成長
2009.3.16付 朝日歌壇より
抱きしめて見つめて吾子の成長を見逃すまいと我必死なり:(小金井市)大崎美里
佐佐木幸綱 評:はじめての子を見つめる母のストレートな思いが伝わってくる。
一日ごとに成長します。時間の流れが、大人とは違う。私たち夫婦の場合は「白い本」というのに、記録が残っています。でも、文字に記録されたものより、記憶に、それも夫婦の記憶に刻まれたもの、共有されたもの、その方が深く残るのではないですか。
夫の育児もいわれ、もちろん当然必要なことですが、妻と夫が子の成長過程を共有する、それは大事なことです。この成長にぴったり密接する立場、一体になった妻と子を、少しだけ外側から丸ごと抱え込む立場。そういうのも、「子育て参加」だと思いますよ。
なんにせよ、成長する子と時間を共有できること、これほどの幸せはありえません。
存分に味わい尽くしてください。
◆永田氏はこの歌とは別に「セット」で二首選んでいます。どうぞ。
今晩も同じ絵本をせがむ子は王女様より先に眠りつく:(逗子市)中原かおり
つい文字が大きくなってしまったと夫のたまいし出生届:(高槻市)有田里絵
私もよく子を寝かせつけましたが、必ずと言っていいほど、一緒に眠ってしまうんですよねぇ。寝かせつけているんだか、寝かせつけられているんだか、よく判りませんでした。
「カレイが平たくなったワケ」なんていう、でたらめ創作童話を話したり、まんが日本昔話を話したり・・・「ぼうや~よいこだねんねしな~♪」と歌ったり、で、うっとり眠ってしまうのでした。
私は有田さんのファンですので、これからも楽しみにしています。
わんわんといぬには違いがあるらしい使いわけつつ子は歩きゆく
桜道猫のいる道子と行けば次の角まで十分かかる
↑上のお子さん
目の前が急にひらけたまた産めるまだ8ミリの命見つめて(2008/07/21)
↑このとき8mmだった胎児が、今、出生届を出した、その赤ちゃんです。
マタニティーマークをつけて子を連れて二人に見える三人で行く
まんなかに幼なをはさみ手をつなぐ後ろ姿を撮って下さい
↑一人増えました。赤ちゃんを抱き、手をつなぎ、4人の後ろ姿を眺めさせてください。
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