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2009年3月25日 (水)

ツバキ(1)

0311tubaki1東光院の地蔵堂の脇にあります。

紅白の椿。
鮮烈ですね。
0311tubaki2
こんな色分けの花は珍しい。
オシロイバナがこれに近いけれど、花の大きさが大きいし、色が鮮やかで、ちょっと衝撃的ともいえるような咲き方です。

0311tubaki3 これはオシベの輪が落ちて、メシベが残っている様子。

子房が見えています。種ができたら一つもらってきて植えてみましょうか。

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ほとんど咲きかけのつぼみの外側。

一本の木全体の花がこういう感じなんです。すごいでしょ。

想像するに、花冠の赤い色をつくる酵素の遺伝子に、トランスポゾンという動く遺伝子が入りこんで、酵素が作れなくなるのでしょう。そうなった部分だけが白になり、酵素の働きが残っている部分が赤くなるのではないかな。
トランスポゾンというのは実に不思議な働きをします。遺伝子の機能を損ねることも多いのですが、進化の過程で重要な働きをすることもあります。

詳しくは説明しませんが、こんな新聞記事がありました。

「刷り込み」の起源 DNA断片が関係?:東京医科歯科大(2007/7/6 朝日新聞)
 哺乳類で、遺伝子が父親由来か母親由来かで働いたり働かなかったりする「刷り込み」の起源には、動きまわるDNA断片「レトロトランスポゾン」が関係しているらしいことを、東京医科歯科大の石野史敏教授らが突き止めた。
 注目したのは、レトロトランスポゾンが変化したとみられる、胎盤形成に欠かせない遺伝子Peg10。この遺伝子は哺乳類でも卵を産むカモノハシなど単孔類にはなく、カンガルーなど有袋類とマウスやヒトを含む真獣類にあることを確かめた。このため哺乳類の進化の過程で、有袋類の先祖に入り込んだレトロトランスポゾンがもとになったと考えられた。
 詳しく調べると、有袋類のPeg10も真獣類と同様、母親に由来する場合は、DNAにメチル基がつく「メチル化」で遺伝子の働きが抑えられていた。しかし、父親由来の場合はメチル化されずに働いていた。
 メチル化は、外来の遺伝子を抑える仕組みとして生物体内で使われている。「Peg10の働きを抑えるためにメチル化したが、何かのきっかけで父親由来の場合はメチル化されなくなり、これが刷り込みの起源になったのではないか。こうした考えが、レトロトランスポゾンがもとになった他の遺伝子についてもあてはまるかどうか調べていきたい」と石野さんは話している。

私たち哺乳類の「胎盤」の獲得にトランスポゾンが関わっていたという話です。

「スシイチ」、胎児成長に大事 フグから発見DNA断片
2008年01月07日07時37分
 フグで見つかり、すしにちなみ「スシイチ」と名付けられたDNA断片が、進化の過程で変化し、哺乳(ほにゅう)類では胎児が育つ際に重要な役割を担う遺伝子として定着していることを東京医科歯科大や東海大などのグループが突き止めた。6日付の米専門誌ネイチャージェネティクス電子版に発表する。
 グループは、この遺伝子を働かなくしたマウスでは、胎児と母親を結ぶ胎盤の毛細血管が異常になり、誕生前後に死ぬことを見つけた。胎盤の毛細血管は、栄養や酸素・二酸化炭素の通り道だ。
 また、人の胎児でこの遺伝子が過剰に働くと胸郭の発達が異常になるなどの症状が出ることも、国立成育医療センター研究所との共同研究で明らかにした。これまで原因不明とされた成長障害の診断につながる可能性があるという。
 今回の一連の研究の中で、この遺伝子はニュージーランドの研究者が発見したDNA断片「スシイチ」が変化したものであることもわかった。フグではウイルスのように動き回る「レトロトランスポゾン」と呼ばれるものだが、進化の過程で哺乳類の祖先で遺伝子として定着し、重要な役割を果たすようになったとみられている。

話は植物だけではないんですね。私たち自身をも含む生物界全体でこの「トランスポゾン」というものが働いているのです。

オシロイバナ、アサガオなど、ちょっと変わった花を見たら、トランスポゾンのことを思い出し、自分自身の細胞内の遺伝子内の「トランスポゾン」にも思いを致してみてください。

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