土塗れ
2009.3.2付 朝日俳壇より
初孫や土現れて土塗(まみ)れ:(長岡市)内山秀隆
金子兜太 評:雪解けて土現れ、初孫め、喜んで土まみれ。雪国の人の新鮮な感受。
そう、土を詠んで、雪の深さを表現しています。
真っ白な世界に現れる黒い土、それは「春」でもあるわけです。
昔から、雪の上に土をまいて、畑の雪解けを促進しました。
「白」は入射した光をすべてはねかえすという出来事のことです。(色ではありません。)
「黒」は入射した光をすべて吸収するという出来事のことです。(色ではありません。)
光を吸収すれば、その光のエネルギーは熱になります。ですから、土のところから温まって、雪解けが早くなるのです。
初孫が土まみれになる=春が来た、という喜びなんですね。
◆アルベドという概念があります。
アルベド【albedo】〔理〕反射能に同じ。
はんしゃ‐のう【反射能】天体で、入射光の強さに対する反射光の強さの比。主に太陽系内の天体にいう。アルベド。[広辞苑第五版]
氷河期、地球上に氷がいっぱいでした。ですから反射能が高くて、地球は太陽エネルギーを吸収できずに反射していたのです。
今、温暖化がいわれます。氷河や両極の氷が減るとどうなるか。反射能が低くなり、太陽エネルギーの吸収が多くなり、地球の熱収支が黒字に傾くのですね。するとますます氷がとけます。で、反射能が低くなります。という悪循環も考えられています。
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