砂山
2009.3.16付 朝日歌壇より
夕迫り砂場の子らは帰りゆく砂山二つに椿をかざりて:(徳島市)磯野富香
馬場あき子 評:子供の遊びの手すさびに椿の花の紅がいかにも春のやさしさ。
子どもが遊び終えて帰るとき、作った砂の山のてっぺんに椿を置いていったのですね。
手近なものならなんでもよかったんだと思いますよ。私の大昔の気分だと、木の枝をてっぺんに刺してきた、という感じがあります。
石でもよかった、棒でもよかった、ただ、椿の花がころっと落ちていたので、山のてっぺんに置いてきた。おとながそれを見ると、いかにも装飾的にみえますが、子らはそう深くは思っていないでしょう。ただ、手近に椿が落ちていた、ということ自体が季節を深く印象づけるのだと思います。
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