです。
春です。ジャブジャブするより、ゆったりとしたうねりの方が快い。
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コメント
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河馬二トンの作者です。
この俳句は我が家の近くの東武動物公園という私鉄の経営する動物公園で作りました。時期は3月下旬です。日向ぼっこをしていてじっとしている河馬がプールの中に入るとアルキメデスの原理で二トンの水が動くだろうなと感じたことから句になりました。
その意味ではかかしさんが受け止めてくれた感想のほうがピッタリかも知れません。
ただ、二トンの水が動くということでは長谷川櫂先生の大揺れというのも作者としてはうれしい解釈です。
投稿: 鈴木清三 | 2009年5月12日 (火) 20時58分
作者の方からコメントを頂き恐縮至極です。元理科教員の単なる「つぶやき」ですので、お恥ずかしい限りです。
坪内稔典さんの「カバに会う」という本を、読みたいと思って果たしておりません。新聞紙上に紹介された句が気に入っております。
桜散るあなたも河馬になりなさい
カバの赤い汗には日焼け止め・抗菌作用がある、などという話題も好きです。(元化学教師ですので)。カバはすごいです。
ちなみに、この物質、カバの英語名にちなんで「ヒポスドール酸」と名づけられたそうです。
投稿: かかし | 2009年5月13日 (水) 11時05分