身を研ぐ
2009.4.12付 朝日俳壇より
つばくらめ身を研ぐやうにひるがへる:(横須賀市)佐藤博一
これは見事な表現を見つけられましたね。ツバメが身をひるがえすさまを「研ぐ」と言い当てた。ツバメの翼の細さ、飛翔の素早さ、すべてを含みこませることに成功していますね。すごい。
研ぐ、というと砥石で研ぐのが一般的ですが、刃を返しながら研ぐという動作をイメージすると、床屋さんが革砥であの鋭利な剃刀を研ぐ姿が私には思い浮かびます。革で金属を研ぐというのもすごいですよね。
もう一つ、最近はまず見られなくなりましたが、肉屋さんが、包丁を鉄の棒にこすり当てて研いでいましたね。子どものころあれを見るのが好きでした。いい音がするし。
大工さんが、砥石でカンナの刃を研ぐ、なんていうのも見ていて飽きなかったなぁ。
昔話。母に包丁研いでくれ、と言われて、やりすぎまして。薄~~く研いでしまった。
トマトを切ろうとしたら、刃がめくれちゃったわよ、と叱られましたっけ。何事も、やり過ぎはよくないのです。
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